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号外 トークイベント:高崎卓馬×川村元気『街と映画と映画祭』

21歳で映画会社に入社して、企画をやりたいと騒いでいたら(たぶん)生意気だということで大阪の映画館に配属された。
それから2年ほど、南街劇場というボロボロの映画館でチケットのモギリの仕事をやっていた。

最初の仕事は『千と千尋の神隠し』のモギリ。
奇しくも史上最大の映画興行で、映画館は人で溢れかえっていた。

ボロボロの映画館は、1枚のチケットで一日中ずっと観てるおっちゃんや、途中で入って次の回の途中で帰るおばちゃんや、立ち見でも観たいという子供たちで膨れ上がり、さながら『ニューシネマ・パラダイス』の様相だった。

いま思えば、貴重な体験だった。あんな映画館の光景は、もうなくなった。
映画館はシネコンに変わり、座席指定制となった。もはや、立ち見や一日中観ているおっちゃんは許されない。

『千と千尋の神隠し』の興行がようやく落ち着いた頃、家でテレビを見ていたら、とあるCMに心を撃ち抜かれた。
できれば同じ感動を味わってほしいので、この先を読む前に見てほしい。

『Imagination, Whale』
https://www.adforum.com/talent/24629-takuma-takasaki/work/21737

誰がこんなCMを作ったのかと、名前を調べた。
「高崎卓馬」という人らしい。
それから「高崎卓馬」の仕事を気をつけて見るようになった。

JR東日本「MY FIRST AOMORI」
インテル「もしもサボテンにインテルが入ったら」
など、高崎卓馬の創るCMに痺れているうちに、東京に戻って映画づくりの仕事をすることになった。

記憶は定かではないが、いつの間にか高崎さんと知り合い、僕の映画の宣伝にアイデアをもらったり、企画のワークショップを一緒にやるようになった(出会いの記憶が全くないので、そこはトークイベント当日高崎さんに教えてもらう予定です)。

2年に一度くらいのペースで会って、取りとめのない話をしてきた。
高崎の視点と川村の視点、それぞれを交錯させて、謎を解くような時間だった。

今年5月。カンヌに滞在中、偶然同じホテルに泊まっていることがわかった。
高崎さんはいつの間にか、ヴィム・ヴェンダースと映画を作っていた。
どういうこと??
カンヌのホテルでコーヒーを飲みながら、高崎さんから嘘のような本当の話を聞いた。

ユニクロの柳井康治さんが渋谷区と作ったトイレからはじまり、ヴェンダースとの映画づくり、そしてカンヌ映画祭に至るまで。

この逸話は誰かに聴いてもらいたいと思っていたら、東京国際映画祭が場を作ってくれた。

※イベント詳細は9/27夕方より東京国際映画祭のHPに掲載されます。

『PERFECT DAYS』そして『怪物』の企画の成り立ち、脚本作り、撮影と編集、そしてカンヌ映画祭までの道のりなど、「街と映画と映画祭」についてフランクに話していければと思います。

せっかくなので、いままでの高崎さんの広告の仕事についても、あれこれ聞いてみようかなと。

当日は参加者からのQ&Aおよび懇親会も予定しています。

狭い会場のイベントなのでチケットが入手困難かと思われますが、特別に「物語の部屋」メンバーをご招待できればと思っています。

応募方法等詳細については、下記よりご確認ください。

それではイベント会場にてお待ちしています。

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