最近の記事

映画「ルックバック」における方角について

映画の「ルックバック」を観てきました。 以下、ネタバレを含む感想です。 単行本の『ルックバック』は事前に読んでいたのですが、映画版がそれと全く同じストーリーなのか、別物かは全く知らないまま観てきました。 作者の方がどこまで意識しておられるのか分からず、私の勝手な思い違いかも知れませんが、感想としては、「方角を大事にしている」作品だと感じました。 なぜそう感じたかというと、次の2つのシーンからです。 (1) 京本が、藤野に「美大に行くから手伝えない」というシーン。 (2)

    • 認知症の方の話し相手としてAIは使われるのか

      将来、AIによる会話機能を用いて、「認知症の方の話し相手としてのAI」という使われ方がなされるのではないかと思う。同じ話を何度繰り返し聞かされても、飽きることなく、適度に返答のバリエーションを変えながら聴き続けるAI(しかも体調の異変にも気付いてくれる)というものがあれば、利用する人(家族)は多いのではないだろうか。 ただ、もしそのようなAIがあっても、もしかすると認知症をかかえた当事者の側に「物足りなさ」「これじゃない感」が出てくるかもしれない。目の前に対話型AI・アンド

      • 雑草の手強さ

        雑草を抜いていると、かわいそうだと思いながらも、したたかだなと感じさせられるときがある。こちらが手で引き抜くと、その力や振動を利用して、種が飛び散る仕組みになっている雑草がある。個としての命はそこで終わっても、自分を攻撃してくる力を利用して種全体を増やそうとしている。

        • AIやアンドロイドが書道を学ぶとどうなる?

          AIによる画像生成が普及している。 私が気になっているのは、「AIは書道を学ぶとどうなるのだろうか」ということだ。 たとえば、AIが書道を学ぶ際に、次の2つのアプローチがあると思う。 ・人間が書いた書の作品(お手本)を画像データ、あるいは(紙の凹凸や墨の浸透を含めた)3Dデータとしてスキャンし、その学習データを元に、いかにも筆で書いたかのような画像データを生成する。 ・AIを搭載したロボットを用意し、そのロボットに筆を持たせて書を書いてみる。目標となるデータ(お手本)に似せ

        映画「ルックバック」における方角について