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今回は土地の地図と公図についてご説明しますね。
法務局(登記所)には不動産登記法第14条1項により、土地の区画(筆界)を明確にするための資料として「地図」が備え付けられることになっています。

「地図」が備え付けられるまでの間、土地の区画を特定するための参考資料として「地図」に代わって備え付けられたのが「公図」です。

「公図」は主に明治地代に租税徴収の目的で土地所有者に作成させた旧土地台帳附属地図をベースに作成されていますので、土地の面積や距離については正確性が低く、必ずしも現地と整合しないというのが現状です。

「地図」を作成する過程の調査作業である地籍調査事業が完了すると、その成果として法務局に「公図」に替えて土地の面積や距離、形状、位置について正確性が高い「地図」が備え付けられます。

地籍調査が完了した中野区大和町2丁目の「地図」。分類に(法第14条第1項)と明記されています。
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杉並区の地積調査はまだ作業中途なので、杉並法務局に備え付けられているのは「公図」です。

高円寺北3丁目付近の公図。上が旧土地台帳附属地図、下が公図で電子化されているが精度は旧土地台帳附属地図のまま。
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国土交通省において、平成16年度から平成18年度にかけ都市再生街区基本調査を実施し、市区町から収集した情報及び現地調査を元に、「公図」の角の点に対応すると考えられる現地の点の位置を測量しています。

これらの点を基準として、できるだけ差が小さくなるように「公図」と現況図を重ねたときの乖離を「ずれ」と表現しています。

国土交通省は全国都市部の都市再生街区基本調査委の成果を公図と現況のずれ公表システムとして公開しています。青区域はずれが10cm未満で精度が高い区域、緑区域がずれ10cm~30cm未満、黄区域は30cm~1mのずれがある区域、赤区域は1m~10mの大きなずれがある区域です。

高円寺駅周辺では高円寺南4丁目付近の昭和21年に告示された戦災復興区画整理事業地区地域は青・緑区域で比較的「ずれ」はありません。高円寺北2丁目、北3丁目、南2丁目、南3丁目などの地域は黄・赤区域で「ずれ」がかなり生じていますので土地の売買等で公図を利用するときには注意が必要です。

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