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チョコレートとSDGs by 小倉亜紗美(GEN世話人、呉工業高等専門学校准教授)

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甘くて美味しいチョコレート。チョコレートを切り口に買い物とSDGsの繋がりについて考えてみたいと思います。
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呉工業高等専門学校の小倉亜紗美です。
私の前回のエッセイではSDGsと環境と平和のつながりについて書きました。
今回はチョコレートを切り口に買い物とSDGsの繋がりについて考えてみたいと思います。

2月14日はバレンタインデーです。日本では女性から男性にチョコレートをプレゼントするのが習慣になっているので、チョコレートをプレゼントした人、もらった人、自分で食べたいチョコレートを買って食べた人もいるかもしれません。

フェアトレードジャパン(https://www.fairtrade-jp.org/)によると、日本でよく売れているフェアトレード製品はコーヒー、カカオ、コットンの順に多いそうです。カカオは、私たちの大好きなチョコレートの原料ですね。ここで、フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」のことで、直訳すると「公平・公正な貿易」です。

国際フェアトレード認証ラベル(https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_license.php)が付いた製品の購入は、生産者の労働環境や生活水準を改善し、自然環境の保護等をサポートする、持続可能な生産と取引の仕組みを作っていくことに繋がります。このフェアトレードは、前回ご紹介したSDGs の掲げる 17 の目標ほぼ全てに関係しており、特に以下の8つの目標達成に大きく寄与します。
目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロ」
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
目標8「働きがいも経済成長も」
目標12「つくる責任 つかう責任」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標16「平和と公正をすべての人に」
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

これはつまり現在の社会が抱えている諸問題の解決のためには、貿易&消費システムの改善が不可欠だということを示しているということではないでしょうか。

近年では、国際フェアトレード認証ラベルは付いていないものの、生産者の生活を保障し、顔が見える国際貿易をする企業も増えてきました。

私が今年自分のため、そしてプレゼントに準備したチョコレートの一つに「QUON CHOCOLATE(https://quon-choco.com/)」があります。このチョコレートは、障害者雇用の促進と低工賃からの脱却を目的に立ち上げられた工房で作られたものです。お店で初めてこのチョコレートを手に取った感想は、「おいしそう。そしてすごくオシャレ」です。このチョコレートはSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標8、目標10「人や国の不平等をなくそう」、目標17の達成に繋がります。


このチョコレートのことは、「チョコレートな人々(https://tokaidoc.com/choco/)」という映画になり、今年の1月から全国で公開されていますので、ご興味のある方はぜひ映画をご覧ください。

GENは「木を植える」ことから始まり、現地のカウンターパートと協力して小学校付属果樹園をつくり、利益の一部を教育の改善に使うことで貧困を理由に学習機会を失っていた多くの女児を含む子供たちの就学の機会を保障するという活動を通じて、SDGsの目標15「陸の豊かさを守ろう」、目標4、目標5、目標13、目標17に貢献していますが、目指すところはフェアトレードもQUONチョコレートも同じだと思います。

私たちは毎日買い物をします。
一人で出来ることは限られますが、私たち一人ひとりが自分の買い物が世界に与える影響を理解し、毎日の買い物の選択に生かすことで、少しずつ社会を変えていけるのではないでしょうか。


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