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まさかの解説デビュー!?~『ピークアウト』第17話感想~

※本編↓

※前回の感想はコチラ↓


■前回のMピーク開幕戦は!!


 はや姉ぇ、最高っス……

 ドラフトで指名されたユキトら新選手、そして新チーム北陸ビスケッツを加えいよいよ開幕したMピーク。開幕戦で卓を囲むのは東京アスラズ・東海マグマーズ東北セサミンズ大阪ウメダーズの4チームだ。

 第1回戦は南場のトップ目からも攻めの姿勢を貫いたアスラズ・愛田ヒナが勝利を掴む。そして勝者インタビューでヒナが指名した2回戦登板選手は、新人・城丸雪兎!! 開幕初日にしてデビュー戦に挑むこととなる。

 しかし、起家スタートのユキトは第1ツモの取り忘れにより早速のチョンボ。あまりにも恥ずかしいミスを早々にやらかしてしまったユキトは、これによりまさかの逆ギレ。親リーチにシャンテンから押しまくって逆に満貫ツモってしまう。

 とはいえ、相手は熟練のMピーカー。途中、工夫を凝らしたリーチで放銃を誘おうとするユキトであったが、マグマーズ・勝本に狙いを見透かされて返り討ちに遭ったが最後、高打点の放銃を繰り返してあっという間にラス。デビュー戦は言い逃れ様の無い惨敗となった。

 控え室で待つチームメイトのことを思い、項垂れるユキト。しかし、控え室に戻る道すがら、勝本から自身の麻雀は隈なく研究済みであったことを教えられる。驚くユキトに勝本は言う。Mピークで戦う相手はみんな、絶対倒して帰りたい「ライバル」だと──


 ──例えそれが、デビューしたての新人であっても。



■代打は代打でも……


 デビュー戦のボロ敗けにより、ヒナの開幕トップを帳消しにしてしまったユキト。その後、監督・不二子さんのお達し通り試合に出させてもらえない日々が続いていた。

 仕方なく研修生に混ざって道場の勉強会で麻雀の練習をしようとしていたユキトだったが、そこに高原から電話が入る。聞けば風邪を引いてしまったのでゲストの仕事をユキトに代わってほしいようなのだが……。


「あ いいっすよ どこの雀荘さんですかあ?」


『いや今夜のMピークの』

『解説の仕事なんだけど』



 ……そう、麻雀を打つだけがプロ雀士の仕事ではない!!

 というわけで『ピークアウト:ユキトの解説お勉強編』の始まりである。


■アザ・解説・ラッシュ


 なし崩し的に高原の代打で引き受けることになってしまったユキトだが、もちろん解説の知識なんて微塵もない。取り敢えず困ったときの棒太郎くんに助けを求める。麻雀界の知識の泉、キン肉マンにおけるミートくんみたいなもんやな。


 棒太郎によれば、解説で人気なのは元々MピークのMCを務めていたウメダーズ・南原プロとユキトもデビュー戦で同卓したマグマーズ・勝本プロ。何は無くとも上手い人の解説を真似すれば間違いはないだろう、ということで、まずは勝本さんの解説を聞いていくことに。

『例えば──先ほどの親の両面チーを安いタンヤオの仕掛けと考えるなら 序盤の8萬・西という切り順に少し違和感を覚えてしまうんですね さらに──』

『つまり──』

『からの──』

『ただし──』


 ……そう、これがIQ220の「軍神」の解説である。チーひとつとってもここまで喋れる人なので、ユキトもスタンバイルームですまし顔オットセイみたいになってる勝本さんに麻雀の話を振れば、あんなに肩身の狭い思いをしなくても済んだはず……。予想の100倍ぐらいの量の返事が返ってきて宇宙ネコ顔にはなってかもしれない


 さておき、さっそく動画を見ながら解説の練習にチャレンジしてみるユキトだが、もちろん勝本さんのようにペラペラ喋れるはずもなく……そうこう言っているうちにスタジオ入りの時間が来てしまう。先行きは不安である。


■「楽しい解説」?


