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『世界は五反田から始まった』の特設ページが開設されました!

こんにちは!ゲンロンアルバイトスタッフの青山俊之です。5月のGW明けにゲンロンに入社して早2ヶ月が経ちました。なんとなくゲンロンで「働くこと」の「雰囲気」を掴んできた今日この頃。そんなタイミングで任命されたのが、『世界は五反田から始まった』の広報です。

このタイトルを初めて見た皆さんの中には、クスッとしたり、あるいは「大げさな」と思う方がいるかもしれません。かくいう僕もそのうちの一人。

しかし、一読して今思うことは、たしかにこれは「五反田から始まった世界の物語だ」、ということです。その世界を物語るのが、ノンフィクション作家の星野博美さん。星野さんの出身地であり、現在の居住地でもある五反田と家族の記録や記憶を辿るノンフィクション作品。だから、『世界は五反田から始まった』。私的な五反田や家族をめぐる軌跡だからこそ、独自に戦時下の日本の姿を照らし出す、そんな力作です。

『世界は五反田から始まった』特設ページも公開!

先日、『世界は五反田から始まった』の特設ページが公開されました。特設ページでは、星野博美さんからの紹介に加え、ゲンロン編集部による抜粋の試し読みが掲載されています。試し読みに抜粋されている節「戻りて、ただちに杭を打て」には、著者星野さんの祖父から引き継がれた語りが描かれています。

「ここが焼け野っ原になったらな、すぐに戻ってくるんだぞ。家族全員死んでりゃ仕方がねえが、一人でも生き残ったら、何が何でも帰ってくるんだ。わかったな」
博美にはさっぱり意味がわからなかった。「そいでもって、すぐ敷地の周りに杭を打って、『ほしの』って書くんだ。いいな」「うん、わかった」「そうしねえと、どさくさにまぎれて、人さまの土地をぶんどる野郎がいるからな」
よく意味はわからないが、おじいちゃんがそう言うなら、そうしよう。
いつかここが焼け野原になったら、何が何でも戻ってきて、杭を打とう。
博美はその時初めて、ここがかつて焼け野原になったらしいということを、おぼろげながらに理解したのだった。(68 - 69頁)

実はこの引用の「いつかここが焼け野原になったら、何が何でも戻ってきて、杭を打とう。」は、『世界は五反田から始まった』の帯文として用いられている一文です。この本書で幾度か繰り返される祖父のことば、そのさまざまな語りと五反田、日本の歴史が交叉する様は必見です。特設ページでは、さらにもう一つの一節からの抜粋もあります。その他にも、本書の挿絵を描いた弓指寛治さんの温もりのある絵に加え、五反田の過去の写真が用いられた味わいのあるページデザインとなっております。ぜひ、こちらからご覧ください!

販売開始の7/20(水)までもうすぐです!

『世界は五反田から始まった』は、ブックファースト五反田店さまでの7/12(火)の先行販売を皮切りに、それ以外の書店さまでは7/20(水)に販売開始いたします。

今後も、7/15(金)開催のゲンロンカフェのイベントなど、さまざまな『世界は五反田から始まった』関連情報をお届けしていきます。お楽しみに!


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