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近所の落語会に行った感想(辛口)


さて、近所で落語会があったので行ってきました。

私はカネを払って見てきたエンタメに関してはボロクソにストレートに感想を言いますので、そういうのが苦手な方は読まない方がいいかもしれません。

では、辛口コメント、レッツらゴー!


三遊亭こと馬 「やかん」

前座のこと馬さんという女性の落語家、つまらなすぎて、ほぼ寝ていました。

落語にしろ講談にしろ、寄席にしろ落語会にしろ、この「前座の話を聞かなきゃいけない時間」が超絶苦痛です。

「まだまだだけど、一生懸命でいいね!」なんて思って聞けるのは10人に1人もおらず、ただただ退屈な時間が続き、前座噺というのは限られているので当然知っている噺も多く、「ああ、これ、最後の風呂屋のくだりまでやるのか・・・(堀之内)」とか思うと最初からガックリします。

このシステムが変わることはないでしょうが、カネを払って楽しみに来ている客を楽しませるためのエンタメで、最初に誰だかわからんつまらん人を出すってのはどうなんでしょうね?

春風亭昇太とか一之輔とか宮治の会だと、最初はそれぞれの師匠が私服で出てきて軽くフリートークするとかってことをやってますが、絶対にそっちの方がいいと思います。

正直、私なんかは「つまらない前座、二つ目の話なんて一切いらん」って思いますが、それだと若手が人前で修行する機会がなくなり、「誰でも受け入れて伝統芸能として育てていく」というシステム自体は良いものだと思いますので我慢はしますが、もうちょいアレコレを変えていくことを考えてもいいかもしれません。

とにかく、前座は3分以内で終える、とか。

私は笑いのセンスとか話芸のセンスなんてのは、どこかで大幅に上達することなんてなく、ほぼほぼ才能だと思ってます。

先日、抜擢で真打ち昇進した林家つる子も10年くらい前の前座の頃から何度か見てますが、”私は”全く上手いと思いません。

「明るくて元気」ってのは良い持ち味なので、寄席の中の1つの持ち場としては良いでしょうが、面白いことを言えるわけでもなく、情緒のある聞き入ることのできる話を出来るわけでもない。

なので、なんで、十分話を聞かせられる柳亭市童さんとかを抜かして抜擢されたのか全く意味がわかりません。

まあ、落語協会は時々わけのわからない抜擢真打ちをやるので、その伝統に則っているのかも知れませんね。意味不明ですが。

話が長くなりました。

まあ、若手にも勉強の機会を与えて成長を促すってこと込みでやっている世界だからしょうがないんだけど、前座の話、退屈なものは退屈です。しかも、滑舌悪く声も出てなくて、将来は極めて不安である。

落語会や寄席では、前座さんが太鼓を叩いたり、めくりを返したり、最後に幕が下りる間に「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとーございーーます!!」とかってことをクソデカボイスで叫ぶ仕事とかあるんですが、それも声が小さすぎて一番前の席で聞いていた私にすら聞こえないレベルでした。

蚊か?

話の上手い下手はともかく、でかい声くらい出せるだろうが、ボケ!ってことを思いましたが、紳士なので言いません(にっこり)。

たとえば、浪曲の玉川太福の弟子の玉川わ太(わだい)という前座さんは、声が素晴らしく大きく通り、話も上手いので買ってますが、エンタメの世界というのは恐ろしく冷酷です。

才能のありなしが全部見えてしまう。

この批判的コメントを無化するくらいに成長してください。


蝶花楼桃花 「ピーチボーイ」 

小朝の弟子で美人落語家ということで有名で、笑点メンバー候補にも毎回名前が出てくる期待の新人というふれこみ。

初めて聞きましたが、この数年で聞いた落語・講談・浪曲の中で圧倒的につまらない高座でした。

枕もつまらないし、「ピーチボーイ」という桃太郎のお話を下敷きにした小朝が作ったらしい新作落語が、まあ考えられないほど絶望的につまらない。

枕の世間話もウケ狙いの用意してきたものを話すだけの見え見えのトークで、マジで死ぬほどつまらなかった。

「話はつまらないけど、見ているだけでニッコリするレベルの美形」というわけでも全くないし、途中からイライラするレベルで退屈。

何でカネを払ってわざわざ詰まらない話を聞かなければならないのか?

