マガジンのカバー画像

THE CONNECTIVES

短編の詩集です。
一話完結(たまに前後等でリンクするお話有り)のお話を毎週金曜日20時に配信しています。 一度ご購入…
¥1,500 / 月
運営しているクリエイター

#詩

位置

──マルコの考え  瓦礫に埋もれたまま、じっと考えていた。もしもこのまま助けが来なかった…

きっと君はずっと

 「何年経ったと思う?」 「十年くらい?」 「正しくは十年とちょうど二ヶ月だ」 「早いもん…

結局自分じゃ選べない

 朝、決まった時間にアラームが鳴ると、まだ開ききらない瞼を擦りながらスマホゲームのログイ…

反復

 左から右へ、上から下へ。 あっちからこっちへ。 前から後ろへ。 僕達は反復していく。 大地…

 この世界が暗闇に包まれて三年が過ぎた。 暗闇は突如として現れ、我々がその気配に気付く間…

夢と世界

 今日も世界は溶けていく。あんなに鮮明に輝いていたあの空も、あの日の思い出が溶けてしまっ…

君のせいなんだ

 " 愛してるよ " なんて意味がないんだ。 僕らの人生は全然違うのだから。 育った環境も、今日までの道のりも、何もかもが正反対だったのだから。 だから " 愛してるよ " も " サヨナラ " も意味なんてないんだよ。 " 意味 " って話だけなら、 " 意味 " があるのかもしれないのだけれど。

私のターン

 「もう一回やろ?!」 「勘弁してくれよ……二人でやっても面白くないだろ、もう帰れよ」 「…

記憶

 晴れた朝。窓から差し込む太陽が僕の寝起きの眼に悪戯する。 焼けたパンの匂いがキッチンか…

雨に唄うエゴイスト

 私は常々思っている。 この雨粒全てが魂で、空から降りしきり地面に落ち、弾け飛び混ざり合…

静かな夜

 リビングの壁に掛けてある時計の針が進む音が聞こえる。 " チクタク……チクタク " 静まり返…

百週間前の僕達へ

 どれだけの間眠っていたのだろう まだぼんやりする頭の中で眠りにつく前の事を思い返す。 …

光はいつか消えるのかな

 「神様、もしいるのなら教えてください。光はいつか消えてしまいますか?」 私達はいずれ太…

ノイズが走る

 たった一杯の珈琲。 この珈琲がなくなるまでは、この席から窓の外を見ていて良いよね。 淡い光が差す午後四時過ぎ……私の指先に小さな傷。 三日前に夕食の準備をしていた時に誤って包丁で切ってしまった。 血の滲む指先を見つめながら、心は上の空…… まるで自分の指じゃないような。