図解で紐解く「21世紀の資本」、ピケティを解説する。
Hey!What'up people!? 鎌田です。
今回ご紹介したいなと思ったのは、こちらです。【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!という書籍で、日本では2014年12月6日に発売された書籍からエッセンスだけを抜き出して解説した本を紹介していこうと思います。
なぜ、トマ・ピケティの書いた書籍ではなく、解説本を紹介するのか?最近はゲームよりもゲーム動画が人気を集めるといった謎の現象も含めて考えていきたいと思います。
若い世代を中心に本が読まれなくなったという話をよく聞くんですけど、自分でも分析してみました。最近は漫画ですら読まれなくなった傾向にあって、どういうことかと端的に結論だけ申し上げると「読むのが苦痛だから」ということだそうです。
活字中毒の私からすると理解が難しい話ながら、逆にいえば読むのが苦痛な層にも私の話は理解されないわけです。
分断の時代と云われていますが、私は本質はもっと別のことじゃないのかと思っているので、これからその話と絡めて、この【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!を紹介していきたいと思います。
ひと昔前は漫画なんて子供の読むものという扱いでしたよね。私が読むのは小説が多いですが、もちろん漫画も読みます。今、好きだなと思っている漫画は、ボスとヤスというギャグマンガで合理性を尊ぶ裏組織のボスは忠実な右腕のヤスに信用出来る、強くて頼りになる愛人が欲しいというボスの願いをかなえるためにヤスは催眠術をマスターしてボスに、いかついヤスがボス好みの美女に見えるようにするというシュールなコメディが気に入っています。
ライトノベルも出始めの頃に今は20歳を超える息子が好んで読んでいたので、ちょっと読んでみると割と大人も楽しめる内容なんですね。今は転生ものといって突然、現代からファンタジーの世界に飛ばされたり、ブラック企業で働き詰めで過労死したと思っていたら、目を覚ますとそこは魔法と冒険が待ってる世界だったという展開がトレンドです。
私は売れない現代小説とか農業小説なんかも書いているのですが、純粋にマーケッターとしての視点で市場を分析すると、トレンド構造を入れて、マッチングしたものをリリースすると数字がいいですよなんてことに興味が在るので、こちらのジャンルも挑戦中です。
次に読まれやすいジャンルが、今回紹介する本のように難しいけど、読んで理解しておきたい本を、漫画や図解でエッセンスだけを抽出している書籍です。
これは今のトレンドと、とてもマッチしていますし、私も完全に同意する部分でございまして、時間のない現代人にもお勧めですし、これまでに本を読みまくった人なら、そのエッセンスだけ読めば十分に著者の意図をくみ取れるのかなと思います。
だからこそ、今回紹介する本の元ネタであるピケティの書いた「21世紀の資本」の解説本なんかはうってつけで、この本は728ページにもおよぶページ数なので私も正直読んでいてうんざりしましたし、結局はなにか理解しえなかった読了感だったので、解説本を読んで他の人はどんな風に捉えているのか知ってみたくなりました。
昨今は特にエッセンシャル思考なるものも全盛を極めており、本当に重要な21枚の図がわかれば、 効率的かつ的確に読み解くことができるのです。
本書によって「21世紀の資本」のどこを読み、何を読み取ればいいのかが、腹落ちする内容となっております。つまりは、これを読んだだけでも勿論いいんですけど、本家の「21世紀の資本」を読むための羅針盤のような役割を果たしている本となっていて、意外と「新しい切り口だな」と思いました。
冒頭でゲームの話を持ち出しましたけど、この本はゲームの攻略本のように、面白いと思ったゲームをしゃぶりつくすための仕掛けがいくつも散りばめられており、21世紀の資本を理解することに役に立つのはもちろんのこと、現代のビジネスパーソンにこの解説本を読んでもらって、この本の狙いとか本質の部分の仕組みを理解すればご自身の成長に役立つのではと強く思いました。
「21世紀の資本」は非常に話題になったものの、冒頭に申し上げたように728ページものボリュームがあり、なかなか読破するのは難しいので、要点をつかむための図だけを抜粋し、ピケティの主張の大意をつかもうという内容になっているので、昔、江崎グリコのキャラメル「アーモンドグリコ」のキャッチコピーだった「1度で2度おいしい」ってやつを体現した書籍となっています。
ピケティは過去の膨大なデータを整理して、経済に関する特徴を見出したわけですが、その主張を支える図がひとつひとつ紹介されながら、それぞれがどういう意味なのか解説されています。
ちなみに私はU-NEXTでトマ・ピケティが直接解説している映画も拝見しており、私なんかはようやくこちらの動画で21世紀の資本で著者の表現したいことが腹落ちしたなと思います。やはり、これからのメディアに動画を絡めないは勿体ないなと思いますね。
ドラマも原作があって、そこから人気に火が付けばスピンアウトが生まれるように循環していく流れは面白いと思いますますし、誰もが受益できる経済のカタチなんではないかなと感じている次第でございます。
