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「World BOSAI Forum」裏側第2弾―そして防災とSDGsの関係は? by 原裕太(GEN世話人、東北大学助教)

緑の地球ネットワーク

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今回は、前回に続いて来年3月に開催される東北発の市民参加型・防災国際会議「World BOSAI Forum 2023」の準備の続報をお知らせしつつ、さらにSDGsと防災の関係性も簡単に解説します。
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 皆さん、こんにちは。GEN世話人の原裕太です。約2か月ぶりの登場です。前回のコラム、読んで頂けましたか? 前回は来年3月に開催される「World BOSAI Forum 2023」のセッション『防災×インクルージョン』の準備の第一報をお伝えしました。今回はその続報として、本セッションでモデレータを務めて頂く方を一足先にご紹介し、さらにすっかり有名になったSDGsが防災とどう関係しているかについてもお話ししたいと思います。
 
 まずモデレータをご担当頂くのは、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部で特任准教授を務められる井筒節先生です ※1)。井筒先生は私の前職の同僚で、保健学、メンタルヘルスの専門家です。ご出身の医学系研究科でも教鞭をとられる井筒先生は、国連での勤務経験が長く、これまでに、国連人口基金(UNFPA)職員、国連本部事務局精神保健・障害チーフ、世界銀行上級知識管理官等を歴任されました。2015年に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議では、「障害を包摂した防災フォーラム」の議長を務められ、SDGs策定に向けた調整にも携わられました。芸術分野にも非常に造詣が深い井筒先生、実はディズニーや劇団四季作品の翻訳、解説等も手がけられています。芸術は私たちの心の健康を支え、やすらぎとインスピレーションを与えてくれる大切な存在であり、メッセージを届ける重要な手段でもあります。本セッションでも社会が抱える課題だけでなく、課題を乗り越える様々な試みにも焦点を当て、幅広い視点から人と自然のウェルビーイング(幸福)を考えたいと計画しています。
 
 ところで、先ほど登場した第3回国連防災世界会議ですが、ここで締結されたのが防災分野で初めて数値目標が盛り込まれた国際協定「仙台防災枠組」(Sendai Framework)です。この枠組み、ご存じでしたか? SDGsの約半年前に締結され、その後のSDGs締結交渉、具体的なインディケータ(指標)の設計にも大きな影響を与えました。SDGsのなかに「防災」の名を冠したGoalはありませんが、Target 1.5(貧困分野)、11.5および11.b(まちづくり分野)、13.1(気候変動分野)に仙台防災枠組の指標が取り込まれています。複数のGoalで共通した指標もあります。私のセミナーにご参加下さった方は覚えて下さっているかもしれませんが、SDGsの各Goalは「統合され不可分なもの」である、ということがこうした構造からもよくわかります。このように各分野の条約や協定がSDGsを支え、主文「2030アジェンダ」が掲げる「誰一人取り残さない」インクルーシブ(包摂的)な未来社会が目指されているわけです(添付の図)。
 


 この仙台防災枠組の準備、締結交渉に専門家として参加していたのが、本Forumの代表理事を務める東北大学の小野裕一教授、現在の私の上司です。竜巻を研究する気候学者で、世界気象機関(WMO)職員や国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)防災課長等を経て、東日本大震災を機に帰国されました。防災にも多様な分野の専門家が関わっているのです。
 
 といったところで文字数いっぱいになってしまいました。次回は「防災×インクルージョン」の中身を深掘りし、GENの活動も絡めてお話したいと思います。そうそう、先日、国連大学が主催するSDGsセミナーで「防災×インクルージョン」のお話をしました。その様子が以下のページにまとめられています ※2)。ご興味がありましたらぜひご覧ください!
 
※ 1) SDGsが目指す『誰一人取り残さない』グローバル社会
http://www.sdgs.c.u-tokyo.ac.jp/book1_6.html
※ 2) SDGsカフェ#20「インクルーシブ防災」
https://ouik.unu.edu/events/6083


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