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資金調達のオキテ

これまでは「事業の見える化」を軸に資金調達のための前提として計画書の使い方や考え方などのついてお伝えしてきました。

今回からはいよいよその実践編ということで「資金の具体的な集め方」ということについて考えていきましょう。

資金調達とは、あなたの事業を開始するにあたって必要なお金を他人から、または自己資金だったりするものを事業に投入するということです。

これは住宅や車のローンのように、お金を集めたら家や車を買って、あとは自動的にお給料から返済していくだけです。

しかし、事業性ローンの場合は資金調達のためであって、あくまで目的ではなく手段の一つに過ぎません。

この資金をいかに有効に使って、自分自身の事業を成長させ、その資金を提供者に確実にリターンするというのが目的なのです。


資金調達に必要な4つのもの

事業計画

これは今までの記事で紹介してきた「事業計画書」「開業時資金計画書」「収支計画書」「資金繰計画書」の4つが該当します。

金融機関を中心に資金計画を考えている場合はこの資料が一番大切となりますので一番時間をかける資料となります。

プレゼン力

事業計画に関わる資料は全て書面ですから、それらを熱意を持って説明したり、疑問に答えしたりして、このビジネスは面白いとアピールできる能力が必要になります。

この計画書を士業や私たちのようなコンサルに丸投げにされる方がいらっしゃいますが、他人の言葉ではなかなか投資家には伝わらないでしょう。

職務経歴書

金融機関から融資を受けるのであれば、あなたの経験は問われることでしょう。

これから始める事業に対してあなたは実績を持っていませんから、せめて前職などにおける経験が新しい事業に活かせるかどうか、というところを指標とされるわけです。

一般的には最低でも3年以上同業種における経験を積み、スタートアップに至る敬意がないと、ポイントはかなり低いでしょう。

特に日本政策金融公庫から融資を受ける場合には基本的に6年以上の経験が必要とされています。

信用

これは単純に、あなたの過去の借入等の履歴状況は当然に影響します。

過去に自己破産しただとか過去に借金返済で事故を起こしてブラックリストに乗っているなんて場合には悪影響はかなりあるとみて間違い無いです。

法人だったら別人格として扱われるんじゃ無いの?なんてことはなく、法人が借り入れする場合は代表者が連帯保証人となる可能性が高いので、要はあなた自身の信用力によって決まるということです。

とはいえ、上記の4つの条件が満たされれば基本的に融資は実行されます。

「信用」ばかりはどうにもなりませんが他の部分については伝えられることは全て伝えさせていただきたいと思いますのでお付き合いいただけましたら幸甚に存じます。

さて、ここからは集める資金の種類について掘り下げていきたいと思います。

自己資金と言うのは簡単にいえばあなたの預貯金などを事業に使うということです。一方で他人資本は借入金であったり投資を受けたりのお金になります。

そうなると、当然ですが他人資本の場合には返済期限がありますし、また利息なども発生してきます。

最近は低金利時代なので借り入れを行いやすい時代ですが事業が軌道に乗るまでは資金繰を圧迫することになります。

理想は100%が自己資金でしょう。

ビジネスにもよりますが初期投資や、設備投資にお金のかからない事業ならば十分に実現可能です。

設備投資などに高額の費用がかかる場合は他人の資本も組み合わせていくことになるかもしれませんが基本は金融機関ですね。

ただし現実には「自己資本 ≧ 借入額」が相場です。

保証人や、担保がしっかりしていれば逆転もあり得ますが、基本は自己資本が上限と考えて事業計画を組むのが妥当です。

どうしても初期投資に多額の資金が必要な場合、ノンバンクなどから借り入れを行い他人資本を増やすこともできますがスタートアップの時点でかなりのリスクを負うことになります。

事業計画上でどうしても必要かつ、返済の見込みが確定的に立っており、なおかつ利息の範囲以上の利益が残るのであれば選択肢として検討しても良いとは思いますが基本はオススメしません。

法人の自己資本の考え方は、世間一般の考え方とは異なります。

貸借対照表を効果的に使える考え方でもご紹介させたように、法人の場合は自己資本は「資本金」として貸借対照表の「貸方」に記載されます。

自己資本 = 資本金

会計に詳しい方であれば「資本準備金」なども思い浮かばれると思いますがここでは省略します。

そしてこの資本金ですが、事業を始めようとするあなた個人のお金だけが該当するとは限らないのです。

株式会社は、その会社に出資をした人が株主となって会社の経営に参加できる仕組みなので、その出資をした人から集めたお金が資本金です。

例えば、あなたが事業を始めるなら、その設立にあたって最初の資本金をあなたと友人で300万円出資ずつ出資したというような場合は、あなたもその人も2人ともが法人の出資者であり、株主であり、そして会社の所有者なのです。

この場合、その法人の自己資本は、あなたからのお金も、誰かからのお金も両方まとめてその法人の自己資本です。

したがって、法人の場合は資本金の出所は考えず、全てが自己資本となる、ということです。

もしも事業で短期的に資金が不足して、あなたのお金を投入しなければならない事態になれば「金銭消費貸借」、つまり法人とあなたでお金の貸し借りをすることになるのです。

次回は他人資本を集めることによる影響などを考察したいと思います。

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