最近読んだ本(11)|「夜明けの縁をさ迷う人々」 #17
小川洋子の「夜明けの縁をさ迷う人々」を読みました。
彼女の作品には共通して透明感や静寂があり、 読んでいると気持ちが落ち着いてきます。
九つの話が収録されていて、どの話にもなんとも言えない気持ち悪さが漂っています。
なんの変哲もない、ありふれた道を進んでいたはずが、いつの間にやらおかしな路地に迷い込み、気づけば元に戻れないところまで来てしまった、というような感覚になります。
物語はとても静かに、慎重に進んでいくのでどこで道を間違えてしまったのかは気付けません。
読んでいて、どの登場人物にもギリギリこの世に存在していそうな、妙なリアリティがあって「自分が知らないだけでこの世界のどこかには存在しているんじゃないか」という錯覚に陥ってしまいました。
スッと読めてしまうので、今は長編の本を読む体力がないという方にはオススメです。
気になった方は是非読んでみてください。
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