 ユニフォームに着替えてスタジオに来たユキト。実況のお姉さんは何やら打ち合わせ中らしく、忙しそうなのでユキトは先に控え室の選手に取材しようと思いつく。


「お前解説で俺の話一切するなよ」


 ユキトが向かったのは大阪ウメダーズのチーム控え室。そうそうに小堀さんから「ヘタな奴が俺の思考を勝手に語るなよ」解説NG宣言を喰らってしまう。相変わらずの口の悪さに、思わず言葉に詰まるユキト。そこに「心配するなって」と助け船を出したのが、キャプテン・西川幸之進プロ。

大阪ウメダーズ・西川幸之進プロ。



「例えキミがずっと無言でも」

「俺が打つだけで盛り上がるからさ♡」



 自信があるのは自らの麻雀なのかルックスなのか、それともその両方なのか。小堀さんとは別ベクトルでいけすかない発言をする西川さんについカチンと来てしまうユキト。


 ……しかし、ユキトは誤解している。いや、西川さんのモデルが内単騎……じゃない、西単騎放銃のあの人だと知っている我々なら、この無神経ともとらえられかねない発言に込められた真意が理解できる。


 西川さんが言おうとしていること、それは



リーチ中におっかけを喰らった挙句危険牌をツモり、思わず麻呂顔になる西川幸之進プロ。


「ここぞという場面では俺が顔芸で盛り上げるから心配するな城丸」ということである。


 そんなことは露知らぬユキト、続いて控え室にやってきたシルクさんにヘタクソな英語で話しかけるというバッドコミュニケーションを繰り出し、「選手のことも調べずに解説に来たの?」とガチ目の説教を喰らう。まぁ単に麻雀打ってるだけじゃなくて、プロ活動もやってるなら日本語は話せますよね……。

 総じてユキトへの当たりが厳しめなウメダーズの面々だが、ただ一人番組MC出身の南原さんだけは、なんとかなるとユキトを励ましてくれる。曰く、「上手な解説はまだ難しくても楽しい解説なら目指せるはず」と。


 しかし、南原さんの思いとは裏腹に、ユキトは「楽しい解説なんてもっと無理!!」と自信を喪失してしまう。今からでもスタジオに来てくれと、高原に電話したユキトであったが……出たのはなんと霧子さん。本格的にダウンしている高原の様子を、別居中の身ながら見に来ていたのであった。

 電話口越しに「解説でもリス子を楽しませてやってほしい」と言う霧子さん。だが、ユキトにはその「楽しい解説」をする自信がない。そもそもリス子は麻雀のことなんて何もわからないのである。

 霧子さんだって解説の専門的な知識があるわけではない。しかし、リス子が生前、何を楽しいと思っていたのかは知っていた。


「あの子はね 麻雀用語なんてひとつも知らなかったけど」


「嬉しそうに麻雀の話をするアンタを眺めている時間が」


「とっても好きで楽しかったんですって」



 確かに麻雀について何も知らなかったリス子だったが、それでも「麻雀を楽しんでいるユキト」を見ているだけで自分も楽しい気分になれたのだろう。この言葉を聞いて、ユキトも何か悟る所があった様子……。


■いざ実践!!


 そしていよいよユキトの解説デビューとなる試合が開始!! 今宵ユキトの相方として実況を務めるのはコガミナさんこと古枯こがらし美奈さん。演歌歌手みたいで名前かっこいいな……。

 1回戦、注目の対戦カードは大阪ウメダーズ・小堀慎五郎札幌ベアライズ・八木倉四五郎北陸ビスケッツ・金時勝、そして福岡ファンキース・須崎ヒロト。格闘倶楽部はなんとなく九州のイメージがあったんで福岡なのはなんか納得。これで残る未登場チームはドリブンズパイレーツの2つか。


「城丸さん 気になる選手はいますか?」
「金時勝ですね!」


 ビスケッツから出場したのが金時さんだったのはユキトにとって好都合。なんせ選考大会では最後の最後まで鎬を削った間柄である。酒場で殴り合った思い出卓上での金時の強みと、喋るネタには事欠かない。

