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あなたへ

7月24日。
普段と変わらない日常なはずなのに、何かが違う。
朝、目を覚ました直後からなぜか悲しい気持ちになった。心に大きな穴が空いた感覚。
どこか孤独感がある。モヤモヤする。
大袈裟に言えば心が苦しい。

彼女との出会いは特殊だった。中学高校の同級生でもなく、大学でもない。ましてや、出身も違えば育った環境も年齢も違う。絶対に交じ合うことのないであろう彼女と出会ったのは、一つのアプリだった。
そのアプリを始めた目的も両者違った。私は見知らぬ土地で1人でもいいから友人が欲しくてアプリを始めた。彼女は、ただの暇つぶし。
初めましてから始まり、アプリを開いた時にだけ返信をする関係。何も考えることなく、この人も話があえば、気が合えば友人になろう。それくらいラフな感覚で話していた。
話していくうちに、アプリを開く回数が多くなる。返信する速度が速くなる。この人と仲良くなりたい。名古屋友達第一号になってもらいたい。
そう思った。

アプリを開いて返信する文字を打つのが面倒くさい、声を聞いてみたい、相手の反応を知りたい。と、「電話せえへん?」と聞いた。すると彼女は、電話苦手だから…と答えた。
そこまで電話に執着はしていなかったため、「ああそっか!」とあっさりと諦めた。
それから数時間?数日?経った日、彼女から電話がしたいと連絡が来た。
そこから、彼女との電話が始まった。
彼女は、電話が大の苦手で今までも知らない人と電話するなんて考えたこともなかった。らしい。
しかし、電話の時間が過ぎれば過ぎるほど、会話が弾み話題が膨らむ。前世は親友だったのではないか。と疑うほどに。
何を話したかは、覚えていない。でも一度たりとも、いや、永遠に途切れることなく話が続いたのだけは、覚えている。
あれも話したい。これも。と次々に話題が浮かんでくる。
話せば話すほど共感し合える。
あぁ楽しい。嬉しい。
最高の友達やん。
そう思えた。
はっきりと言われるまでは…

彼女は、
「あなたが好き。初めて話した時から大好き。」
こう告げてきた。

私は気付いていた。彼女の気持ちを。

その気持ちに気付いていたにも関わらず私はなぜ、彼女の気持ちを考えてやれなかったんだろう。なぜ私欲を優先したのだろう。

今思うと彼女はどれだけの勇気を振り絞って言ってくれたのだろうか。
彼女の性格からしたら他人の数十倍の勇気を振り絞って伝えてくれたのだろう。

しかし、その彼女の気持ちに応えることは出来なかった。
彼女は私にとって、「友達+」という存在だったから。


         「友達+」


急に話は脱線するが、この言葉をみんなは知らないだろう。
もちろんこの言葉は存在しない。
存在するのかもしれないが、あくまで私の中ではこの言葉を聞いたことはなかった。
まあその言葉は、俗に言う身内ネタってやつだろう。2人の中での、ただの造語。

では、「友達+」とはなにか。
誰もがわかる表現の仕方をすれば、友達以上恋人未満。
ただ、私の中では、友達以上恋人未満の関係では収まりきらない関係であったからこそ、あえてこの言葉を使わなかった。彼女も同じだろう。
普通の友達でもなければ彼女でもない。
でも、なぜか言葉を発さずとも分かり合える。相手の意図がわかる。感じていること、想っていること全てが不思議とわかる。これは2人にしか分からないことだが、唯一の共通点である、特殊能力があったからだ。その特殊能力の名称を名付けたがここはあえて伏せておこう。
この特殊能力のおかげで、最大限相手の居心地の良い空間を作った。気を遣わずとも"初め"は居心地の良い空間があった。

話は戻るが、彼女に気持ちを告げられたとき、私は友達でいたい。と伝えた。なんでも相談し合える、いつでも遊べる友達でいたいと。
彼女の気持ちに応えることは出来なかった。
彼女はそう言われることはわかっていたようだった。僅かの可能性を信じて、これから先の可能性を信じて伝えたに違いない。
申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、大切な存在だったからこそ下手に答えることは出来なかったし、はっきりと友達でいたいと伝えた。
すると彼女は、友達でいることは出来ない。このまま話していると、自分が辛くなるだけだと。そりゃそうだ。当たり前だ。
深夜の遅い時間まで、話し合った。あ互いに悲しく苦しい時間を過ごした。
そして話し合った後、彼女は私をブロックした。彼女の苦渋の決断だったと思う。
次の日の朝。目覚めた瞬間から彼女のことが脳裏に浮かぶ。それも常に。
朝の身支度を終え、いつものように満員電車に乗る。いつもはイヤホンをつけ音楽を聴くのに、その日だけはイヤホンさえつけず無我夢中でインスタで彼女の名前を探していた。何度も、何度も。
しかし全く見つからない。そりゃ共通の友だちさえいないのに見つかるはずもない。
仕方ないと諦めた。諦めざるを得なかった。

