愛城華恋をますます好きになれる一作「劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト」感想


少女☆歌劇レヴュースタァライト、新作劇場版を見ました。
端的に述べると、めちゃくちゃよかった。

備忘録らしく、感想を書きます。

※ネタバレ有

















今回の劇場版、まずすごいなぁと思ったのは、ちゃんと九九組全員にスポットが当たってること。
ロロロの時は総集編なこともあって、華恋とひかり以外の話があんまりメインに入ってこなかったんですけど、今回はそれぞれのレヴューの感情がデカすぎて、しっかり主演の二人を食ってました。

ただ、その上で「愛城華恋が何者なのか」にしっかり触れられていて、満足感がすごい。

華恋って、今までの本編だと「ひたむきに運命のために突き進む真っ直ぐな舞台少女」という印象が強かった。
王道な主人公肌で、ひかりを星積みの塔から救い出して、皆をスタァライトしちゃう。
実際華恋について、そのくらいしか語られてないと思う。

今作では、愛城華恋の幼少期から、聖翔入学までの間のエピソードが合間に挟まれるのですが、過去の華恋もだいたいそんなかんじでした。
中学の同級生から「すごい!かっこいい!(要約)」と言われる華恋。
でも、一人の同級生がふと「本当にそうかな。普通に悩みとか不安とかあるんじゃないの?」とこぼすんですよね。

このシーン、すごい好きなんですよ。
まさに舞台少女・愛城華恋の正体を暴く一言。

これまでスタァライトで華恋を眺めていた私たちに、はっとさせるシーンでした。
私たちはわりと華恋を「すごい舞台少女」と思っているし、彼女が舞台少女として思い悩むシーンってそんなになかったから、私たちも華恋をすごいやつだと思ってる同級生と、大差ないんです。

でも本当は、華恋って別にそんなすごくない。
「ひかりちゃんが約束を覚えていなかったらどうしよう」と怯える、ただの女の子なんです。

華恋を舞台少女にさせたのはひかりだし、ひかりとの約束・運命以外に、華恋を舞台少女として存在させるものはなかった。
だから、ひかりが約束を覚えていなかったら、華恋は多分舞台少女でいられなかった。

それを無意識にわかってるから、ひかりのことを「見ないし聞かないし調べない」。
ひかりが約束を忘れている姿を見たら、華恋の今までの人生は全部無駄になっちゃう。

お手紙を書くときも、「あの日の約束に向かって頑張っていますか?」と書こうとしてやめた。
「約束って何だっけ?」なんて言われたら終わりだし、「実はもう舞台はやってない」と返ってきたら…?
そうなれば、華恋は本当にからっぽになってしまう。

普通の舞台少女の燃料って、約束とかよりも「誰よりもキラめきたい」という気持ちや、観客の存在だと思うし、華恋みたいな約束があったとしても、それが全てってことはまずない。
でも華恋は本当に、神楽ひかりとの運命だけが、キラめきそのものだった。

今まで人間ぽくなかった愛城華恋が、本当は普通に悩むし不安でいっぱいな一人の人間だったんだなと気付かされて、もう美しすぎる物語だと思いました。

そして、ちゃんと彼女が神楽ひかりを卒業して、ひかりがいなくてもキラめくことのできる舞台少女になって。
TVアニメやロロロで残していた華恋ちゃんの「宿題」を、ちゃんと見届けることができて、本当によかった。

最高すぎて、普通に二回見てしまった。
普通に予定外だったので、もうそのくらい面白い作品でした。

もっと人類、スタァライトを見て。

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