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地域活性化マーケティングモデルを分解して地域プロジェクトに活かす

割引あり

前回は”地域プロジェクトに必要な「モノづくり(サービス含む)」「人づくり」「仕組み作り」の作り方”と題して3つのスキルを組み合わせて地域プロジェクトを進めていくわけですが、それぞれについて解説をしました。

今回は予告通り、アメリカのポートランド市の地域活性化について取り組みの事例などを紹介しつつ、ポートランドに学ぶ手法などを分析してみたいともいます。

私がこの仕事に傾倒していくきっかけとなったポートランドについて、まずは概要について解説を進めていきたいと思います。


ポートランド市の概要

人口約60万人、周辺都市を含めた都市圏人口は約220万人を擁するオレゴン州最大の都市となっており、「全米でもっとも環境に対する意識の高い都市」として「もっとも美味しいレストランが集まる都市」などに選ばれ、注目を集めています。

実際に都市人口は10年間で190万人から220万人へと17%増加し、地域活性化のモデル都市として話題に上がることも多いのです。

私はアグリ・コンサルタントや地方創生の仕事を請け負う背景を持ちながら平日は上場企業の経営企画室などで法務や分析などを専門としての立場も持っていて、今回はその視点からポートランド市の「地域活性化マーケティングモデル」を分解して、整理して何が先進的で、どの取り組みがどのような効果を生んでいて、その背景には何があるのか、その成功の実現を支える要因を分析してみたいと思います。

ポートランド市の地域資源

ポートランド市の周辺地域は小麦や野菜などの農業地帯で、コロンビア川とウィラメット川など複数の川の合流点であり、そこに港が形成され周辺部広域から小麦などの穀物が集積される立地となっており、そもそも豊かな農産物に恵まれた都市です。

農家にとっても出荷するのにロジスティックコストがシュリンクできますし、まさに生産者にとっても理想郷ですよね。

また、ポートランドの行政もいち早く「都市成長境界線」を設けて、都市の拡大を帰省していたため、ポートランドは大都市でありながら近隣に農業地帯が形成され、野菜などの「地産地消」が成り立つ都市となっている。

都市成長境界線は都市の成長を指定された範囲内に留めるためにオレゴン州法により一九七三年に制定された。開発行為が許可される都市部と、開発が許可されない郊外部とを明確に線引きしており、他都市のような無秩序な郊外の都市化を避け、農地や森林を開発から守ることができた。

日本でも地産地消が叫ばれて随分と時間が経ちますが、その理解については全くといってもいい感じで理解が進んでいません。

狭い商圏で「地産地消」していっても地域の外にお金が流れていくので地域振興にはならないので、ポートランドくらいの人口で地産地消のモデルを考えた都市設計が必要になってくるのです。

他にもポートランドでは、港湾機能に起因する造船・機械部品工業も盛んで、それらに関係する工業技術の蓄積もなされていますし、コロンビア川渓谷など豊かな自然環境を生かしたアウトドアや自動車スポーツが盛んで「コロンビアスポーツ」などの専門的なスポーツメーカーに加え、世界的企業「ナイキ」の本社なんかもあったりします。

おまけにポートランド近郊には「インテル」入ってる状態でハイテク産業も進出が盛んでシアトルに至る地域は「シリコンフォーレスト」と呼ばれ、カルフォルニアのシリコンバレーに次ぐ、ハイテク産業が集積されています。

さらに健康・医療・研究機関も数多く立地し、様々な分野が集まって成り立った自立型都市となっています。

ポートランド市の価値創造

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