するとブロックされていたはずの彼女から連絡が来た。友達で良いと。友達+でいいから同じ空間で楽しく話していたいと。
私は素直に嬉しかった。あの日常が戻ってくる。これから先も楽しいことがたくさんできる。名古屋生活充実できる。そう思った。
彼女は、当時どのような心境で戻ってきてくれたのか。
私が気持ちを抑えれば楽しい日々が送れる。いつか振り向いて貰える。やっぱ友達でいいや。
当時の気持ちは彼女にしかわからないが、おそらく、前者だろう。気持ちを抑えることさえすれば、彼女じゃなくても近くにいるだけで。そう思っていたに違いない。
申し訳ないな。本当に申し訳ない。私は、本当に馬鹿で友達になってくれるんだとそのままの意味で捉えてしまった。馬鹿だな。なぜそんな簡単なことがわからないのだろうか。

それからは、お互い時間さえあれば電話をし、色々な話をした。
好きなブランドから好きな家具。過去のこと。家族のこと。友人のこと。
全て話したんじゃないかと思うくらい。「それ、前も聞いた」と言われることが多々あった。それくらい全てを話し全てを曝け出していた。お互いの家を行き来し、美味しいご飯屋さんに行く。夜はアイスを食べ、次の日を迎える。ドライブをしたり、ゲームをしたり。買い物に行っては、彼女のセンスに惹かれる。
名古屋へ来て何もなかった日常が大きく変化した。キラキラしていた。それは、お互いがそう感じていた。
次はどこ行こうか。星かな。川かな。まだまだ長い関係だろうから気長に予定を決めていこう。そう思っていた。
でもそれは自分だけだった。
自分だけ長い関係だと勘違いしていた。

7月22日 彼女は、「時間ができたら電話して!」と普段と変わらない文言で送ってきた。
夜遅くにはなったが電話をした。
すると彼女は、とても言いづらそうに「この関係に区切りをつけたい。」と言ってきた。私は、眠気もあってか何を言っているのか理解が出来なかった。本当に申し訳ないが理解しないまま寝てしまった。
7月23日 私はやっと状況を理解しラインを送った。あまりにも唐突すぎる出来事だった。昨日まではあんなに仲良く話して、分かり合えていたのに。
返信不要と送ったはずなのに、それを見る前に文字を打っていたと言いがかりをつけて、返信をしてきた。
すると彼女は、
「最後に私のわがまま聞いてもらっていい?今日どっちかが寝るまでラインをしていたい。」
彼女と数ヶ月過ごしてきたがおそらく唯一のわがままだった。今までわがままを言うことはなかった。

そして私は、ラインではなく電話をしようと持ちかけた。彼女は喜んでいた。初めは電話が嫌いだったはずなのに電話となるといつも嬉しそうだった。
電話をすると、いつものたわいも無い会話だった。いつもと変わらない。
しかし、何かを引き金にスイッチが入った。二人の関係性について。
彼女の意思は決まっているようで決まっていなかった。私が引き止めれば今すぐにでも戻って来そうだった。
でも私は、引き止めることをしなかった。彼女の意思を尊重すると。
なぜ引き止めなかったのか。それは彼女の気持ちを感じ取っていたから。いつからか彼女は、ラインの返信を遅らせてきたり、横で歩いていると手を繋ぎたそうに手を当ててきたりと気持ちが溢れ出ているようだった。
私は、感じ取っていた。まだ好きなんだな。気持ちは変わらないんだな。

でも私は、その彼女からの気持ちに目を背け、ずっとこのままの関係でいられると思っていた。私は、最低だった。気づいているはずなのに知らない振りをしていた。彼女と正面から向き合いどこかで区切りを付けていたらここまで悲しい想いをさせなかったはずなのに。

本当にごめんね。
“いつからか”気を遣わせて私の居心地のいいようにさせてしまって。
もっとあなたと向き合えたのに。
もっとあなたの気持ちを汲み取れるはずだったのに。

今は、家で孤独の中パソコンにこの文字を打っています。
昨日、note書いてと言われてから絶対に今日書くと決めていました。
気持ちは、生ものだから。
驚くほどに手が止まらず、思っていたことを構成も考えずにずらずらと書いています。
正直、あなたのためにしかこのnoteを書いていません。




あなたには、心から感謝しています。
私に心から楽しいと思える日常をくれてありがとう。
他にない居場所を作ってくれてありがとう。
楽しそうな可愛い笑顔でいてくれてありがとう。
あなたが幸せそうに、楽しそうにしているのを見るだけで私は幸せでした。
どこか報われた気がしました。
あなたという人間が不幸でいていいはずがない。
幸せで囲まれていいはずの人間なのに。


これは、あなたと話し出した当時から思っていることです。

“あなたは強いようで弱い。でも弱いようで強い。“

あなたを見ていると、強いなと思う時もあれば弱すぎると思う時もあります。
何か決断できる強さがあれば、誰にも頼れない弱さもある。

あなたの考え方。感性。人を想いやる気持ち。どれも素敵で、誰よりも魅力的なところです。

自分に自信がない。他人に頼れない。これは、あなたの弱いところです。
もうちょっと人に頼ってもいいんじゃない?
もうちょっと他人の目を気にしなくてもいいんじゃない?
きっとあなたの魅力がすぐに伝わるから。
安心して頼りな。その分倍以上の愛で包んであげな。

今日noteを仕上げようと思ったのは、あなたへの最後の愛情表現です。
あなたはいつでも無条件の愛情を貰ってもいいやで。
これが一つの無条件の愛情ということで。


何を書いたらいいかわからんくなってきたし、お腹すいたからこのくらいで終わりにしようかな。

何か言わなあかんことあったかな〜。

最後に一言だけ。

     「私は、あなたの味方です。」




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