この本に話を戻しますと、ピケティの主張するこの世界の問題は財産の集中と社会権力の集中なわけで、これは社会的地位の固定化と人々の区分や対立をもたらして分断の時代となったわけです。
この問題の本質は、国際資本主義を抑えられない事です。多国籍企業や金持ちに対して適切に課税できていないですよね。法律は弱い者の味方ではなく、知っていてうまく利用できるものの味方です。これは情報も同じです。
だから人々は移民やマイノリティをたたきます。多国籍企業を叩くより楽だからです。でも隣人を攻めてみても人は豊かになりません。分断の時代はどこかで限界を迎えて、我々はどの未来を進むか選択するしかない時代を迎えているのです。
わたしたちは21世紀をどう生きるべきか、この書籍ではそれを紐解くために用語の知識はもちろんのこと、数学的な理解力はある程度必要なものの、ピケティの主張がどういうものかを短時間で理解できるのでコストパフォーマンスは高いといえるではないでしょうか。
わたしが学生の頃に学んだのはノーベル賞も受賞したクズネッツの主張であった「世の中が成熟すれば資本主義は平等になる」といものでした。しかし、実際にはそうならず、こうした定説はひっくり返ってしまったわけです。
1.経済成長なくして、格差は埋まらないという現実
私たちも世界史で学んだ共通認識として、産業革命がおこってから、欧米はアジアとアフリカに対して圧倒的に強い経済力を誇っていました。
しかし今日では貧困国と呼ばれた国や新興国が経済成長を遂げてきており、地域間の格差は急速に埋まってきております。
これは、これまで欧米を中心に目覚ましい発展を遂げてきたテクノロジーは今や欧米だけのものではなくなってきたことを意味しています。
そもそも人口という要素無くして経済は語れないのです。これまで右肩上がりで成長を続けてきた人口増加でしたけども、20世紀に入ると急速な人口減少期に入りました。
21世紀末にはアフリカ大陸だけが微増し、世界全体では人口増加率0%という予測がなされています。
ここでGDPにも触れておきますと、国民全員が仕事をして得た所得の総額を指します。一人当たりGDP成長率は人口増加を後追いするかのように19世紀半ばから上昇してきました。
しかしピーク期を過ぎつつあり、世界のGDP成長率は1.5%前後まで下がると予測されています。
ある程度の成長率があれば、そのパイを分け合う事で格差をただすことができるんですけど、このままだと格差は広がるしかないというところまで来ています。
2.世界大戦と世界大恐慌から紐解く
インフレというのはモノの値段が上がり続ける状態のことで、それと同時にお金の価値が下がることを意味します。
この戦争時に欧米では最大17%の急激かつ大きなインフレが起こりました。その原因というのが膨大な戦費を賄うために、算出限界のある黄金では無理があるので「金本位制度」を廃止して、紙幣を大量に刷って資金を作るという金融政策に舵を切り替えました。
他にもいろんな要因が絡みますが一旦は民間資本が著しく減少したものの、1970年以降は再び増加傾向に転じています。
簡単にいうと公共資本が民間資本に移行するのと並行して資産価値が復活して上昇基調に入ったためと考えられています。
3.「r > g」という歴史的事実
ピケティは膨大なデータをもとに客観的時事ではなく、歴史的事実として世界的な資本収益率をrとして経済成長率をgと設定して比較したところ、こちらのアジェンダに書いているように常にgよりrほうが大きいよと主張しています。
4.ピケティの主張はというと
先ほどの「r>g」はいわば課税されていない状態での試算ですから、税引き後にはどうなるんだという部分では、面白いことがわかってきて、この税率が経済に与えるインパクトはこれまで考えられてきたよりも大きいねということがわかって、国家間の税制競争は激化して、資本への課税は減少傾向にあります。要はこの公式は戦争などの有事における異常値以外では常に「r>g」であるということが証明できる、格差の拡大は止まんないよというものでした。
5.理想的な社会の実現に向けて
ここでもピケティは歴史的事実からの提言をしており、累進課税の復活させて世界に再分配できるように国際協調の下で、すべての国で累進課税の強化策を採用するべきだというものでした。
ピケティは決して資本主義そのものを否定しているんではなくて、格差を是正するために、金持ちはどんどん豊かになって貧乏人は挑戦するチャンスすら与えられない世の中を改めるべきだと、世襲資本主義によって才能が世の中に埋もれてしまうのは人類にとっての大きな損失だと訴えているのです。
本書をきっかけに、一度は放り出した本家の日本語版をまた開く気になる読者、あるいは、日本語版を買って読んでみようと思う読者がいたらと、密かに願ってもおります。
『21世紀の資本』が、歴史的な著作であることは間違いないので、まずは本書を通じて、ぜひ、その世界に触れてみてほしいと思っています。
それではまたお会いしましょう!
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