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「エモい」という言葉の正体ー社会を映す言葉ー

 まず、前提として、「エモい」とは英語の「emotional」に由来した「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本の俗語、及び若者言葉(wikipediaより)とされています。

 そう、これは最近になって広く許容されたワカモノ言葉なのです。

 実は、エモいという言葉自体は20~30年前から存在していました。ただ、それは限られた分野の中で使われていた言葉であり、広く許容されていたわけではありません。

 なぜ、エモいは、最近になって広く許容されていったのでしょうか?


 エモい音楽、エモい風景、エモい服装、エモい食べ物、そういったものは、昔から存在していました。それは今のワカモノが、昭和に生まれたものにエモさを感じている事からも、分かります。

 つまり、20~30年前のワカモノは、エモい「もの」に対しても、他の言葉を駆使して、自分の感想を述べていたという事です。


 今のワカモノの語彙力、表現力不足は、一つの原因と言えるかもしれませんが、それだけではありません。

 まず、エモい「もの」の多様化です。SNSが普及して、一人の人間が見ることができる範囲は、昔とは比べものにならないくらい拡大しました。世界中のエモいものが、一つのスマートフォンに詰まっているのです。

 自分の感覚とかけ離れすぎて、エモいとしか言うことが出来ない、そんな「もの」が増えたということです。

 次に、ワカモノの多様化です。現代には、様々な人間がいて、各々に夢や価値観があって、それは昔より拡大しました。ある人間の言葉が、ある人間の夢や価値観を侮辱する、そんな可能性が増えたという事です。

 そういう意味で、エモいという言葉は、他人を侮辱することは、ほとんどありません。都合のいい言葉です。


 エモいという言葉が、広く許容されていった理由は、多様性にあるというのが、個人的な見解です。そして、このテーマを最初に選んだ理由は、「多様なモノを認めていく」が、筆者のこのnoteでの、一つのテーマであるからです。


「偏見を持つたびに、人は一つ歳をとる」


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