【書評】ストーリーとしての競争戦略②
楠木建先生のベストセラーのまとめと感想その2です。前回は競争戦略とは何か、何故ストーリーが必要かを纏めました。今回は競争戦略に必要な要素を纏めていきます。
1.競争戦略のゴールは?
これが最も大事な事です。
競争戦略のゴールは「長期にわたって持続可能な利益を得る事」
です。ここが意外と忘れられてしまう事が多い気がします。例えば低価格戦略を取る事がありますが、この戦略は利益を減らしてしまっては長期的に事業を継続できなくなってしまい意味がありません。やるのであれば低価格戦略ではなく低コスト戦略です。持続可能な利益を出来るだけ長く得ることが最も大事だという事です。
⒉ 競争戦略の三要素
では競争戦略を生み出すのにはどうすれば良いか?ですが、三つの要素(本書では二番目を二つに分けて4枚のお札と表現)で纏めています。その三つとは
①業界の競争構造、②戦略、③ストーリー
です。業界構造や戦略論は普通のマーケティングの本で語られることが多いですが、③のストーリーがこの本のミソです。まずは①と②を纏めてみます。
⒊ 業界の競争構造がベースとなる
まずは①の業界構造です。要は「どこで戦うか」です。利益率の高い業界もあれば低い業界もあるので、業界を選んだ時点で利益が得られやすいかが決まってきます。例えるとハワイに住むか北極に住むかのようなものです。魅力的な業界にいれば利益は得られやすいですが、他の人からも魅力的にみられるので住みにくくなるのが一般的です。まずはどの業界を選択するかがとても大事になってきます。
⒋ 戦略が他社との違いを作る
戦略とは何か?を前回述べましたが、「戦略とは他社との違いを作ること」です。よく会社で語られる目標や組織論、気合いや根性は戦略ではありません。戦略には2種類あります。
(A)ポジショニング (B) 組織能力
この二つが他社との違いを生み出します。ここが競争戦略の基本となるものです。次回はこの二つを考察してみたいと思います。つづく。。。
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