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ミニ千日回峰

私が開拓して名付けた一日一万歩のウォーキングルート

1日でも長く田舎暮らしを楽しみたい。そのためには健康をできるだけ長期にわたって維持することが必須だ。

私の主な健康法はまず第一に16時間のプチ断食を中心にした正しい食事法、次には一日一万歩のウォーキングを目標にした適度な運動。この二つだ。農作業も適度な運動の一つだ。特にクワを振るって、野菜を植えるための畝づくりをするのは良い運動になる。 

その他マイナーな健康法として禁酒禁煙、規則的な生活リズムの維持、可能なら一日二回の温泉入浴などもある。

さて、1日に1万歩を確保するのはなかなか楽ではない。小さな集落の端から端まで歩いても、1000歩か2000歩程度にしかならない。そんなルートを何往復しても面白みがない。

そこで私は「ミニ千日回峰」と名付けたウォーキングルートを開拓した。この集落から更に県道に沿って山の方向に上っていくと、山田温泉がある。

山田温泉の裏側の山の斜面に沿って「舞の道」と名付けられた遊歩道がある。この遊歩道を歩くと、「うわ~、山の中!」と、一気に渓谷ハイキングの世界に突入する。

私のミニ千日回峰ルートは、集落の端まで道を上り、集落の棚田を通って、さらに道を登り、舞の道遊歩道の入り口に至り、比叡山の千日回峰ルートを連想させる(私が勝手に連想をしているだけだが)渓谷沿いにアップダウンしながら渓谷美を堪能し、渓谷の吊り橋を渡り、山田温泉の奥の遊歩道出口に出る。そこから道を下り、山田温泉街の中心にある伝統の「大湯」に立ち寄り、名物の「熱つ湯」の浴槽にドボンっと浸かる。ここの湯はなかなか泉質が良く、贅沢な源泉かけ流しだ。湯から上がったら、あとは県道を通ってひたすら、わが庵へと戻る。これでざっと1万歩だ。

千日回峰と大仰な名前をつけた理由は、ウォーキングはやはり毎日実行してこそ意味があるからだ。千日回峰の行者の決心に比べれば、1万歩ウォークのほんの一部でしかない遊歩道のアップダウンなど苦にもならない。このように名付けて、ウォーキングの継続につなげるのが私の狙いだ。

残念なことに、最近はこのミニ千日回峰ルートを避けざるを得ない状況になっている。昨今の観光自粛で舞の道を歩く人がほとんどいなくなった。人が歩かなければ、野生動物が我が物顔で闊歩する。熊の目撃情報が頻繁になる。ついには、立ち入り禁止になってしまう。

現在の私のウォーキングルートはひたすら県道を上り、5000歩を超えたと思われる時点で U ターンして、再び県道に沿って帰宅するルートだ。山田温泉を超えると、県道は大自然の山の中をクネクネと登る。車も10分に1台通るか通らないか。これでも自然を十分に堪能できる。もちろん県道沿いに歩いても大湯で、ひと風呂浴びることができる。

野生動物にも時折遭遇する。ニホンカモシカ、猿、たぬき、雷鳥、キジなどだ。クマの可能性も十分にあるが、散歩中に遭遇したことはない。ただ車で通っている時に県道沿いで遭遇したことがあるので、可能性ゼロとは言えない。山の中で至近距離で遭遇するのとは違って、県道沿いなら前方に注意して歩いていれば、十分な距離を置いて熊を目視することになるはずだ。その時は U ターンするだけ。個人的にはそれほど不安を感じない。

今日の散歩で出会ったのは、2匹の猿だった。


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