PartyRockでデモアプリを30分で作って仮説検証した話
これは GLOBIS Advent Calendar 2023 の19日目の記事です。
自己紹介
初めまして。グロービスでテックリードエンジニアをしている松原と申します。
今年はChatGPT関連でプロダクトを作ったり登壇させていただいたりととても刺激的でエンジニアってやっぱり楽しい仕事だな〜と再確認できたとても充実した1年でした。
今年の生成AIなどの記事などのアウトプットなどは以下にまとめさせていただいております。
携わっているプロダクトについて
普段はグロービス経営大学院ナノ単科というサービスに携わっております。
こちらは通常のMBAよりも手が届きやすい価格でオンラインで受講でき、現役MBA講師によるライブ授業とAIでMBAの学習ができ単位が取得できるサービスとなっております。
僕自身九州のど田舎で生まれ教育機会に恵まれなかったのでこちらのプロダクトを通して、教育機会の拡大に努めていきたいと考えております。
この記事の内容
今回は社内で相談された際にPartyRockで簡単なデモを作って視界共有した話を記事にしました。
コードが書けない人でも真似できるので、ぜひどんどん活用していただけると施策のスピード感を出すことができると思います。
始まり: こんなの作れませんかと営業さんに相談された
今回作ったデモの始まりは営業さんから『こんな感じの接客サービスや診断サービスって作れませんか?』という相談を受けたことでした。
社内の生成AI関連の相談がよく来るので、やりたいことのヒアリングを行いながら意図や課題感を整理し、以下のように仕様を整理しました。
営業さんからいただいた簡単な要件を整理
ユーザーが簡単な診断や質問をすることで、ユーザーに合わせて自社の接客ができるサービスが作りたい。
ただ、テック面でどんなことができるかわからないので、施策としてどう進めればいいかが分からない。
ユースケースは顧客が申込前に、簡単な診断をして自社にあったプロダクトがなぜマッチしているかを理解した状態で申し込むこと。
生成AIでやること、やらないことを決める
生成AI(今回はLLM)って便利で注目されていますが、何にでも使わないといけないというわけでもないです。
正直診断サイトだけならよくある『はい』or『いいえ』の選択式でもそれなりに精度が出せるので問題ない場合がほとんどです。
今回のユースケースでは、顧客自身が言語化できていないような悩みや課題間を非定型で入力してもらい、そこから課題を抽出することに生成AIが使えるのではないかと考えました。
特に人材育成の場では課題が抽象的でうまく具体化できないというケースをよく耳にするので、そこの課題感に生成AIがマッチするのではないかと考えました。
また、抽出した課題から何をレコメンドするかに関してはLLMよりもデータサイエンスチームに依頼し、レコメンドができるようにしようということになりました。この領域はLLMよりも直接分析した方が精度が出せ、改善にも繋げやすいためです。
デモアプリの開発
作りはじめる
上記の仕様がおおまかに決まったところで、皆が目指す方向を認識合わせするためにデモアプリを作ってみることにしました。
ちょうどAmazonの招待制の生成AIのイベントで聞いていたユースケースが使えそうだなと思い、聞いたばかりの技術でしたが早速使ってみることにしました。
Party Rockについて
Party Rockは以下のURLから利用できます。
Party Rockでアプリを作ってみる
Party Rockを使ったアプリを作る手順
ログインし、Generate Appをクリック
App builderに作りたいアプリの要件を入力し送信する
アプリが生成される
意図通りに動くようにプロンプトを更新する
上記の手順で進みます。
日本語でアプリを作成する場合は、入力が海外仕様なので日本語で操作すると間違って送信してしまいがちなので、どこかにコピペでもして貼り付けるのがおすすめです。
生成されたアプリではプロンプトを改修し、自分のニーズや目的に合わせてカスタマイズが可能です。
今回は会話をする領域と、会話の内容から興味関心を抽出する領域のふたつを制御するプロンプトを作成し、それぞれに指示を与えています。
今回Party Rockで開発したデモアプリ
今回作成したデモアプリはこちらから利用できます。
https://partyrock.aws/u/couragenki/a6Dge0Ot6
デモアプリをみんなで触って挙がった改善できそうな点
ツイートにも書いたのですが、以下が課題感として挙がりました。
最初に投げかける会話が『興味関心を教えてくれ』と直接的なので、もっと抽象的な話題や間接的にヒアリングできるような会話をした方がいいのではないか?
会話の内容をもっと自然にして、会話したいときだけ会話するなどの方が面白そう
関連ワードをレコメンドするのではなく、そのデータから興味がありそうなことを類推し一緒に提供できると価値提供に繋げやすそう
まとめ
プロダクトの初期の開発では小さく作ってユーザーの反応を見ながら自分たちが作りたいものを作っていくことが大事だと思います。
このようにParty Rockなど生成AIをうまく活用し、最短でデモアプリを作ることによって作ろうとしているサービスの仮説検証やそれに伴うユーザー体験のピポッドが容易になり、提供価値を小さく早く検証できることが可能になったので特にコードを書けなくても検証ができるようになったのは大きな変化かなと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?