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ガマンの先の勝利、優勝決定。静岡戦

2023年10月1日、鴨川市陸上競技場を会場に、
2023なでしこリーグ1部第21節
オルカ鴨川FCvs静岡SSUボニータの試合が、
13時キックオフで開催されました。


優勝戦線異状アリ

前提の話なんで、面倒な方は飛ばしてください。
前回のオルカの記事で、優勝は最終戦まで縺れるかもしれないと書きました。ところが、そこから状況は大きく変わりました。

なでしこリーグ公式HPからスクショ

こちらが、19節の全試合終了時点。
鴨川、ニッパツ、名古屋、伊賀、世田谷の5チームに優勝の可能性が残っていましたが・・・。

20節は、この5チームの運命を大きく変えました。
首位のオルカ鴨川FCは、アウェーで愛媛に勝利。相手のビルドアップを絡め取った先制点といい、無失点でシュート5本に抑えた守備といい、野田監督の采配に選手が応えた会心の試合でした。
3位名古屋は、最下位の大和にロスタイムで追い着かれ痛恨のドロー。
2位ニッパツは、7位日体大との横浜ダービー。日体大は毎年そうなんですが、教育実習やら何やらで突然強くなったり弱くなったりする印象があります。この日は時折やって来る鬼強い日体大が6ゴールを奪い、圧勝。長野県出身選手の北沢明未選手がハットトリック、鈴木陽選手と11ゴールで並びました。ニッパツにとっては得失点差も大きく削られる痛恨の試合。
そして、日曜日に行われた5位世田谷と4位伊賀の試合はスコアレスドロー。
この結果、20節終了時点では
①鴨川(勝ち点40、差+19)〇〇△△〇
②ニッパツ(勝ち点36、差+8)××〇△×
③名古屋(勝ち点35、差+10)×△×〇△
④伊賀(勝ち点34、差+15)×〇〇×△
⑤世田谷(勝ち点32、差+14)×〇〇〇△
残り2試合の為、世田谷はここで優勝の可能性が消滅。
鴨川は、次の試合に勝って勝ち点を43にした時点で自力優勝。引き分け以下の場合は他会場の結果に拠って、21節の優勝が決まる場合もあります。

第21節、唯一の土曜の試合はニッパツと名古屋の2位3位対決。
1-1の前半ロスタイムに、昨年10ゴールを決めた名古屋の山田選手が、今シーズン初ゴール(ケガなのか、今年はリザーブ外も多かった)をヘディングで決めてこれが決勝点。ニッパツにとっては痛恨の連敗。
①鴨川(勝ち点40、差+19)
②名古屋(勝ち点38、差+11)21節消化
③ニッパツ(勝ち点36、差+7)21節消化
④伊賀(勝ち点34、差+15)
⑤世田谷(勝ち点32、差+14)
2位と3位が入れ替わり。ニッパツにとっては日曜の結果次第で4位まで下がる可能性+世田谷に勝ち点1差に詰められる可能性も。
首位のオルカ鴨川FCにとっては、日曜日勝てば優勝の条件は変わらないままですが、もし引き分けでも、名古屋との得失点差8をひっくり返される大敗を最終節にしない限りは優勝という、かなり有利な立場になりました。

試合前

試合2時間45分前

この第21節が、鴨川にとってはホーム最終戦。
最終節はアウェー高崎、そして皇后杯は鴨川開催が無いので、私が今年5回目となる鴨川市陸上競技場までの道程を走るのも、これが最後。道中、地元の秋祭りで大きな山車が車道を通っていて、そんな季節だなあと実感。気温はその時点で30℃近かったですが笑

この旗も、本日が見納め。来年は新ユニフォームの旗が作られるでしょう。これ売りに出してくれないかな笑

スタグル・売店

ほとんどの試合で何かしらお世話になった「みっこちゃんのおそうざい」さんも、今年はこれが最後の出店。お弁当、唐揚げ、フランクフルト。スタンドから階段降りてすぐの場所にあり、ほとんど待ち時間なく買えるのも有難いお店です。女子サカマガの石井さんも来店のようでした。

横断幕貼りの手伝いも、ホームではこれが最後。遅刻した時は手伝えずすいません・・・。鈴木陽選手を含む何枚かは、メインスタンドから下げる用に選ばれたのでこちらには付けませんでした。

10周年記念キャラ「オルルン」が初ファンサ?で場外に。
老若男女問わず&選手達にも大人気でした。

勿論、選手たちも人気。
売店前にいた選手の皆さん(今シーズンはケガ人が多かった・・・)と、2度目に立ち寄った時にちょうど外に出ていた関口選手と松尾菜月選手を撮らせていただきました。ありがとうございました。

