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──マルコの考え 瓦礫に埋もれたまま、じっと考えていた。もしもこのまま助けが来なかった…
「何年経ったと思う?」 「十年くらい?」 「正しくは十年とちょうど二ヶ月だ」 「早いもん…
朝、決まった時間にアラームが鳴ると、まだ開ききらない瞼を擦りながらスマホゲームのログイ…
左から右へ、上から下へ。 あっちからこっちへ。 前から後ろへ。 僕達は反復していく。 大地…
この世界が暗闇に包まれて三年が過ぎた。 暗闇は突如として現れ、我々がその気配に気付く間…
今日も世界は溶けていく。あんなに鮮明に輝いていたあの空も、あの日の思い出が溶けてしまっ…
" 愛してるよ " なんて意味がないんだ。 僕らの人生は全然違うのだから。 育った環境も、今日までの道のりも、何もかもが正反対だったのだから。 だから " 愛してるよ " も " サヨナラ " も意味なんてないんだよ。 " 意味 " って話だけなら、 " 意味 " があるのかもしれないのだけれど。
「もう一回やろ?!」 「勘弁してくれよ……二人でやっても面白くないだろ、もう帰れよ」 「…
晴れた朝。窓から差し込む太陽が僕の寝起きの眼に悪戯する。 焼けたパンの匂いがキッチンか…
私は常々思っている。 この雨粒全てが魂で、空から降りしきり地面に落ち、弾け飛び混ざり合…
リビングの壁に掛けてある時計の針が進む音が聞こえる。 " チクタク……チクタク " 静まり返…
どれだけの間眠っていたのだろう まだぼんやりする頭の中で眠りにつく前の事を思い返す。 …
「神様、もしいるのなら教えてください。光はいつか消えてしまいますか?」 私達はいずれ太…
たった一杯の珈琲。 この珈琲がなくなるまでは、この席から窓の外を見ていて良いよね。 淡い光が差す午後四時過ぎ……私の指先に小さな傷。 三日前に夕食の準備をしていた時に誤って包丁で切ってしまった。 血の滲む指先を見つめながら、心は上の空…… まるで自分の指じゃないような。