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難病だと発覚した義母の話10


2016年 6月17日
義父入院4日目に突入。
10時頃に行くと、すでにシャッターや窓、カーテンも開けられていて家の中はとても明るいのに、義母はエプロンを付けた格好でソファーに横になり、頭を抱えていた。
耳詰まりが辛いのだという。
ご飯もまだ食べていなくて、薬も飲んでいない様だったから、とりあえずご飯の準備をする。

話をしているうちに落ち着いてきて
『調子が悪くなければ、美容室に行く?って思っていたんだけど…』というと嬉しそうに出かける準備を始めた。

義母は根本から全体に白髪になっていくタイプの白髪で、こまめにカラーリングをして美容に気を使う人だった。
最近は調子が悪かった事もあり、白髪ケアを怠っていたために頭頂部だけ白くなっていて、鏡を見るたびに気にしている感じだった。

美容室で、美容師さんと話も弾み、とても楽しそうで、車に戻った時も義母の話し声は弾んでいた。

『せっかくキレイにセットしてもらったし、このまま買い物にでも出かける?』

そう提案してみたが、義母の顔はそこで急に曇る。
『うーん、せっかくだけど、今日は家に戻るわ』
まぁ、急に無理しても良くないか。

家に戻ると
「ちょっと疲れたから横になるわ』
と言うので、私も
『じゃあ、また夕飯頃に来ますね』と声をかけて帰ってきた。

18時30、そろそろ義母の元へ行こうとしていた矢先に義母から電話が来る。
『私、何か失礼な事しちゃったかしら?ごめんなさい』
義母は泣いていた。
ん?失礼な事?
全く意味がわからなくて
『全く怒ってないし、怒る理由もないよ?』
話を聞いていると、私がすごく怖い顔をしていたので、怒っているのだと思った…と。
あぁ、これはお昼寝で悪い夢でも見たのかな?
そんな感じで、話をしていると落ち着いてきた。

後から聞いたのだけど、義母の姉のKさんにも18時頃電話があり
『みんなに迷惑をかけている』と泣いていたらしい。

もしかすると今回の事で私に負担をかけている事を申し訳なく思っているところから悪い方に考えていってしまったのかな?

19時半頃実家へ行くと冷凍チャーハンを自分で温めて、食べているところだった。

一度泣いた事でスッキリしたのか、先ほどの電話とは違い、明るい義母だった。

6月19日
義父が退院してきた。
退院してきた義父を見て、ほっとした様子の義母がいて、なんとか義父の入院6日間を無事に乗り越えた私もほっとしていた。

日曜日だったので、旦那も子供達も義妹親子も一緒にわいわいとした夕飯を食べ、和やかな雰囲気だった。

ところが20時頃、リビングから居なくなった義母を探しに行くと自室で泣いていた。
話を聞くと
退院したばかりの義父の世話を焼こうとしたところ

『自分のことができてないんだから、こちらのことは何もしなくていい。
自分も、自分のことで程いっぱいだから、お前の世話を焼いてられない』

そんな事を義父に言われたと。
そんな言い方しなくても!
ものすごく義父に対して怒りが湧いてきたが、義父も退院したばかりで、実際に自分の事に程いっぱいで義母の気持ちに構っている余裕は無かったんだろうと思い、文句を言いに行くのはやめた。

私はひたすら義母の背中を撫でて慰めることしか出来なかった。

そして毎日の様に耳詰まりが辛いと訴える様になったため、2週間を待たず、電話をしてC先生に受診をしてもらうことになった。

前回減らしたお薬が、耳詰まりを抑える役目をしていたのかもしれませんね。
お薬を戻してみましょうか。と、薬の調整をしてもらった。

6月23日
やっと、地域包括支援センターの相談員Mさんに来てもらうことが叶う。
義父と義母から話を聞いてもらい、何に困っているのか、どんな支援が必要なのか知ってもらう。
義母は自分の意思で『デイサービスの様なものを利用したい』と口にした。
そのために、まずは介護認定を受けることが決まった。

介護認定の結果によって、サービスをどのくらい受けられるかが変わってくるので、介護認定の結果が出たら、デイサービスを利用する件を進めていこう、という話になった。

Mさんの見解だと、『要支援』になる可能性が高いのではないか?という事で、それならば、私が引き続き担当できますが…万が一、『要介護』の判定が出ると、別の機関に紹介して対応してもらう事になる…と。

Mさんは穏やか〜な雰囲気のおばさんで、回りくどくて、よくわからない義父の話も根気強く聞いてくれる人だったから、Mさんに対応してもらいたいなぁ…と心の中で願っていた。

数日後、介護認定員のおばさんが来て、再び義父と義母の面談、義母の運動機能の確認(椅子から立ったり、廊下を歩いてみたり、水を飲んでみたり)をしていった。
結果が出たのは、約1ヶ月経った頃だった。

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