呪いの魔法 第4話
まだ太陽が真上に登っている正午、マリアンナは落ち葉を踏みしめて、坂道を登っていた。息が上がり、日頃の運動不足が悔やまれる。
視界が開けて、大きな屋敷が見えた。裏手に回ると、見事な庭が広がっていた。
「ここになんの用だ。」
男の低い声が後ろから聞こえて振り返る。
そこに、長い髪に枯れ木のような細い体の男が全身を黒く包んで立っていた。
「久しぶり、ハンネス。」
ハンネスと呼ばれた男はフン、と鼻から息を出すとマリアンナの隣を通って庭に向かう。
「また、何か厄介なことでも起きたのか?