展示感想文 #1

ティルマンス
表参道のヴィトンであった展示で、見え方がとても面白かった。写真の中に写真が写っていたり、その白から黒のグラデーション写真が反対側にある花の枯れていく様子とリンクしていたり、インタビューで写真を薄いキューブだと思っていると話していて、立体的に写真をものとして見ているのも珍しくて良いなと思った。またビルに囲まれた空の写真を僕が撮った際にティルマンスが構えたカメラの角度もこうだったんじゃないかと思えて展示される作品の上下の位置関係もこだわって配置されているんだろうなと感じた。最後の花の写真もパッと見ビルが端にあるかと思いきや積まれた本だったり、表面をざっくり見ただけじゃ見逃しそうになる工夫もユーモアがあって非常に交換が持てた。

深瀬昌久

東京都写真美術館で行われていた展示。印象に残ったのは鳥(鴉)と猫のシリーズ。鴉は木に多くの目が光っていて、とても不気味さが際立っていた。また、体の一部をクローズアップした写真も生々しく写っていて、爆発したように物が飛散した写真もあり、鴉の乱暴さ、狡猾さなどが現れていた。猫は可愛らしく常に一緒にいてその愛情のようなものが写真に表現されていた。


その他にも妻を撮ったシリーズなどあり、妻を俯瞰気味に撮っているシリーズは服装や手荷物などで、時代背景や当時の感情などが読み取れた。集合写真や街中で妻を裸にして撮られている写真もあったが、意図はよく分からなかった。自身の狂気を写したとでも言うことなのだろうか?


ヨーロッパなどの街中を自身の体をわざとフレームインさせて撮っているシリーズは私写真という感じがして面白いなと思った。


キュビズム展

写真の登場により、被写体をそのまま書く事から脱却する運動。幾何学的な立体で人や物、風景などを描く様からキューブのようと称され、キュビズムとなった。

パブロ・ピカソ 肘掛け椅子に座る女性 1910年

個人的に一番印象に残った絵はこれだった。一般的に写真でも絵画でも女性は柔らかな曲線で表現されることが多いと感じていたが、立体的な平面で表現されたこの絵は素直に格好良さを感じた。

未来をモチーフにしたゲームなどに出てくるキャラクターのようで、使用している色彩からもネガティブな感情というかアンニュイな感じが見れてとても綺麗だと思った。



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