1ヶ月連続ネタおろしの会とか、女流落語家だけの会を催したりと、精力的に動いているのは評価しますが、とにかく面白さが皆無であるので、もう2度と聞きたいとは思えない。

しょうもない1ミリも面白くない仕込んできた笑い話とか、クソしょうもない新作落語とかやめて、力のある古典落語を心を込めて演じる方向に行った方がいいと思います。

新作落語を否定する気はありませんが、古典落語というのは膨大な時間と歴史に流されながらも消えずに残った強度がある物語なわけです。

お話自体に力があるから、話者に力がないとしても、話が話を成立させてくれる。

笑いのセンスが1ミリもないのに「落語家だから」ってことで、クッソつまらない見え見えのクソ寒い仕込んできたネタとか振ってくる落語家はメチャクチャいますが、ほんと寒いです。

それで笑ってくれるおじいちゃんおばあちゃんがいることと、「だからやる」ってことの意義も否定するわけではありませんが、70歳、80歳までを見据えて良い落語家になることを考えるのならば、そんな付け焼き刃の寒いアレコレをやるのはやめたほうがいいと思いますねえ。マジでクッソ寒い。

笑いのセンスがない人に笑いのセンスがつくことはないので、林家つる子みたいに笑いを取りに行かず「楽しかった話、面白かった話」を枕でするスタイルの方が全然良いと思ってます。


柳家喬太郎 品川心中

大好きな落語家の1人だけど、記録見るとなんと直接聞くのは丸2年ぶり。

私は、柳家喬太郎、桃月庵白酒、柳家三三、春風亭一之輔の4人が大好きで、俺的四天王として、10年、20年、30年と、ジジイになるまで長い間一緒に時を過ごしていきたいと思っているくらい好きです。

が、去年は神田伯山を追いかけ続けていたのでご無沙汰でした。

「品川心中」という古典をやったんだけど、やっぱり、面白い落語家は面白いし、上手い落語家は上手いとしか言いようがないですね。

前座、桃花と、イライラするくらいに退屈だったので、「これは俺の今日のメンタルに問題があるのか・・・?」って思うくらいでしたが、喬太郎さんの話を聞いて笑って「いや、つまらねえ話を聞かされていたからイライラしていただけだw」って理解しました。

喬太郎の演じる女も子供も大好きだ♪

三遊亭兼好 「大安売り」

上手いんだけど、前に行った会の時に、枕でした自民党批判話が極めて不快だったので、以降敬遠していました。4年ぶりですね。

別に自民党の支持者じゃないけど、根拠を持って押してる政策までひっくるめて否定されて反対派の客と一緒に嘲笑されるとめちゃくちゃ腹が立つし、自民党は与党であり多数決で日本の大半の人が支持しているわけだから、それを枕で批判するのは客いじりとしても全くもって得策ではないですね。

前もエンタメと政治の話についての記事を書きましたが、エンタメをやる人は政治的な話題はしない方が良い派です。

「私も、あと20年、30年、一生懸命精進して人間国宝を取れるような落語家になって行きたいと思ってます。ま、この中の何人が見れるかわかりませんがw」とかっていうブラックジョークはほとんど全員が笑えますが、明確に分断を生むような政治的な話を枕で振るのはホントにやめた方がいい。

というわけで、やっぱりこの人は面白いし、話も上手い。相撲好きらしく相撲のネタを振ったあとに「大安売り」という相撲のお話。

素晴らしく面白かった。敵を作る枕を振るのはやめて、楽しくやってください、また行きます♡


三遊亭小遊三 「引っ越しの夢」

笑点メンバーでおなじみですね。ずっと笑点メンバーの話をして、「引越しの夢」というネタでしめたわけですが、昔よく言われていた「笑点メンバーは落語が下手」と言われる最後の世代になるでしょうかね。

今のメンバーの春風亭昇太、春風亭一之輔、桂宮治は抜群にトークも落語も上手いし、林家たい平も、まあ合格点取れるくらいには上手い。

以下省略・・・ですが、「近所に笑点メンバーが来るから、落語でも行って見るか!」って思った場合、昇太、一之輔、宮治がいる会にしてください。

それで「合わない」ってなったらしょうがないですが、それ以外のメンバーは、テレビに出ている笑点メンバーだとしても、マジで全然面白くない名前だけ売れている人の可能性がめちゃくちゃあります。

東大出て気象予報士の資格持ってるってことでテレビによく出る春風亭昇吉の落語とか、「〇〇地獄」の1つに入れてもいいくらいつまらないですから。

笑点メンバーとか、昔ちょっとテレビで売れた落語家とかだと、ずっとその過去の栄華の話をし続ける人はそこそこいますが、クッソ寒いです。

「だから何?」としか言いようがない。

お前が昔売れていたとかどうとか何の興味もないし、「いま面白い話をしろよ」以外に言うことはない。

私は落語は大好きで、色んな人に聞いて欲しい知ってほしいと思ってますが、常に、最初に聞くんなら、

柳家喬太郎
柳屋三三
桃月庵白酒
春風亭一之輔
桂宮治
神田伯山
玉川太福

あたりのうち、2人以上出ている会に行ってね♪ ってことを言ってます。他にも素敵な落語家・講談師・浪曲師はいますが、上に挙げた人を聞いてはまらなかったら、落語等、古典芸能のエンタメには縁がなかったと断言しても良いと思っていますので。

喬太郎と三三と一之輔の落語を聞いてはまらなかったけど、志らくの落語を聞いてはまったって人は、まあいないとは言いませんが、極めて少数派でしょう。

いや、いる? そんな人w

というわけで、辛口多目で語りましたが、喬太郎と兼好師匠は最高でした♡

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