【書評】ストーリーとしての競争戦略④
楠木建先生のベストセラーである「ストーリーとしての競争戦略」を纏めと感想の第4回目です。今回からいよいよストーリーについての話に入っていきます。
前回までは競争戦略の基本について纏めてきました。競争戦略とは「長期にわたって持続可能な利益」がゴールでありその為に①どこで戦うか=業界の競争構造、②他社との違いを作る=戦略、を考えなければなりません。
おそらく古典的なマーケティングであれば戦略にフォーカスするのですが、この本では単に戦略を作るだけでなく、
戦略の中のポジショニングや組織能力を組み合わせてストーリーを作る事が重要
だと強調されています。従来の戦略論は個々の戦略にフォーカスした「静止画」的な戦略論であったのに対してこの本は戦略を組み合わせた「動画的」な競争戦略がこれからは重要になると強調されています。
⒈ ストーリーとは何か?
戦略で語られたポジショニングや組織能力はそれぞれの事業で多かれ少なかれあると思います。模倣性の高い現代では個々の戦略が秀でているだけでは長期的に優位性を保つことは難しく、それぞれを組み合わせてストーリー化する事が必要です。
サッカーに例えると個々の選手が秀でていても得点は決まりません。個々の選手が放つパスがうまく通りシュートが決まることで初めてゴールが決まります。戦略も同様にポジショニングや組織能力が組み合わさり個々の戦略がパスでつながることでゴールに結びつきます。ストーリーとは
個々の戦略をつなぎ合わせてより他社との違いを際立たせマネしずらくするもの
とも言えるのではないでしょうか。
⒉ ストーリーに大切な5つの事
ではストーリーを作る上で何が大切なのでしょうか? 次の5つがあげられています。
①競争優位性
②コンセプト
③構成要素
④クリティカルコア
⑤一貫性
次回はこれらについて個々に見ていく事にしたいと思います。つづく。。。
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