見出し画像

チーズはどこへ消えた?

ある迷路で起こった出来事をめぐる物語。登場人物は「チーズ」を探し求める2匹と2人。本書で表す「チーズ」とは私達が人生で求めるもの。つまり、仕事、恋愛、家族、お金、大きな家、自由、健康、人に認められること、心の平安などそういうものを象徴している

物語では迷路の中を苦労して手にしたチーズの山が突然消えてします。
ここに2匹のネズミと、二人の人間の行動に差が出てくる。

二匹のネズミは、チーズがなくなるとすぐさま出かける準備をして、新たなチーズを探しに迷路に戻っていった。

もう一方で、人間の2人は意見が分かれる。最初はチーズが無くなったことを信じられず、それにしがみつきたがる。一人は無くなったものばかり考えその場に立ち止まった。もうひとりは落胆の中で、失ったものではなく手に入れるもののことを考え続けた。

大事なものを手に入れた後、それが突然無くなった時にどう行動するか?

物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、素早く動くこと。問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかり考えて我を失わないこと。
小さい変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化に上手く備えることができる。変化に早く対応すること。遅れれば適応できなくなるもしれない

チーズはどこへ消えた?

本書では今持っているものに固執せず、変化を前提に物事を考えることの大切さを描いている。ある意味では「楽観的に行動し、悲観的に計画し、楽観的に行動する」ことであると思うが、これは稲盛和夫さんも同じことを「いき方」で語っている。

この「チーズはどこに消えた?」問題はどこにでも起こりうる。
こと日本人に関しては保守的な側面が強く、レガシー企業ほど陥っている傾向が強いように感じる。コロナ渦で当たり前のことが当たり前じゃなくなった現在、手元のチーズが消えていった企業も多い中、本書の本質が問われている時期なのかもしれない。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?