眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演『SHOT』

私は信じていたいのです。本当はみんな孕んでいること。いつか思い出すはず。たとえ今が夢で…

眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演『SHOT』

私は信じていたいのです。本当はみんな孕んでいること。いつか思い出すはず。たとえ今が夢でも、うつつでも。ああ、羊が楽しそうに跳ねて行きました。向こうには何があるのでしょうか・・・・・・。

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【作者に訊く】『SHOT』に懸ける想い(第4回) 劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演

 道端の彼岸花の美しさは、私たちの夏への眼差しを奪ってしまう気がします。劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演 制作の神山卓也です。  4回にわたってお届けするインタビュー。この記事はその4回目(最終回)です。前回の記事は、以下からご覧いただけます。 ゲスト:増井怜史朗 取材・編集:神山卓也 写真:三木のあき 没頭する少年時代——これまでの回では脚本家としての一面や演出家としての一面に注目してきましたが、最終回となる今回は人としての一面に注目してみようと思います。ま

    • 【作者に訊く】『SHOT』に懸ける想い(第3回) 劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演

       すぐ朝が来る、そう思うほどに夜の長さが身に沁みるようになりました。劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演 制作の神山卓也です。  4回にわたってお届けするインタビュー。この記事はその3回目です。前回の記事は、以下からご覧いただけます。 ゲスト:増井怜史朗 取材・編集:神山卓也 写真:三木のあき 伝え方は悩ましい——これまでの2回のインタビューでは、脚本家としての増井さんに注目していましたが、今回は演出家としての増井さんに注目したいと思います。まずは、演出をされる上

      • 【作者に訊く】『SHOT』に懸ける想い(第2回) 劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演

         蝉の声や吹き出る汗が在りし日のものになることは、切なささえ感じさせるようです。劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演 制作の神山卓也です。  4回にわたってお届けするインタビュー。この記事はその2回目です。前回の記事は、以下からご覧いただけます。 ゲスト:増井怜史朗 取材・編集:神山卓也 写真:三木のあき 去年の執筆活動を経て——前回のインタビューでは、去年お書きになられた脚本『風に向かって、道を辿って』は「近道なように見えてすごく遠回りをしていた」とおっしゃられ

        • 【作者に訊く】『SHOT』に懸ける想い(第1回) 劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演

           時折吹く風が目線を持ち上げてくれる度に、空の青さを感じるようになりました。劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演 制作の神山卓也です。  私たちは、10月6日(金)から8日(日)まで、京都市東山青少年活動センターで、『SHOT』という作品を上演します。  そこで、この公演の脚本を書かれ、また演出も担当されている増井怜史朗さんに、脚本では言葉にされることのない想いや物語をお聞きしました。今回から4回にわたり、そのインタビューをお届けします。 ゲスト:増井怜史朗 取材・

        【作者に訊く】『SHOT』に懸ける想い(第4回) 劇団ケッペキ 眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演

          SHOTスタッフ報告会 第二弾

          対談日9月5日 2回に分けてお届けする、SHOTスタッフ報告会の第二弾!演劇に対する熱い気持ちや葛藤など盛りだくさんの報告会です。ぜひご覧ください。 ごあいさつ 高松憂 (以下、高松):じゃあ、始めます、よろしくお願いします。 全員:お願いします。 高松:では、それぞれの自己紹介をお願いします。 川村有毅 (以下、川村):舞台監督をやっています、川村有毅です。よろしくお願いします。 柳澤祐太 (以下、柳澤):宣伝美術のチーフをやっています、柳澤です。 藤井椿

          『手の文質へ』

           樹上生活に適応するために手指は発達したという。握り拳をつぶしたような“手のひら”ならぬ“ひらの手”から、欲にうずいてたまらない神経の束が、わずかな突起を手がかりに五回も突出した。こうして欲は五つになったのだと、短い指を見るたびに思う。短小の指は進化の姿を思わせる。今日はついに五とはなんだろうと気にふれて「五欲」を試しに引いてみた。すると「美しいものを見たい〔=色〕、甘美な音楽や声を聞きたい〔=声〕、いい香りの人に接したい〔=香〕、うまい食べ物を食べたい〔=味〕、感触のいいも

          SHOTスタッフ報告会 第一弾

          対談日9月5日 2回に分けてお届けする眠れぬ瞼を跳ねる羊の晩夏公演『SHOT』報告会。この公演でスタッフ・役者として活躍している6名に近況報告と称していろいろ話してもらいました。今回は報告会第一弾!各部署の裏話や仰天エピソードなど、これを読めば公演がもっと楽しみになるはずです。 ごあいさつ 南方大幸(以下、南方):今回はSHOTのスタッフ対談ということでこちらの方々に集まっ てもらいました。自己紹介をお願いします。 井手美唯奈(以下、井手): はい、衣装小道具チーフ補佐2

          『這子』

           稽古場の帰りに下鴨あたりの住宅街を漕いでいると、左手の奥の方から小さな物陰が見えてきた。どうやら歩道を少しはみ出て、丸頭の男の子が寝そべっているようである。うしろで組んだ手とランドセルとを二重の枕にして、ちょうどマンションの群居と夕空とのあいだを見上げながら、彼は鈍くガサついていた。最初、私は泣きの地べたかと思った。しかし接近してあらわれた男の子は、まったく濡れてもへこたれてもいなかった。それどころか、ただの幼いパーツの寄せ集めが、どうにも哀惜というか、望郷というか、そうい