アップ前の浦島選手と鈴木陽選手。

みっこちゃん(略)で買ってきた、豚鶏丼と書いて「トンチキ丼」。豚カルビと唐揚げがセット。
ちなみにこの日は、公式記録の気温33.5℃(WBGT29.2℃)。前回ホームの記録31.2℃(WBGT29.3℃)は完全にダウト(体感35℃くらいあった)としても、この日も風はあるものの10月なのに日差しが強くて、足が日焼けしました・・・。

オルカ鴨川FCの応援コールリーダー(コルリ)を務めているしなぴーさんから、スタンドの皆さんに挨拶と応援参加のお願い。
練習中には、静岡のコルリさんから、鴨川の皆さんへの挨拶と「僕たちも残留を賭けて戦ってます!」という言葉。静岡は現在11位。勝てば残留が確定という状況でした。開幕から何試合か静岡の試合動画を見て、結構内容が良く昇格初年度でも大丈夫そうだなと思ってましたが、ここまで苦労しているのは正直意外でした。

練習

986人のスタンドの声援に迎えられ、両チーム練習開始。

入場

オルルンと、毎試合盛り上げてくれている「ORCAS☆CHEER」によるダンスパフォーマンス。

エスコートキッズと共に、両チーム選手が入場。

風は強め。前半は静岡が風上に。

優勝と残留、それぞれの負けられない思いを秘めた90分が始まります。

試合

前半

前半は風上の静岡が押し気味で推移。
鴨川はシュート5本、コーナー0本。静岡はシュート10本、コーナー4本。
連続コーナーも含め、鴨川陣内のサイドやゴール前での攻防が多く、鴨川はカウンターに活路を見出したいものの鈴木陽選手になかなか繋げない状況。そんな中、鈴木陽選手が右サイド前目に移動してボールを受けた時にチャンスを作れているように感じました。

ハーフタイム

浦島選手がハーフタイム練習を早めに切り上げて姿を消したので、後半から出場なのかなとは思いました。

ハーフタイム練習中には、オルカ鴨川FCと親交がある葛飾区立保田しおさい学校の皆さんによるソーラン節パフォーマンス。

近藤選手に代わって、浦島選手。
そのまま近藤選手がいたFWのポジションに。

後半

76分。右サイドの珍しい鈴木陽選手のスローインから、左に展開→更に右にボールが戻り、フリーだった高村選手がゴール前にクロス。

鈴木陽選手が触る前に静岡GKがパンチングで難を逃れましたが・・・

こぼれ球を浦島選手がボレーシュート!
これが決まって、遂にオルカ鴨川FCが先制しました。

オルカ鴨川FCに2017年入団、今年で7年目。
奇しくも背番号と同じ所属年数になった今シーズン、シーズン中盤での負傷が尾を引き、その後は欠場や途中出場が多くなりました。入団以降ほぼずっと主力でチームを引っ張ってきた浦島選手にとっては辛い時間だったと思います。それでも、ずっと首位戦線で戦い続けてきたチームに、優勝がかかった試合でのゴール。後日中継見返すと、実況さんも含めゴールの瞬間は音割れるくらいの大歓声。皆が待っていた先制点、そしてキャプテン”シマ”のゴールでした。

ところが、残留が掛かっている静岡もキックオフ直後から攻撃の圧を強め、最後はゴール前で出たパスに走り込んだ静岡FW小池選手を鴨川のMF河野選手が倒したとしてPKに。写真で撮ってた限りはPKには見えませんでしたが・・・。
直後に小池選手が交代する時の場内アナウンスさんの声が、先程のゴールの時とは真逆にテンションだだ下がりで面白いです笑。

しかし、このPKは枠の上に。GK田谷選手のガッツポーズと共に、場内はさっきのゴールを上回る大歓声。現場にいた私も耳痛くなるほどでした。

後半ロスタイムは4分。PKもあったし3分か4分だろうなとは思ってましたが、長く、そして名残惜しくもある4分でした。

ロスタイムには、高塚選手との交代で古舘選手がピッチに。
2019年シーズンまでは長野にいた選手で、鈴木陽選手と仲も良く、長野時代から応援していた選手。
2022年は全く出場が無く心配していたら、シーズン終了後に古舘選手のSNSで、難病にかかり9ヶ月も練習に合流できなかったと報告がありました。
今シーズンは復帰し、開幕2戦目でゴールを決めたり、時にはボランチ、シーズン中盤からはFWも務めたり、様々なポジションでチームに貢献してきました。

