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「玄品」自慢の鰻メニューが誕生!リニューアル商品開発の裏側に迫る

高級なとらふぐを安く・美味しく提供する「とらふぐ料理 玄品(以下、玄品)」では、季節限定の鰻メニューをリニューアルし、2024年4月に販売を始めました。

元々は昨年と同じメニューを提供する予定でしたが、急遽リニューアルを決め、急ピッチで商品開発・提供準備を間に合わせたそうです。そこで今回は、商品開発に携わったメンバー5名に集まっていただき、リニューアルの裏側について語っていただきました。

東日本営業部長 尾中 聡(おなか さとし)さん
▶︎関東エリアの店舗運営のほか、従業員の採用・研修を担当。

商品製造管理本部長 大畑 裕司(おおはた ゆうじ)さん
▶︎原材料の調達や商品製造管理・外販営業を担当。

商品開発部長 江崎 正樹(えざき まさき)さん
▶︎新商品開発・既存商品のリニューアルを担当。

店舗商品管理総料理長 佐々木 友朗(ささき ともあき)さん
▶︎関東エリアマネージャー兼浅草店店長、関東エリアの店舗の料理・商品の管理を担当。

商品・営業企画部 伊熊 明子(いくま あきこ)さん
▶︎販促企画の立案のほか、WEB・通販サイトの運用を担当。

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[取材・執筆・校正]
株式会社ストーリーテラーズ ヤマダユミ

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「このままじゃまずい」急遽決まったリニューアル

——2年前から鰻メニューを販売していますが、お客様の評判はどうだったのでしょうか?

伊熊(敬称略):
元々鰻メニューは、コロナ禍のデリバリー販売を主目的に開発したものでした。「Uber Eats」を利用する若年層を意識して、当時はボリューム重視で作ったメニューだったんです。

佐々木(敬称略):
食べ応えのある鰻は、お客様からの評判も上々で。ただ、身に厚みがある分脂が強くて、店舗では食べきれない方や皮を残される方の姿を目にしていました。

伊熊:
ふぐ料理屋にとって、鰻メニューを販売する春から夏は、閑散期にあたります。ですが、鰻メニューを販売開始してからは、夏場の売上に大きな積み上げができたため、社内では手応えを感じていました。


——リニューアルすることになった背景を教えてください。

伊熊:
当初、今年は同じメニューを販売しようとしていたんです。でも、事前の競合調査でみんなの顔色が変わりました。

尾中(敬称略):
2年前、他店の商品を試食したときは、みな大ぶりな鰻を使っていて、ちょっと臭みが感じられたんです。当時は「うちの商品が優位に立てるな」と感じていました。

ところが、今年改めて食べてみたら臭みがなく、「玄品」で出している鰻と変わらないレベルまで追いついていたんです。「このまま販売したらまずい」と、最初に佐々木さんが動き出してくれたんですよね?

右:店舗商品管理総料理長 佐々木さん

佐々木:
現状のメニューをそのまま販売しても、大きな売上には繋がらないと感じていましたからね。それに、現場の様子を直接見ていたので、「お客様の声を反映させなきゃいけない」という想いもありました。競合調査から数日後、「やっぱりリニューアルしよう」と調達担当の大畑に連絡して、プロジェクトをスタートさせました。


徹底的な原材料の見直しと、念願の肝吸い付きセットを実現

——具体的にどんな部分をリニューアルしたのですか?

江崎(敬称略):
みんなの意見を統合すると、原材料の見直しが必要だなと。そこで、大畑に脂のしつこさをあまり感じない、皮目の薄い鰻を探してもらいました。

大畑(敬称略):
食用の鰻は4種類あるんですが、そのなかでも適度な脂のりで、さっぱりした味わいの品種を選びました。その上で、さまざまな工場で加工された鰻を食べ比べたら、下処理の内容や環境によって臭みや重量などが全然違うこともわかってきたんです。

江崎:
結果的に、昨年と比べてやや小ぶりなサイズを選ぶことで、ボリュームというよりは、上品な味わいが際立つ鰻を採用しました。

伊熊:
量は同じでも、品質がまったく違うものができあがりましたよね。

玄鰻【松】コース

尾中:
これまでの鰻は、50代に近い私からすると、正直一人前を食べ切るのはきつかったんですよ(笑)でも、今回の鰻はさっぱりしてるから、年配の方にも最後まで楽しんでいただけると思います。


——原材料以外でリニューアルした部分はありますか?

江崎:
「玄品」のポン酢を作ってもらっている醤油屋さんに頼んで、オリジナルで蒲焼のタレも作ってもらいました。タレのベースをポン酢と同じ醤油にしたら、「玄品」らしい上品な味に仕上がって。

佐々木:
新しいタレはご飯とよく合いますよね。甘さ控えめでさっぱりしてるから、試食したときに「後味が全然違う…!」と驚きました。これならお客様も胸焼けしないで食べられるんじゃないかと思います。

伊熊:
江崎さんと大畑さんは、鰻メニューの販売当初から「肝吸いを提供したい」って言ってましたけど、やっと今回叶えられましたね。

大畑:
以前は生の肝しか市場に流通しておらず、肝吸いを提供するなら、一から店舗で調理する必要があったんですよね…。

商品製造管理本部長 大畑さん

江崎:
「店舗調理でクオリティにばらつきが出るのは避けたい」と、オペレーションの問題でこれまでは見送ってきました。ですが、今年は簡単な調理で済む段階までセントラルキッチンで加工できるようになり、念願叶って実現できましたね。

伊熊:
鰻重といえば、やっぱり肝吸いですよね…!お客様の満足度も、去年とは段違いだと思います。


「これこそ玄品の鰻」自慢の一品が完成

——リニューアル商品を試食した感想を教えてください。

伊熊:
正直言って、昨年の鰻とはものがまったく違います。「これなら『玄品の鰻』として自信を持って提供できる!」とチーム全員が感じているくらいです。鰻は子どもから大人まで好きな人が多いけれど、今回のリニューアルでさらに幅広い年代の方に楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

大畑:
恐らく今年もたくさんの鰻が販売されると思うので、生産者との関係構築や品質管理など、しっかりしたベースを作ろうと思ってます。

うれしいことに、鰻は「土用の丑の日」などで、爆発的に販売数量が伸びるときがあるんです。でも、今年は鰻の生産量自体が非常に少なくて…。そのため、安定した仕入れができるよう、さらに細かな調整を行って現場を支えていきたいと思います!


——みなさん、お話ありがとうございました。


編集後記

商品開発の裏側には、お客様第一の心意気と、「美味で健康的なおいしさを追求する」という「玄品」の理念が強く感じられました。味に絶対的なこだわりをもっている「玄品」の鰻。ご家族やご友人との食事やお酒のお供に、ぜひ一度ご賞味ください!

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