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萩原朔太郎賞、杉本さんに贈呈

 第31回萩原朔太郎賞は杉本真維子さんの詩集「皆神山(みなかみやま)」でした。
 贈呈式が10月28日、群馬県前橋市の前橋文学館で開かれたそうです。萩原朔太郎賞は優れた現代詩を顕彰する賞で、対象は詩集です。主催は前橋市、萩原朔太郎賞の会。
 贈呈式の記事がでていました。

 地元の上毛新聞の記事ですね。
 一部を引用します。

 杉本さんは「大変大きな賞で光栄。懐かしい場所に帰ってきたよう」とスピーチした。約30年前に詩作に苦しみ、活路を得ようと会社員の傍ら通った専門学校で、講師だった萩原館長が杉本さんの詩を評価。「大きな励み、一つの転機となった」と、その後退職して大学へ入り直し、学びを深めたエピソードを披露した。「原点に立ち戻るような新鮮な気持ち」と喜びを表現した。
 贈呈式後の講演では、今後について「物の心に関心がある。命を持たないものの命、心を書きたい」と意欲を語った。

上毛新聞「受賞の杉本さん「大きな賞で光栄」/群馬・前橋市で萩原朔太郎賞贈呈式」

 杉本さんは長野県出身の詩人です。2008年に詩集「袖口の動物」で第58回H氏賞、2015年に詩集「裾花」で第45回高見順賞を受賞しています。
 前橋文学館長との縁を語るところも興味深いですが、講演内容からの「命をもたないものの命、心を書きたい」という言葉が、杉本さんの作品世界を表していて鮮烈です。
 講演の内容、どこかに出ていないものですかね…。

 5人の選考委員を代表して詩人の日和聡子さんが「静かで淡々としながら、容赦ない言葉のありよう。一語一語が濃く、心に打ち付けてくるような力のある詩集」と選評を述べた。

上毛新聞「受賞の杉本さん「大きな賞で光栄」/群馬・前橋市で萩原朔太郎賞贈呈式」

 選考委員の日和聡子さんの「容赦ない言葉のありよう」という評言も刺激的です。
 群馬テレビさんの動画もでていました。

 なお群馬テレビさんでは11月27日19時から、第31回萩原朔太郎賞の特別番組を放映予定だそうです。
 見てみたい。ですが、
 電波、沖縄までとどくはずがない…

 「皆神山」は4月に思潮社から発行された杉本さんの最新詩集で、24編の詩がおさめられています。

 詩集とは関係ありませんが、杉本さんは共同通信の「詩はいま」という時評連載も担当されており、地元紙で毎月、楽しみに拝読しているところでございます。
 取り上げる詩のチョイスや評言が毎度、鮮やかで目が覚める思いで読んでいます。皆さまもぜひご一読ください。

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