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おしゃれキャットは32歳

世の中には二種類の人間がいる
おしゃれな人とおしゃれじゃない人

内面がおしゃれっていう話もあるけど、今回は外見、特に服のこと

自分は昔から服に興味がなかった
・・・と思い込んでいた。

小学校の頃はお母さんが選んできたユニクロ(当時は安かろう悪かろうブランドの代名詞だった)のフリースをお気に入りで着てた気がする
小学校の頃は服への思いは皆無
でも同じ少年野球チームにいた同級生がパーカーを着ていてかっこいいなと思った
当時流行っていたハイビスカスの柄の入ったPIKOっていうブランドのTシャツとか
結果的にそれは中学校に上がってから着ることになる
年齢が上がるだけでダサくなることをつゆ知らずピュアな私

中学~高校は本当に休みの日に遊ぶ、ということをほとんどしていなかったと思う
というかやることが町内唯一のカラオケボックスに行くか自転車で校区外の小さなショッピングセンターに行くことくらいしかなかったからか

結構ガチめの部活に入っていたので休日もずっと練習だった
放課後は部活と塾
そらあ私服なんか着る暇ないわ
それよりも新しいスポーツウェアとかラケットとか(6年間ソフトテニス部)そういうものにお金をかけてもらっていた

初めて私服を着る必要性に迫られたのは高校後半
部活と並行してバンドなんて始めてしまった自分は、さあどうしよう
ライブの時に着る服がない
どんな服を着ていたか今となってはちっとも覚えていないけど、
ネットで買ったものとか、隣町に唯一あったオシャレプレイスであるマックハウスに通っていた思い出

大学生になった時にはさあどうしよう
もう制服がないぞ。毎日私服だ

我が家で初の大学合格に張り切っていた親は、インターネットで服を買うことを許可してくれた
今考えると激ダサいが、当時はイケてると思ってたフェイクレイヤードの白い、なんしかダサい服着てた(冒頭の画像ご参照。Janne Da Arcのコピーバンドの時に着ていたので、その時にやった曲になぞらえて、大学の友人から“メシアの服”と言われた)
二種の奨学金をたんまり借り、バイトに明け暮れ、仕送りもなく、2万8千円のボロアパートに住む苦学生だった上に楽器なんてやってたものだからひとたまりもない
みんなで鳥貴族に行く3,000円だって払えなかったのに、服なんてとても買えない
夏フェスで買ったバンドのTシャツとかでだましだましやりくりをしていた
おかげでいつもヨレヨレの服を着てたな
今思えば本当に気分が下がる要因だった


社会人になって小金を持ったとて、服への情熱は燃えあがらなかった
なんせ趣味の楽器やライブへの投資は加熱したし、飲みに行ったり普段の出費も増え、奨学金を返済しながら、当時遠距離だった彼女との往復の電車賃も馬鹿にならなかった
いかんせん休日はあまり外に出ずひきこもるタイプやし、彼女はずっといたのでモテへのモチベーションはないし

そして32歳
お待たせしました
______________________________覚醒


相も変わらず仕事以外は引き篭もっている毎日だったが、ある日思い立って予備校に通うことにした
覚醒のきっかけは、予備校のエレベータの横にある大きな鏡に映った自分の姿。
何年前に買ったか分からない緑のカーゴパンツ?にヨレヨレのグレーのバンドカラーシャツ。ひどい色味とひどいヨレヨレ、ひどい流行っていない感に「誰このおじさん」ってなった。自分なのに。

その直前にはランニングにハマり、年間1,830kmを走っていて、ランニングウェアのかっこよさとランへのモチベーションに正の相関関係があることに薄々勘づいていた
つまり気分が上がるとがんばれるのだ

良くも悪くも自責思考(他責思考の逆でなにもかも自分の責任と思う)なので
がんばれないのは自分がダメな人間だからだって思ってた

でも良い服着たらなんか勉強も頑張れるモチベ湧いてくるやん~
お金で買えないものが世の中の大半で、お金で気持ちを買えるなんてこんな簡単なことはない
試してみたらとてもよかった
人の目を人一倍気にするんだからよく考えたら至極当たり前のことであった

そのうえ、服にお金をかけてこなかったのは、どうせかっこいい服を着たところでスタイルは良くないし顔は千鳥のノブだし良くならへんと思っていたからだ
おしゃれを楽しんでいる人を見て「斜に構えて」「男は中身だ」「そんな高いものの価値なんてマーケティングの成果でしかない」とか捻くれた心の中
ただ、ひとえに自分が良くなろうという自信がなかっただけなのだ
良くなろうとしてるのを見られてダサいって思われるのが怖かったのだ
自分のセンスが問われる機会を増やしたくなかった弱い自分がいたのだ

高いブランドを着てる人はすごいなって思うけど、自分の部屋にあるギターやパソコンや自転車はどれも10万円を超えているし、本にたくさんお金を使う
どこに重きを置くかが違うだけ
いろんな価値観を認められない自分、ダサいで

こうして大人になった今は、かっこよくなる、というのもあるが、「汚くならない」という新たなモチベーションもある
おっさんになろうと思えば簡単で、楽なのかもしれない
でも周りの大人を見渡して、やっぱりちゃんと身なりに気を遣ってそれなりの恰好をしたいと思う
年齢関係なく、とてもハイブランドのお高い洋服を着ていたり、1本3万円もするバングルを二つもつけて勉強する人もいる
一方で寝巻き?みたいな服で毎日通っている人もいる

気分上げていこう

これまでまともな服を着ていなかったので服一年生
つまり標準値で行くと大学一年生です

今、大学一年生みたいな知識で服を選んでいる。
GLOBAL WORKとかHAREとかgreen label relaxingとか、オシャレな人が聞いたら鼻で笑われそうなブランドやけど、今は気に入ったモノを着ていることが進歩。

頼りになるのはインターネット様のみ
ZOZOTOWN様ありがとう
死のユニクロループから僕を救ってくれて。
入りにくいねん、服屋
あと服屋さんに着ていく服がない

もっともっと頑張って仕事したり勉強して稼ぎを増やしてやりたいこと
定番アイテムを一通りちゃんとしたブランドで揃える
そのうえで胸キュンしたアイテムを買えて、それを定番と合わせて着られる

32歳だって
始めるには遅すぎることなんてない

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