地域プロジェクトの目標設定は「定量面」と「定性面」から捉える
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前回は「地域プロジェクトには事務局機能設置が必須」と題して地域プロジェクトの失敗要因を紐解き、事務局機能の必要性について述べさせていただきました。
そして今回は、計画策定の重要性とその軸となる目標の設定について、その目的や手法などについて解説させていただきたいと思います。
地域プロジェクトを成功させるためにベースとなるのが計画の策定ですが、その計画には必ず目標がつきものです。
よく自治体からもご依頼をいただくのですが「予算があるのでどうですか」「どこそこの自治体もやっているので」というような理由が多く、中長期的な視点が抜けている為、中長期的な着地点と持続するための維持機能について中抜きのままスタートしているのです。
そこで目標の設定によって、その辺りについて肉付けしていくのですが、「定量面」と「定性面」の2面から捉えるとスムーズに目標を設定できるでしょう。
定量面とは
これは数値目標のことで、どのようなプロジェクトであれ、マイルストーンを設置するために数値の設置は必要であり、これを達成するための手法を計画するのです。
しかし、「目標」と「どうしたいか」は常にニアイコールですので、数値目標は「どうしたいか」の確認する目安でしかありません。
定性面とは
そこで、その「どうしたいか」を皆で確認し、共有するために定量面とセットで定性面の目標も一緒に設定することがポイントとなります。
わかりやすい例として、高齢化が進んだ主要産業が農村といった地域で、グリーンツーリズムの水平展開がうまくいき、観光客が増えて地域外からのお金が農村に落ちて活気と収入が増えて余裕が生まれて、住民も心豊かに将来性を描ける。
その持続により、地域外からの来訪者や移住者と触れ合う機会が多くなり、刺激が増え、閉鎖的状況が変わり若い人の活躍できる場も増えていく具体的に起こる現象や状況について描写していくのです。
目標の達成は難しくない
はじめに結論を申し上げると、策定した計画の線上にある目標の達成は必ず達成します。
① 根回し
古臭い言葉かもしれませんが「根回し」。
ビジネスの現場がどこであれ、重宝するのがコレ。スピード感に劣るイメージがあるのは「根回し」の仕組み化で出来上がっていないからで、私は海外事業の立ち上げも請け負うので日本の外も見てきていますが、「根回し」についてダイレクトな言葉はありませんが近い行動はあるのです。
「もったいない」というワードが世界的に有名になりましたが、成熟した社会には「根回し」は必要で、「根回し」もグローバルスタンダードになる日も近いかもしれません。
② 覚悟
次に必要な要素が「腹に決める」ということ。つまり覚悟を持つということです。
目標を定めて計画をスムーズに進めるためには根回しが必要ですし、時にはうまくいかないこともありますが「腹に決めて」逃げ出さないでやり遂げる覚悟を持たなければ誰もついてきません。
私のような現場志向のコンサルタントは結構、泥臭い部分で勝負を決めますがほぼ100%何らかの成果をあげているのは、「考え続けることと」、「行動し続けること」この2つを諦めなかったからだと思います。
こういう仕事をしていると、今まで地域にやってきた口先だけのコンサルタントに辟易としていることもあるので、多少の批判も覚悟しなければなりませんし、感情が先走っていると突然、罵声を浴びせられたりもします。
でも、経験則からいうと最初の壁が高い地域ほど、最初の壁を超えれば一丸となりやすく、持続性の高い事業を生み出したり、より高い成果をあげています。
③ 現場で汗をかく
コンサルタントや専門家の多くはアドバイスや指示だけ出して、自分の手を汚さない人もいる中で、たまに「現場に入って行きます!」なんて人もいますが視察に入るだけで「観光者かっ」と心でツッコミそうになります笑
確かに俯瞰の視点を持つために客観的なポジションに身を置いていた方が冷静な判断に繋がることもあるでしょうけど、それは残念ながら物事の上っ面でしかなく、これからのコンサルタントに求められることはステークスホルダーともっと密接に関わっていって理解すること。
それが結果から見るともっとも冷静な判断であったと思えるのです。
また同時に、そこまで関わってしまうと後に引けないので責任という重みから、やるしかなくなるという側面も結構、大事だなって思う今日この頃です。
結局は編集力
このコラムで何度も必要性を説いている「編集力」ですが、我々の役割はつまりのところ「人と人をつなぐ」を最適化することです。
相手に興味を持って、相手から好奇心を持ってもらえるように心がけ、胸襟を開いて話せる間柄になると本当に強いです。
この仕事をしていこうと腹に決めたポートランドの事例を研究して感じることは地域プロジェクトの成功には「モノづくり(サービス含む)」「人づくり」「仕組み作り」の3要素が必ずあります。
そこで次回はこの、「モノづくり(サービス含む)」「人づくり」「仕組み作り」の3要素について深掘りして解説を進めて、コラムの最後にポートランドの事例などもご紹介させていただきたいと思います。
それではまたお会いしましょう!
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