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どん底からの一発逆転【マチアプ⑧】

結婚すること自体を迷っている」からの「少し時間をください」

信じていた人から信じられない言葉を聞いた私。
今までの経験から、このフレーズが出たら十中八九破局だ。
仮に結婚を延ばされるようなら私から別れを告げよう。そう決意した。

前回の話はこちら。


そんな衝撃的な展開を迎えていたが
実は翌々週には一泊旅行を控えていた。
どうするつもりなのだろう。
彼の性格上、別れるつもりなら旅行の前に言ってくるだろう。
そう思いながら、LINEは私からはあまり送らないようにしていた。
引き止めようという気持ちはなかった。
"大好きで大好きでこの人とは別れたくない!!" ともちろん思っていたが、引き止めたところで、最終的な結末は変えられないと思ったからだ。


いつも通りのLINEを送ってくるフジオカさん

朝は「おはよー!」
夜も「仕事終わって今から帰るよー!」

変わらず逐一連絡をしてきてくれるし
電話も来る。
もう別れの道に突き進んでいると思っていた私は困惑した。なんで普通なんだろう・・・

戸惑いながら時は流れ、一泊旅行の朝になった。


一泊旅行で別れを告げられると思い、身構える私

これはきっと直接話して別れるパターンだな。
別れを切り出される方向でしかもう考えていなかった。

宿に着き、荷物を降ろし
少し横になろうとベッドに横たわった。
が、フジオカさんがベッド横に正座をしてモジモジしている。一向に隣に来て横になろうとしない。

「どうしたの?」という問いかけにもモジモジしている。

(!!!!!!! ついに来たのか!!今?!)

一瞬身構えたが、フジオカさんの様子がどうもおかしい。別れの話でモジモジする...?

(これは・・・!)

「こたるさん、〇〇県に来てください」

別れの言葉ではなくプロポーズ

モジモジしたフジオカさんから、いつも通りの優しい口調で放たれた言葉。
今自分の住む土地へ来て一緒に暮らそう(結婚しよう)という意味だった。

無理矢理受け入れようとしていた 悲しい別れの言葉ではなかった。

その後、私がなんて返事をしたのかはよく覚えていないけれど、二人でオイオイ嬉し泣きをしながらオリンピック(やり投げ)を観ていた事だけはなんとなく覚えている。

結婚して数年経った今でも、私は事あるごとに彼を "一度は私との結婚をためらった男" としていじる悪い妻なのだが、その度に
「結婚してよかった」と言ってくれる。
「これ一生言われるやつじゃん!!!」とも。

あの時私が言った
「フジオカさんとなら、どこに行っても何を仕事をしても きっと大丈夫だと思う」という言葉を聞いて、結婚を決めたんだよねと後で聞いた。

「そうならその時に言ってくれよ!!!!!!あれから今日までずっと絶望のどん底にいた私に教えてあげたい!!!!」

と、彼をぽこすこ叩き 笑い合って今仲良く暮らしている。

遂に大好きな人と結婚出来る世界線に来られた。

マッチングアプリをしていなかったら出会っていない生活圏の人だった。

あの時、苦しみながらアプリを続けていて心から良かったと思う。

また生まれ変わってあの地獄を味わう事になったとしても、またフジオカさんを探すために私は同じ地獄に飛び込むだろう。

おわり。



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