 そしてベアライズのヤギー八木倉さんも、ユキトが初めて観戦したMピークの試合に出ていた選手。彼の豪快な打ち筋を見て「麻雀プロってかっこいい」と認識を改めたという話は、デビューしたての新人Mピーカーが語るエピソードとしてもバッチリだ。


 さて、卓上では八木倉のリーチを小堀がヤミテンで仕留めて2600点の和了。「リーチかけておけばと小堀は今頃思っているでしょうか?」というコガミナさんからの問いに、ユキトは小堀さんからかけられた禁を犯しその思考を語ってみせる。


『「ヒャッハーとりダマでリーチ蹴れてラッキー♡」 



「この調子なら今夜のトップはチョロいぜ!」



 って思ってますよ』


 小堀さんがただの嫌な奴にしか聞こえない悪意(愛かもしれない)溢れる解説だが、まぁ取材に行ったハナから解説拒否されるという御無礼を被っているのでおあいこといった所だろう。ただ、肝心のウメダーズ控え室の反応が気になる所だけれど……。


「いいぞ城丸! もっと言えー!」



 怒るどころか喝采を送る西川さん!! そして笑っちゃってる南原さんに「やるじゃない」みたいな顔で見守っているシルクさん。


 ……おいユキト!! お前「いけすかない奴しかいないのか」とか言ってたけど、メチャクチャ感じ良いぞこのチーム!!


■ナイスアシスト&シュート!!


 そんなこんなで1試合目もオーラス。「今夜はチョロい♡」と言ってた(言ってない)小堀がトップ目ではあるものの、点数状況としては全員がトップを狙える位置である。


 そんな中、4巡目にカンチャンでテンパイを入れたのはファンキース・ヒロト。そしてこれを即リーチ!!


「ヒョオ!! 即リーチなんだ!! これはカッコいいですよォ!!」


 思わずテンションが上がるユキト。そしてそれを見逃さない仕事人・コガミナがすかさず合いの手を入れる!!


「くわしくお願いします!!」



 自分ならリーチ判断を迷った挙句、結局ヤミテンにしてるだろうと語るユキト。リーチすればトップ確定の手になるが、それでも待ちは愚形。ヤミでも直撃やツモならば逆転、巡目の早さを頼りに手替わりを待ってもいい……リーチをかけない理由がこれだけある状況下で、それでも即リーチに行ける。自分には真似できないヒロトの打ち筋を見て、ユキトは「カッコいい」と言ったのであった。


 ……と、いうユキトの解説の見事さもさることながら、「ここを掘れば良い解説が引き出せる!!」と即座に判断したコガミナさんのアシストも巧妙に描写されているのがニクい!! 選手だけではなく、実況・解説の名プレーがあっての麻雀番組ということですな。


 ……そんなコガミナさんとユキトの連携プレーに呼応してか、ヒロトはこのリーチを一発ツモ!! 福岡ファンキースの逆転トップで1試合目は終了となった。


「いやあ なんていうか」


「麻雀って いいっスね!」



 白熱した1戦目、あまりの熱さに感無量、もはや気が利いた言葉も出なくなっているユキト。しかし、そんな彼に対するコガミナさんのリアクションは……。



グッ!!



 どんな言葉よりも雄弁な、称賛のサムズアップだった。




■気になる次の試合は……!?


 2戦目が始まる前のCMタイム。トイレに向かうユキトの目に入ったのは、何やら様子がおかしいビスケッツ・鳴山メルコ……!! そう、彼女は次の試合がデビュー戦なのだ。

 さぁユキト、彼女を救えるのは開幕チョンボをやらかした君しかいない!! なんかこう……上手いことやって、メルコちゃんの緊張をほぐしてやってくれ!! それから2戦目のカードはVSシルクさん・高宮さん(仮)、そして黒沢さん(仮)が良いな!!


 そんな気になる次回も、お楽しみに!!





■ところで。



 こんな内容盛り沢山の回を落としかけながらもきっちり間に合わせたってマジすか!? ウヒョ助先生はやっぱ天才なんじゃ……!!


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