見出し画像

空想朝どらヒロイン日記 11/30朝どらヒロイン合格

11月30日
深夜はあまりにも眠れなくて、生まれて初めて羊を数えた。
2357匹まで数えたけど全く眠れなかった。
匹じゃダメだから、羊のモフモフの毛の厚さで再挑戦。

「モフモフが1㎜の羊。モフモフが2㎜の羊。モフモフが3㎜…」

あのモフモフを脳内で1㎜ずつの微調整するのがムズすぎて、頭痛。
で気づいたら朝。
羊のことを考えて眠れる人はいないと思った。

昼。自宅を出発。
西高島平にあるHHHKの本社へ向かう。
来年スタートの〈朝の完結どらま通説『あまのじゃくしちゃん』〉のヒロイン最終オーディション。
子役時代から受けてきたけど‘朝どら‘のオーディションは1度も、二次審査すらも合格したことがなかった。
最終の一歩まえの四次審査にはあの上石神井萌亜がいた。
キャリアで言えば、雲泥の差。もちろん泥がわたし。

でも朝どらは、キャリアとか関係なくヒロインになれるチャンスの場。
むしろシンデレラストーリーが生まれるのが朝どら。
でも正直落ちるんだろうな・・・と思っていた気持ちの方が大きかった。

最終オーディション会場に到着した。
2階のレクリエーションルーム。
子役時代ここで『おまわりさんとむしょ』のオーディション受けて落ちたな―と嫌な記憶が蘇った。

部屋に入るとプロデューサー、監督、脚本家が座ってて、プロデュ―サ―がわたしに
「最終審査の台本です。今すぐ覚えてください」
と1枚の紙を渡して言った。

やばい、今の状況で覚えられるはずない…。

一気に脇汗が出た。
視界がコンタクトズレた時みたいになった。
あからさまに震えている指で紙をめくると

「朝の完結どらま通説『おたまじゃくしちゃん』ヒロイン合格です!」

と書いてあった。

思わずじぇじぇじぇと叫びそうになったけど、局が違うからダメ!と踏ん張った。


実はそっからの記憶がなくて、気が付いたら夜。
家のリビングにいた。
そしてTVにはなぜか上裸の反町隆史と竹野内豊が映っていた。
しかも若いロン毛姿の反町・竹野内。
ビーチボーイズの反町と竹野内だ。
しかも流れていたのは4話。
なぜこのタイミングで?1~3話を見終えたから4話を観ているのか?
全く記憶がない…。
これが朝どらヒロイン決定の衝撃なのか!
と考えてたら、涙が溢れていた。

朝どらのヒロインになったという実感がようやく湧いた。
海の家ではしゃいでいる反町と竹野内もわたしを祝福してはしゃいでるのかと思ってより泣けた。

するとマネージャーから

「あさって制作発表の記者会見だから!コンディション整えてよ!」

とのLINEが入っていた。

朝どらには毎作品ヒロイン発表の記者会見がある。
瞬時に嫌な鳥肌が立った。
無意識にTVも消していた。
今までとは責任や影響力が半端じゃない…。
逃げたくなった。
嬉しさよりも怖さが勝っていた。
やばい…押しつぶされそうと震えていた。
その震えでTVのリモコンに触れてしまい、再びTVにビーチボーイズが流れた。
反町と竹野内はまだ海の家ではしゃいでいた。
ずっとはしゃげている2人にちょっと元気が出た。

すると2人のはしゃぎを遮るようにスマホが鳴った。
友人でインフルエンサーのバタフライちゃんからLINE!
「メシ行こうよ~」とのお誘い。
ビーチボーイズにバタフライちゃんで涙腺決壊。
いちばんの親友のバタフライちゃん。
皆には意外って言われるけど、今でもビジネスなしの超親友。
早くバタフライちゃんに朝どらヒロインのことを伝えたかったけれど、記者会見までは誰にも言っちゃいけない決まり。

わたしはバタフライちゃんを喜ばせる為にあさっての記者会見がんばるぞと決心して、
六本木へ行ってバタフライちゃんと大戸屋を食べた。



ヒロイン降板まであと322日



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?