勢い余って浦島キャプテンに警告。

舞台裏も含め、上記女子サカマガさんの記事も詳細に書かれていますので、併せてご覧ください。

公式ライブ配信では、試合終了から表彰、ホーム最終戦セレモニーまで全てが中継されていました。アーカイブでその様子を見ることが出来ます。
(動画は試合終了のホイッスルから開始する設定です)

試合終了

整列・合流

試合終了挨拶の後、スタッフ・リザーブ組が合流しバックスタンドへ。

バックスタンド挨拶

リザーブ外だった選手も合流し、メインスタンドへ。
映像見てれば分かる事なので敢えて書きますが、残念ながら、主力級の選手が何人か不在でした。オルカ鴨川FCはケガ人情報や退団情報をシーズン中はほとんど出さないので、どうしてなのかは分かりませんが・・・。
昨年のチーム得点王、今年も開幕戦や名古屋との上位決戦など大舞台でゴールを決めてきたFW兼重紗里選手。
ホームのハリマ戦、後半ロスタイムに決勝ゴールを豪快に決め、実況さんから「鴨川劇場ぉー!」の名言も引き出したハンナ・ディアス選手。
浦島選手離脱時はキャプテンマークも巻き、最終ラインを支えた児玉耀選手。
事情は分かりませんが、この優勝に多大な貢献をした選手たち。この場で歓喜の瞬間を迎えて欲しかった・・・。
そして、普段から運営を支え下部組織BUとしても活動する国際武道大学女子サッカー部も、この日はアウェーの試合があり不在。この辺みんな揃ってればなあ・・・。ってのは贅沢なのか。

メインスタンド挨拶

インタビュー

先ずは野田監督のインタビュー。

2番手は鈴木陽選手。

3番手、齊藤彩花選手。

4番手、山田優衣選手。

〆は田谷春海選手。

鴨川市長挨拶

代表して、一番右の鴨川市長が挨拶。
中央は勝浦市長、左は館山市長。

「もう、鴨川のオルカ、オルカ鴨川ではありません。県南の、千葉県の、日本の、オルカ鴨川です」という鴨川市長の言葉がありましたが、この日来賓として来られた千葉県南部の3市を筆頭に、今年のホーム開催をそれぞれ1試合開催してくれた袖ケ浦市、千葉市、市原市(開催順)も含め、多くの自治体の支援があり、それに応える10年目の結実だったと思います。

表彰式

市長インタビューの後、試合前と同じようにダンスを披露してくれたORCAS☆CHEERが出迎える中、選手が表彰台へ。

野田監督、ズッコケかけて何とか踏み止まった笑

基本背番号順で、記念品を受け取る3選手だけ最後に入場。

相変わらず不揃いの(個性を表現?)優勝メダルを、一般社団法人日本女子サッカーリーグの髙田春奈理事長が選手に贈呈。

前半ゲームキャプテンを務めた山幡選手が表彰状受け取り。

チーム内得点王の鈴木陽選手が強化費400万円受け取り。

そして、今のオルカ鴨川FCを象徴する存在とも言える浦島キャプテンに優勝トロフィーが手渡されました。

金色のテープと、オルカブルーのテープ。
少ないように見えるのは、試合前後ずっと吹いていた強い風(画面右から左)の影響で、左の発射台から出たテープは全て誰もいない場所に飛んでいってしまったからです。実質半分。

野田監督のトロフィー上げは、照れもあってタイミングが合わずやや不発。

妹にテープを巻き付けるお姉ちゃん。

齊藤選手もトロフィー上げ。

優勝記念Tシャツを着て、記念撮影。
後で知ったのですが、このTシャツは式典終了後にオルカ横丁のグッズ売り場で少量販売され、先に退場した方々によってあっという間に売り切れたそうです。後日通販に出る予定もあるそうなので、そちら待ちかな。

サインボール投げ

表彰式に続いて、サインボール投げ。
場内アナウンスさんから「ボールが軽く思ったより飛ばないので、元気な選手はスタンドに上がってください」と促され、半分くらいの選手がメインスタンドに。鴨陸はスタンドとピッチ、スタンド上部と下部の高低差が大きいので、上の方に座ってる人が取れないのと席を動かれると危険なのを配慮してのことだと思います。
私の足元には、横の方から争奪戦を免れ転がってきたボールが。山幡選手のサインボール。後ろにいたお子さんたちでボールをゲットできた子とできなかった子がいたので、その子たちにプレゼントしました。こういうのはお子さんや地元の人優先でいいかなと私は思っているので。大人はお金や時間を掛けてサインをゲットしてください笑

