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これからの計画論の条件(8)コンサルティングとカウンセリング

8.コンサルティングとカウンセリング:プランナー論として
計画者、すなわち計画のプランナーの立場について考えてみます。ふつうは例えば、衰退している地方の振興とかまちおこしのような場合、プランナーは、当然、現状の課題を把握し、施主・クライアントに対して解決案を能動的に提案していくコンサルタントとして活動します。さらに、さまざまな要望に対して、あらゆるアイディアや方策を提示してそれに応えようとする、いわば受動的ですが丁寧なコンシェルジュが求められたりもします。しかし全体としてこれはあくまでも現状の欠陥・病気を「治療する」という、「一時的な延命」のための処置にすぎません。
これからは「治療」というよりむしろ「介護」的なまなざしが、地元すなわち施主・クライアントの主体的な回復を支援する、いわばカウンセラーとしての媒介的な活動が、求められるのではないでしょうか。スマートシュリンク・コンパクトにふさわしい「穏やかな晩年と看取り」の計画論といえるでしょう。
 治療(Cure)のための コンサルタント(Consultant) 能動的
             コンシェルジュ(Concierge)  受動的
                    ↓
 介護(Care) のための カウンセラー   (Counsellor)   媒介的
     
(すべて「C」でまとめてみました。都市計画のプランニングの考え方としての「計画論」を、「医学」的なメタファーで語ってみせることによって、思考の整理に少しは役立つのではと思います。)


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