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ツバメ夫の北信田舎暮らし:俳句とエッセイ 001

台所の窓アマガエルストレッチ

台所の流し台で夕食の洗い物を終え、ひょいと窓を見ると、裏庭の漆黒の闇を背景に、窓に白っぽいものがくっついている。近づいて、アマガエルだと分かった。正式にはニホンアマガエル。体調2.0〜4.5cm。ほぼ日本中に分布するらしい。台所の窓に張り付いていたこのカエルは上限に近い大きさかな?

台所の明かりに、引き寄せられて集まってくる昆虫を捕食するために窓辺に張り付いている。四肢の指の部分に発達した吸盤があり、それを使って高度な垂直移動能力を発揮する。水田はもちろんのこと、畑でもたくさん見かける。要所要所の野菜の上に陣取って、野菜を食べに来る昆虫を捕食してくれるありがたい畑の守り神だ。体は小さいが、一晩で相当な量の昆虫を食べているようだ。なぜならば、朝、畑に行ってみると、お腹をパンパンに膨らませたニホンアマガエルをしばしば見かけるからだ。

ところで小林一茶は、私の季節移住先である信州高山村からそう遠くない信濃町(当時は、信濃国北国街道柏原宿)の出身だそうだ。一茶はしばしば小動物を題材にした句を作っているのは誰もが知るところだ。特にカエルの句などは人口に膾炙している。私が好きな小動物を題材にした句の一つは、「やれ打つな蝿が手をすり足をする」。

私は北信濃で農業を楽しむ生活を続けることで、一茶がなぜ、かくも多くの句で小動物を題材にしたのかがよく分かるようになった。北信濃の田舎で育てば、周りにいるのは小動物ばかりだからだ。好奇心旺盛な男の子なら、周辺に生息する多様な小動物に興味を持って育っていったであろうことは容易に想像できる。田舎では小動物は子供たちの遊び友達なのだ!特にカエルは。

私自身も新しい趣味となった俳句作りで、過去2年間いくつものカエルの句を作ってきた。

生ゴミの穴に落ちるか馬鹿ガエル

台所で発生した生ゴミは大地に還元するために、畑の隅に穴を掘ってそこに捨てることにしている。深さ30〜40 センチの穴を掘って、やれやれと思ったとたんに、2 センチ ほどの小さなカエルがその穴にはまり、脱出できない状態になっているではないか。慌てて救出した。

蝶ミミズカエルにわびて草を刈る

農村ではビーバーと呼ばれるガソリンエンジンの草刈機(刈払機とも呼ばれる)を肩にかけて、田畑の雑草を刈るのが日常生活の一部となっている。雑草が生い茂った田畑に身を潜めている白い蝶(たぶん蛾の一種だろうか?)、ミミズ、カエルにとってはビーバーによる草刈りは多大な迷惑であろう。しかし刈らないわけにはいかない。申し訳ないと思いながら仕事を続ける。

チビガエルそこのけそこのけ耕運機

テヘッ!一茶のパロディとして一句。

さて、これが私のこのマガジンに対する最初の投稿となる。週一句くらいのペースで投稿できたらいいなと思っている。

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