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ヨーロッパって案外賢くない

ヨーロッパって案外賢くないのではないか。
1.CO2削減を名目にして、ガソリン自動車を廃止し全部電気自動車に置き換えるというEUの壮大な目標が、いまいろいろと綻びを見せ始めているのは、なかなか香ばしい状況ではある。CO2削減にしてもSDGsにしても、なんとなくヨーロッパを中心にした白人たちが世界標準を作って、コントロール+支配しようとするそんな状態に、そろそろ異議申し立てしてもよいのではないか。(今どうなっているのか知らないが、数年前日本の企業でもSDGsに乗り遅れるなと大騒ぎして、みんなSDGsのバッジを胸につけて張り切っていたのを見て、その馬鹿らしさに唖然として私は会社をやめました。)
2.ヨーロッパの人道主義による移民受け入れを日本でもすべきだといって、多民族の共生をありがたがって主張する大学教授などがいるが、川口のクルド人の横暴を見ても、同じことがいえるのか。スウェーデンでは移民による暴力の横行が警察力を超えてしまって、ついには軍隊の導入が検討されているという。ヨーロッパやアメリカの良い所だけを取って日本に導入すべきというおめでたい多数の輸入業者的大学教授たちには、その不利益やコストが見えないようにできているらしい。オランダでも移民反対の声が強くなっている。ヨーロッパへの移民の襲来は、ヨーロッパ人が決して謝罪しない植民地支配への、植民地側からの世代を超えた報復であるといえなくもない。どんどん暴れるがいい。ここで昔仕入れた回文をひとつ:
「大惨事、難民、みんな人災だ。」

3.話が横道にそれるが、オリンピックにしても、IOC貴族たちが日本に乗り込んで、5つ星ホテルのスイートルームを独占しながら、日本人がへこへこ接待している状態に、アジアの植民地に乗り込んできた白人たちの姿が重ならないのかと、わたしはJOCや日本人に問うてみたい気がする。国辱というか国恥という言葉が浮かぶ。
4.ヨーロッパ人の舌に判定していただいて、ミシュランの星を欲しがるレストランとか、世界文化遺産登録で喜ぶ日本人の気が知れない。何で白人のお墨付きをありがたがるのか。彼らの判定基準を受容することは、根本的に彼らに支配されコントロールされるということなのだ。基準を作って評価するというシステムを捏造して、権力関係を構築保持して、それによって支配するというのが、たぶんカソリックキリスト教いらいの奴らの手口なのだ。和食に続いて和風建築を世界文化遺産登録にしようという運動があるそうだが、こんな支配の構造も見えないらしい。恥ずかしいのでそんなくだらないことはやめた方が良いと思う。
5.ひとつの屈辱的な例として、上野の国立西洋美術館がコルビジェの世界遺産の中に指定されたという事例がある。西洋美術館とは、もともと正当に購入した松方コレクションが、1944年に英米の尻馬に乗ってかろうじて成立した、よれよれのドゴール自由フランス軍のフランス政府によって、敵国資産として不当に接収されて、それを返還する条件として、フランスから無理やり建設を押し付けられた、国辱的な建築なのである。なんで返してもらうのに、フランス人にとやかく言われなければいけないのか。ゴッホのアルルの部屋とかモネの良い絵は相変わらず、(盗まれて韓国に渡った仏像のように)不当に接収されたままである。そしてさらに、磯崎新なんかが、日本の施工によるディテールの綺麗さが、コルビジェっぽくないとさらに輪をかけたくだらないいちゃもんをつける始末なのだ。

