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2021年1月に読んだ本を振り返る

この記事では、自分が1月に読んだ本を振り返って、読んでよかったと思える本をご紹介します。

1月に読んだ本

1月に読んだ本は11冊(小説が2冊、それ以外が9冊)でした。

FireShot Capture 053 - shikadaさんの1月読書まとめ - 読書メーター - bookmeter.com


読んで良かった本2冊

1 ゲコノミクス

体質などの様々な理由で酒を飲まない人々に向けたノンアルコール市場の可能性を語る一冊です。タイトルは下戸(げこ)と経済(エコノミクス)を組み合わせた造語ですね。

本書はまずデータを示して、体質上お酒が飲めない人は意外と多いことを説明します。それから、従来の飲食店の飲み物はアルコール偏重で、下戸を疎外してきた、とも。具体的には、お酒のメニューばかり充実していてソフトドリンクは烏龍茶しかないとか、飲まない人びとの選択肢があまりに少ない現状があります。

また、飲み会を前提とした古い企業文化へ疑問をぶつけています。酒を飲まないと腹を割って話せないとか、飲み会の付き合いが悪いと出世できないとか、そういう暗黙の文化は今なお一部に存在するとのこと。自分だったらそんな会社お断りですね…。

「お酒強そうに見えるけど、飲めないって本当?」とか「飲めないなんて、人生の楽しみの半分を失っている」とか、飲む人から飲まない人に対するささやかな攻撃は許されたり、酔い潰れた人を介抱するのはたいてい飲まない人の役割だったり、良く考えるとすごい不均衡ですね。

前置きが長くなりましたが、本書の本題としては、そうした冷遇されがちな「飲まない人」は未開拓の巨大な市場だ、ということです。下戸に対して、これまでは烏龍茶しかあてがわれてきませんでしたが、より多様なノンアルコール飲料の需要が隠れているはず、とのことです。

本書では、料理に合うノンアルのカクテルや中国茶を提供する店など、下戸向けの取り組みが紹介されています。自分は人並みに酒を飲む人間ですが、気になるものが多かったです。都内のお店が紹介されてましたが、車での移動がデフォルトの地方でこそ需要があるビジネスなのでは?なんて思いました。

2 WORK SHIFT

現代社会が今後変化していく要因を挙げ、未来の仕事観を予想する一冊です。本書ではまず、社会の変化により、祖父や親の世代と同じような働き方は今後できなくなる、と主張しています。以下、今後の社会の変化についての概要です。

▼働き方を変える5つの要因

1 テクノロジーの進化
ここ数十年で、テクノロジーは飛躍的に進化している。安価な携帯端末で、複雑なテクノロジーを活用できるようになっている。コストがかからないコミュニケーション技術のおかげで、全世界の人間がインターネットで結ばれ、生産性は向上し続ける。また単純作業は人間の手を必要とせず、テクノロジーによって代替される。
2 グローバル化の進展
第二次世界大戦後、世界の製造業の貿易高は60倍に拡大した。消費者は自分の国以外の業者から商品を買う選択肢を手に入れ、企業は国外の企業と競争する必要が出てきた。24時間365日休まないグローバルな世界が出現し、中国やインドといった発展した新興国が人材を輩出しつつある。
3 人口構成の変化と長寿化
大きなトレンドとしては、教育水準の向上、個人の選択を尊重する考えの広まりにより、出生率は減少している。医療の向上のため、平均寿命は伸び続けている。一言で言えば少子高齢化。健康で長生きする人が増えれば、年をとっても生産的な活動を続ける人が増える。いっぽうで、老後の蓄えはこれまで必要になる。食っていくために仕事を探さないといけない人が増える。
4 社会の変化
・核家族が増え、農村から都市へ人口移住が起きている。
・女性の力が強くなる。企業の幹部やリーダー層をになう女性は増えている。
・仕事一辺倒でなく、バランス重視の働き方を選ぶ男性が増える。自分の父親世代を反面教師に、所得より時間を重視する男性が増える。
5 エネルギー・環境問題の深刻化
温暖化の進行などが発生し、これまで通りに化石燃料を消費して経済成長を続けるモデルは成立しなくなっている。

上記の社会の変化を踏まえたうえで、ゼネラリスト的に働き、消費で幸せを感じる生活から、専門性を高く保ち経験に情熱を注ぐ生活へとシフトしなさい、との主張をしています。

本書で主張された「シフト」をすべて実践できる人はごく一握りだと思う一方で、「シフト」できなかった人が貧困や孤独に襲われる、との問題は大部分の人びとが直面するのではないかと感じます。そしてそうした貧困や孤独は、テクノロジーによって解決されるべきだ、とも。

この本は友人と一緒に読んだのですが、自身の今後の働き方を考え直すうえで非常に参考になりました。

まとめ

1月は月末に資格試験があって、月の後半はあまり読書の時間をとれなかったのですが、それでもある程度本を読めているのは、読書が習慣づいているおかげかなと思います。

数字だけ見ると、ふだんより読んだ冊数は少なめです。ただ、冊数を追い求めるような読書は目指していないので、読みたいと思える本を無理なく読んでいければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました!