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コーヒー選びが楽しくなる!精製方法による味の違い

コーヒーの味は国や焙煎度合いによるものだけではなく、精製方法によってもかなり違いが出てきます。

精製方法による味の違いをざっくりと紹介しようと思います。


コーヒーチェリーの構造

コーヒー豆は実はコーヒーチェリーの種なんです。
その種を取り出して乾燥させるまでの工程のことを精製と言います。
精製方法による味の違いを説明する前に簡単にコーヒーチェリーの構造を紹介しておきますね。

頑張って描きました(笑)

梅干しやサクランボを想像すると分かりやすいと思います。
果実を食べた後、種の周りにヌメヌメとしたものが残りますよね。
それがコーヒーチェリーでいうところのミューシレージです。

パーチメントはコーヒーチェリー特有のものだと思います。
種の周りを固い殻が覆っています。
それがパーチメントです。
パーチメントを割ると中に種が入っているのですがその周りに薄皮がついています。
その薄皮がシルバースキンです。

全部覚えなくても、とりあえず梅干しやサクランボをイメージしたら精製方法の違いをなんとなく理解することができると思いますよ^^

①washed(ウォッシュト)

ミューシレージまで洗い落としてから乾燥させる精製方法をwashedと言います。

この精製方法で作られたコーヒーはすっきりとした透明感のある味わいが特徴です。
オレンジやレモンのような柑橘感、紅茶のような飲みやすさが魅力ですね。

weekenders coffee 

②natural(ナチュラル)

コーヒーチェリーのまま乾燥させる精製方法をnaturalと言います。

フルーティーな味になることが特徴です。
イチゴやラズベリー、チョコレートのような甘さを感じることが出来るでしょう。

僕はnaturalの豆をエアロプレスで淹れるのが好きです。
甘くてジューシーかつクリーンなコーヒーになります。

ナチュラルの豆で淹れたラテはめっちゃ甘い

③honey(ハニー)

honeyはコーヒーチェリーの皮は剥きますが、ミューシレージは残したまま乾燥させる精製方法です。
washedとnaturalの間っていうイメージですね。

ミューシレージが多く残っている方が発酵が進み、よりnaturalに近い味わいになります。
ブラックハニー、レッドハニー、イエローハニー、ホワイトハニーの順で発酵度合いが強いです。

washedよりは甘いけどnaturalほど個性的な味にはならないので、個人的には飲みやすくて好きです。

ちなみにこの精製方法はコスタリカで生まれたもので、現在ではいろんな国で行われています。
ブラジルでよく見るpulped natural(パルプドナチュラル)は呼び方が違うだけで、honeyと同じ精製方法です。

akha ama coffee

④anaerobic fermentation(嫌気性発酵)

大きなタンクにコーヒーチェリーまたはパーチメントを入れ、蓋をして発酵させる精製方法をanaerobic fermentationと言います。
アナエロと呼ばれることも多いです。

蓋をして密閉することで始めは酸素を消費して行動する微生物(好気性の微生物)が活動するのですが、だんだんと酸素が減って二酸化炭素が増えるに従ってその微生物は死滅していきます。
そして今度は二酸化炭素の下で行動する微生物(嫌気性の微生物)が活発に行動し始め、バクテリアの数が少なくなっていきます。
すると何が起こるのか。
発酵するのに長い時間がかかるようになります。
また、大量のコーヒーチェリー(パーチメント)を入れているので、自重で加圧され温度が高くなっています。
そのため逆に発酵が進むのです。

まとめると、「温度が高くなり発酵が促進されると同時に微生物が発酵を抑えている」、このバランスで発酵をコントロールしているという訳です。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。

この精製方法で作られたコーヒーは、ベリー系のかなり強いフレーバーがする傾向があります。
明るいよりはダークなイメージですね。
すごく甘く、コーヒーのイメージとはかけ離れた味がします(笑)

発酵が強すぎると1杯飲みきるのがしんどいこともあるのですが、コーヒーの概念を覆される体験ができるかもしれませんね^^

acid coffee

⑤carbonic maceration(強制嫌気性発酵)

この精製方法も④anaerobic fermentationと同じ方法で発酵をコントロールしているのですが、1つ違う点があります。
タンクの中に二酸化炭素を注入して強制的に嫌気性発酵を促している点です。
強制アナエロと覚えると良い気がします(笑)

これはボジョレーと同じ作り方です。
そのためボジョレー方式と言われることもあるそうです。
こちらもこの動画をご覧ください。

この精製方法で作られたコーヒーもアナエロと同じく発酵感の強いコーヒーになる印象があります。

leaves coffee

補足

fermentationは日本語で発酵という意味の単語です。
なのでfermentationが付いている精製方法で作られたコーヒーは基本的には発酵感が強いです。

良い物だとめちゃくちゃ甘いブルーベリーやピーチを連想させるフレーバーがあるのですが、良くない物に当たってしまうときついと感じてしまうかもしれません。

なので個人的にはあまり好きではないのですが、たまにめっちゃ美味しいコーヒーに出会うことがあります。
そのときの衝撃は忘れることができません^^
豆で買うと消費するのに苦労するかもしれないので、1度お店で飲んでみてはどうでしょうか。

これからの暑い季節、アイスコーヒーで飲むとめっちゃ美味しいものもたくさん出てくると思いますよ。

おまけ:①~⑤を1言で表すと

①日常
②おやつ
③贅沢
④⑤発酵

僕の個人的なイメージはこんな感じです(笑)
なので豆を買うときはwashedを買うことが多いですね。

ぜひ気分によって色んなコーヒーを飲んでみてください!
コーヒーライフを楽しみましょう!

ナチュラルとウォッシュトについては詳しく書いているので、こちらをご覧ください ↓

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