見出し画像

オペラシアターこんにゃく座公演

 オペラシアターこんにゃく座公演を家族で観劇した。オペラ「ルドルフとイッパイアッテナ」である。

 1,000人ほどを収容する宮崎県立芸術劇場の演劇ホールだったが、マイクを使わない生の声だった。声の肌触りがダイレクトに伝わり、登場人物との距離が近くなる。4人の歌い手と1人のピアニストによるオペラだったが、息子は歌っていると思っていなかったようだ。

 4人だけで成立していた合唱は圧巻だった。電柱1本の舞台装置と照明だけで表現された路地裏の世界に引き込まれた。三脚を組み合わせた立体的な足場の舞台で役者さんたちが静止画になるシーンがときどきあるのだが、立ち位置の組み合わせがコンテンポラリーダンスのようで、調和や構図の美しさがあった。

 なによりも、自らを磨いてきた時間と細部まで妥協しなかった自信が伝わってくる「本物」感が役者にあった。たくさん観に来ていた子どもたちに、動きと間だけで笑いを起こす技量の深みに、自分の仕事をふりかえらされるすごみがあった。

 多くの教員と子どもたちに出会わせたい演劇だった。おもしろかったです。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?