素人が源氏物語を読む~葵04~:満ちたら欠けてゆく月
葵上の死後、服喪期間中の光源氏は、喪失感から抜け出せない様子です。自分の死後に誰か美しいひとがこんなふうに悲しんでくれたら、という読者のファンタジーを満たして余りあります。でも、そんなに悲しむほど、好きだったの? という疑問を禁じ得ません。
◆素人読者の期待光源氏って、火葬が済んだら帰り道に淋しげな風情でアピールしてワンナイトかましちゃうくらいの、チャラい男なんじゃなかったっけ? そんなに悲しむなんて意外だし、やや不審にすら見える。そんな見立てが失礼なのか名誉なのかも、平安