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「youtube」に感謝 息子として

これは私が実家に住んでいた時の話。
私のお父さんはyoutubeが普及し始めた頃から、よく自分の興味ある事柄を見る媒体として活用していた。そして、お母さん。パソコンも触った事無く未だにガラケー。普段は本を読んだり、縫い物を編んだりなどまさに
「デジタルデトックス」的な生活が基本。ガラケーも連絡を取る手段として利用する位だ。だからといって
「もっと余裕があれば、こういう事したいんだけどな~」
「機械音痴だし、もういい歳だし、、私はこれで十分よ」

などと、やってはみたい・興味はあるが何かを理由に避けている、と捉えられる事も全く言わなかった。

お母さんがそれで満足しているのであればそれで良いのだが、まだ先も長い。お父さんが定年退職した今、二人が一緒に過ごす時間が多くなり衝突が増える事を私は恐れていた。その為に、少しでも趣味ではないが楽しめるコンテンツの幅を広げて、日々の生活がより良いものになれば、精神状態も常に安定し余裕がより生まれやすくなり、衝突も最小限に抑えられるのではないかと思ったのだ。お母さんからしてみたら、余計なお世話に過ぎないのかもしれないが。

私が衝突を心配するのには理由がある。よくお父さんの愚痴をお母さんから聞いていたからだ。まあこの時点で衝突はしているとも言えるのだろうが、結婚して夫婦が何かで衝突するのは仕方ない事だと思うので、その衝突をなるべく少なく、かつ衝突の波も小さく収まって欲しい。
そんな思いで私はタブレット端末をお母さんにプレゼントした。

「押しても、反応しないんだけど~」
「あれ、なんか変な画面になっちゃった」

こんな事の繰り返し。でも段々とお母さんは要領をつかんでいき、最終的には私がいなくても操れるようになっていた。

そんなお母さんがハマったのはyoutubだった。
「あなた、○○さんって知ってる?あのチャンネル面白いよね~」
「今日○○さんのライブ配信でコメントしたら読まれちゃってさ~」

お母さんはタブレット操作を覚えるやいなや、youtubeにどっぷりとハマり、youtubeライフを満喫していった。その後は明らかに家族間でのコミュニケーションが増えた。私もyoutubeを見るのが趣味という事もあり、共通の話題が増えたのと、お母さんにとって今まで足りなかったピースがyoutubeで埋まったかのようにより元気になったからだ。勿論お父さんも昔から変わらずyoutubeを見ている為、二人の会話も増えていた。

この前久々にお母さんに電話した。
私「ねえ、久しぶりにご飯食べに行ってもいい?」
お母さん「午後だったら良いよ、午前中はお父さんと出かけてるから」
私「分かった午後行くわ。お父さんとは最近よく出かけてるの?」
お母さん「午前中は基本出かけてるよ、車の時もあれば、歩いて散歩している時もあるかな」
私「そうなのね」

ほっと、一安心した。


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