6.現在の泥沼のウクライナ紛争は、基本的には、アメリカ(+イギリス)のアングロサクソンの陰謀と挑発によって引き起こされたものと私は考えている。それに巻き込まれて身動きが取れなくなっているのがEU諸国ではないだろうか。
7.ゼレンスキーにNATO加盟が可能であるような印象を与え、ロシアに攻撃の大義名分を与えつつ、キエフは簡単に占領できそうだと吹き込んで、最初の一撃をロシアに踏み込ませてから、戦争に引きずり込むという手口は、アメリカの伝統的な手法である。真珠湾しかり、サラエボしかり、完全降伏するしかないような条件を突き付けて、浅野内匠頭の我慢しきれずに及んだ吉良への切り付けや、外人の反則攻撃にたえぬいた力道山の反撃の空手チョップのように、まず相手に攻撃させておいて大義名分を作ってからの、悠々たる物量にものを言わせた反撃である。あるいは朝鮮戦争の場合は、南北の明らかな戦力格差を放置し、なおかつ南朝鮮を本当に西側に帰属させるのかを曖昧にすることで、おいしい餌をちらつかせて、金日成に攻撃を決断させたのである。
8.とにかく、めいっぱい圧力をかけたり、あるいは餌をちらつかせて、いったん敵に攻撃させてから、それを口実に敵を壊滅する全面戦争を開始するというのがアメリカ(および今回のハマスに攻撃させてからのパレスチナへの民族浄化的攻撃を開始したイスラエル)のやり口であることは明白であろう。ここまであからさまな共通一貫した挑発戦略を見過ごして、右往左往しているヨーロッパ諸国はやっぱりあまり賢くないといってもいいだろう。
9.アメリカは軍需産業振興のための戦争を絶えず欲しているといえなくもない。資本主義はたえざる市場の拡大がないと存続しないシステムなので、飽和した市場は、いったん戦争によってでも、人為的に荒廃させてから再成長の機会を与えるのは確かに合理的であろう。DXとかデジタル革命の旗を振っている人たちは、とにかく現状の破壊しかまずは望んでいないのである。

10.ウクライナでの絶望的なロシア軍の突撃とその撃退の映像を、「真・防衛研究」というyoutubeで毎日見ていると、まるで第一次大戦の西部戦線の膠着した状態も、このようであったのかと思わせる。仏英米の連合軍とドイツ軍が、北海からスイスまで700キロにも及ぶ塹壕で向かい合い、両者何度も突撃して突破を図るも、それぞれ失敗して、4年にも渡って睨み合い、毒ガスを散布しあって、双方に900万人の戦死者を出した。ソンムの戦いではわずか3か月でドイツ軍14万、フランス軍16万の戦死者をだした。日露戦争全体での日本軍の戦死者は8万4000人であった。結局は、戦車の発明と投入によっても戦局は打開されず、ドイツ帝国の崩壊によって終戦をむかえることになる。
11.現在のウクライナではいったん戦局が膠着して、双方塹壕を設置すると、ドローンやジャベリンによって、戦車の突破が許されないので、ロシアも、第一次大戦時のような野蛮な人的犠牲を顧みない突撃をかけるしかないのである。ウクライナもなんとか防御はできているが、攻勢はというと、ロシアに何重にも当たる防衛ラインを構築されてしまってそこを突破できないでいる。21世紀にもなって、百年前と同じ塹壕戦の愚行を繰り返しているのを見ると、ヨーロッパって案外賢くないといってもよいのではないだろうか。
以下余談:
・人的犠牲を省みない突撃は、共産主義というか、あるいはかつてモンゴル帝国の支配を受けた国に特有といってよいのだろうか。ベトナム戦争でアメリカ軍は、ジャングルでの戦いでは占領という形ではわからないので、双方の戦死者数を比較してそれぞれの勝敗を判定した。つまり結局のところすべての戦闘においてアメリカ軍は勝利し続けて、しかし戦争は負けたのである。北ベトナム軍では、軍を指導する共産党員が(先陣を切ったかもしれないが)たぶん後ろから兵士が逃亡しないように拳銃をふりまわしていたのであろう。
・2023年8月の時点でロシア軍戦死者は12万、ウクライナ軍は7万と推計されている。真防衛研究チャンネルでは通常のロシア軍の戦死者がたしか毎日500人(今は1000人を越える)くらいだが、今年に入って300日×500人として15万人になるのだが、さすがに多すぎるのではないだろうか。

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