見出し画像

今年読んだ(読んでる)漫画の感想を雑にまとめる③

今年読んだ漫画の雑なまとめ記事です。
以前にまとめた記事はこちら。


生き残った6人によると

突如としてゾンビが現れ増殖していく千葉県が舞台。若い男女6人が逃げ込んだショッピングモールが即席シェアハウスになる。6人のキャラが立ちすぎてる。会社経営、登山家、フリーター、女子高生、菜食主義者、youtuber。ゾンビたちを撃退しつつの共同生活の中で、一風変わった恋愛劇が繰り広げられるんだけど、これが全然ドロドロしないで、カラッとしたドライな面白さがある。

ゾンビ映画に詳しければもっと小ネタが理解できて楽しめるのかもしれないけど、それ抜きでも十分面白い。「巨大ショッピングモールで生活する」という妄想を実現してるのも良い。現在2巻で、進行形で連載中。

違国日記

新刊がめちゃくちゃ良かった。父親を亡くしている主人公が「父親ってどんな人?」「父親に愛されてるって思う?」といろんな人に聞いて回るシーンがある。その中で、アラサー男性が自身の父親(エリート志向で高圧的)は自分を愛してはいない、少なくとも自分の求める愛の形ではない…と吐露する。

でもべつにあの人に愛されなくてもおれが価値のない人間ではないんだ

この台詞が無視できない存在感を持っていた。誰かに自分を否定されたとしても、自分が100%価値のない人間になるわけではない。人の期待に応えることも大事だけれど、相容れない考え方は必ずある。他者が期待する人物像と、自分自身の現在地のずれに苦しまされるときに、こんなふうに考えられれば生きやすくなるんじゃないかと思った。めちゃくちゃポエムっぽい感想になってしまった。

作りたい女と食べたい女

タイトルの通り、料理を作るのが好きな女性と、食べるのが好きな女性の話。料理好きだと「良いお嫁さんになるね」みたいに短絡されがちだが、本作の「作りたい女」は別に男のために作りたいわけではない。いま2巻まで出ていて、主人公が「自分は異性愛者ではないのでは?」と、徐々に自身の性的指向を自覚していく描写がある。

自分自身がそういうことを全く言われたことがないし、人に言おうとも思わないから、「早く良い人を見つけなさい」的なことを言う人の心理があまり掴めない…。好きにさせればええやんとしか思えない。ただ、こう思えるのは、きっと自分がそういった干渉に煩わされない恵まれた立場だからなんだろうな。

MAMA

歌唱の才能がある少年たちが集められる学校が舞台で、「天使の声」に達した少年は死に至る、という筋。ストーリーは正直よく理解できなかったけど、登場する少年たちは皆なにかしら家族との問題を抱えていて、親との葛藤の描写が読み応えがあった。

特に、自分を産んだ後に親が心中した子の話が印象に残っている。その子は、自分が仮に恋愛をして親になっても、自身の親と同じ過ちを繰り返すのではないか…という呪縛に囚われている。夫婦仲の悪い親のもとで育った子は、夫婦関係を構築するのが難しくなる…的な統計を見たことがあるけど、生きて自分を育てることすらしてもらえなかった子の絶望はいかほどか。

往生際の意味を知れ!

病的に元彼女に執着する男と、その男を利用して母親に復讐しようとする女の話。4巻まで読んだけど面白くなかった。主要な登場人物がほとんど魅力的に見えず、みんな狂ってるとしか思えない。特に主人公の異様な元カノ崇拝に関してはまったく理解ができなかった。適度な狂気は物語のスパイスになりうるけれど、この作品ではそれが過大すぎて興ざめに感じた。

夜と海

ハーフの転校生と水泳好きの少女の交流。恋愛ではない。二人はお互いの連絡先すら知らず、つるんだり群れたり馴れ合ったりといった行為をほとんどしない。おもに教室やプールサイドでぽつぽつと会話をするだけ。

かなり性格が異なるふたりで、「あなたの思考・行動は理解できない」とはっきり言う。こういうベタベタしない友人関係もあっていいんだな。読んでると、自分が持っていた「友人」の概念が拡張されるのを感じる。

※とりあえず今回の記事はここまでです。また読んだ漫画が溜まったら記事に書こうと思います。

この記事が参加している募集

最後までお読み頂きありがとうございました!