胴上げ

野田監督を胴上げ。
(式典中は席を動かないようアナウンスがあったので、自席からの撮影で手すりが入ってます)

浦島キャプテンを胴上げ。

亀田会長を胴上げ。

北本綾子GMを胴上げ。
オルカ鴨川FC創立時からの尽力者であり、初代監督(選手も兼任)。選手として2年、監督として4年チームを支え、その後はGM。現在は一般社団法人日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ運営団体)理事も務められています。

ホーム最終戦セレモニー

ホーム開催はこの日が最後。浦島キャプテンから挨拶。

亀田翠香会長からの挨拶。
女子サカマガにも書かれている通り「WEリーグ参入も視野に入れながら」という言葉がありました。成績は優勝も含め申し分なし。一番のネックはスタジアムかなあ。鴨川市陸上競技場は2019年の台風被害のダメージがまだ残っている上に、夜間照明がない。スタンドも約1,000席では厳しい。隣接するサッカー場は夜間照明はあるけどスタンドがない。山の中にデーンとコンパクトなスタジアムが出来れば理想だけど、鴨陸を修理することも間に合ってないのを見ると厳しいかな・・・。
いち地方都市である鴨川市でのオルカ鴨川FCの挑戦や、年齢層が幅広いサポーターを見ていると、昔の長野を思い出します。そして長野も、JFLで優勝しながらスタジアムの問題で昇格(当時はJ2)が認められず。新しく長野Uスタジアムが完成しJ3参入が認められてからは成績が振るわず門番と化しています泣。女子チームは新スタジアムのお披露目が女子代表の試合だったこともあり、2015年の2部優勝、2016年は昇格初年度で3位&入場者数トップと大躍進を果たしました。当時のパルセイロレディースの本田監督、今回のオルカ鴨川FCの野田監督、共に首都東京の日テレ・ベレーザを源流とするお二人が地方都市で監督として花を咲かせたというのも面白いところです。

セレモニー終了後

普段は閉められているスタンド横の階段を通り、セレモニーに残っていた観客はピッチ側へ。約800人ほど残っていたそうですが、全員が選手・スタッフ・下部組織のオルカ鴨川BU U-15・オルルン・チアの子たちとハイタッチで退場。さすがに時間掛かってました笑。日中は暑かったこの日の鴨川も、この時間になると秋の空と共に爽やかな風と夕暮れが。

どうせ京葉道路もアクアラインも渋滞してるので、出待ちまで。
高塚選手、鈴木陽選手、浦島選手、松尾美月選手、田谷選手、ありがとうございました。
優勝して嬉しいのと、今年は鴨川これが最後という寂しさ。
せっかくだから最後に美味しいもの食べて帰ろう!と思い、17時から開店しているお店を見つけ向かったら・・・。なんと駐車場で、朝見掛けたお祭りの山車がワッショイしてる笑。数十人が祭り装束で楽しんでいて駐車場には入れない・・・。仕方ないなと思いながら、渋滞覚悟でアクアライン経由で長野までゆっくり6時間ドライブ。何とかその日の内に帰宅出来ました。

最終節のご案内

以下画像は全てなでしこリーグ公式HPからのスクショ

最終節は、6試合全てが月曜日(休日、スポーツの日)13時開催。
秋の行楽にいかがでしょうか。最終戦なので、様々なイベントが期待できますよ。
オルカ鴨川FCはアウェー群馬県高崎市で、開幕戦の相手バニーズ群馬FCホワイトスターとの試合。

そして、21節終了時点でのなでしこ1部順位表と得点ランク。両方とも2位以下は大混戦。
オルカの優勝は決まったものの、2位から5位はそれぞれ勝ち点1差。他会場の結果次第ですが、得失点差のプラスが大きい世田谷が準優勝まで上がる可能性も残っています。降格争いは、2部でアカデミーの準優勝以上が確定したことにより、昇格⇔降格は1枠になりそうです。プレーオフの有無は、宮崎の最終順位次第。宮崎が優勝を決めれば、プレーオフなしで自動昇格となると思います。
1部得点ランクは神谷選手が抜けているものの、北沢選手が20節のハットトリックで一気に順位を上げたように、まだ逆転も有り得る状況。12ゴールの片山選手、11ゴールで並ぶ4選手の得点も注目です。

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