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ザツダン「生命保険」の【書き起こし版】

会社に来る保険屋さん

営業 今回は生命保険のことを話しましょうかと。
人事 実はうちの母が生命保険のおばちゃんなんだよね。
営業 企業に行って勧誘するやつ?
人事 いえ、生協の保険のおばちゃんなので。
営業 じゃあ個々の家に行くわけ?
人事 そうなんじゃないかな。生協だと共同で食料品とかを買って個人の家に届けるじゃない?そのひとのところに行って「こういう保険入りませんか?」みたいなことをやってるんだと思う。
営業 なるほどね。
人事 よく知らないけど。
営業 私の話をすると、だいたい保険って最初何も入ってないじゃない。
人事 まあね。
営業 自分ではね。学生時代に親が入ってくれてるって場合はあるけど。
人事 あるね。すごいある。
営業 いざ社会人になって企業に入ってもしばらくは何もやってなくて。で、何年かすると会社に来る保険屋さんのひとが。
人事 あー、はいはい。
営業 ムーブがしつこいから。
人事 あるね。ちょうある。
営業 私の場合はまさにそれで。保険屋さんのキャンペーンで「あなたの血管年齢わかります」みたいな。
人事 なるほど。
営業 それをやってみたわけですよ。するとそのまま保険の話になって。当時私は20代の後半だったから、今後でかい病気とかもあり得るわけじゃん。
人事 それくらいになると、ちょっと考えようかなって年齢になるよね。
営業 で、まさに病気けが、入院に備える保険に入った。

年齢を重ねてくると選択肢に入る

人事 だいたいそんな感じだよね。私もそうだけど、若いと生命保険は考えないよね。
営業 そうだよね。むこうとしてはオプションがいろいろあったほうがいいから、いわゆる死亡保険をつけますか?って言われたんだけど「それは別にいいや」って。当時独身だったし。親に残すのも変じゃん。
人事 そりゃそうだ。
営業 だからいらないですって。
人事 ぶっちゃけ親もそれは考えたくないよね。「いやいや俺のほうが絶対に先に死ぬから」って言うでしょ。
営業 「やめろよ」ってなるよね。
人事 絶対そうなる。親に残すのもおかしな話、いや、おかしな話ではないけど、でもふつうはあんまり考えないよね。
営業 そうだよね。で、その保険は今でも続いてる。月5千円かな?
人事 生命保険っていうか、介護保険じゃない?
営業 まさに。月5千円で掛け捨てだね。
人事 年末調整で生命保険料の控除とか申請するじゃない?
営業 はいはい。
人事 あれを見るとさ、どんなひとがどんな生命保険に入っているかっていうのが丸わかりなんだよ。

生命保険に入ると年末に控除できる

営業 生命保険料控除は3種類あるんだよね?
人事 そうですね。
営業 終身保険と、介護保険と、あと年金だっけ?個人年金。
人事 そうね、3種類だね。厳密にいうと、生命保険のなかに、ふつうの生命保険と介護保険があって、それとは別に個人年金保険があるって感じかな。まあ地震保険とかもあるんだけど。まあそれはいいや。
営業 あれは差が出るだろうね。私は当然ほかのひとのは見たことないけど、経理とか人事からするとね。何にもやらないひともいるでしょ?
人事 もちろんです。
営業 いらねーと。
人事 何にも生命保険入らずに白紙のまま出してくるひともいるよ。
営業 むしろかっこいいよね。
人事 そうだね。「私何にも入ってないからこれ出さなくていい?」ってひとはけっこういます。
営業 ああ、あの紙ね。生命保険料を申告するやつ。
人事 実は出さなくてもいいんだけどね。申告する内容がなければ。
営業 あ、そうなんだ。
人事 ただ、会社としては、無いなら無いで無いっていうのを出してほしい。というのは、後から見たときにわからないから。
営業 なるほどね。
人事 税法上は、保険料控除を受けようとする者はこの紙に書いて出せってことになってるから、受けようとしない者は出さなくてもいいんだけど。ただ、後からみた時に、それをちゃんと分かってて、申告する内容が無いから提出していないパターンなのか、単に忘れているだけなのかが分からないから。
営業 なるほどね。
人事 だから少なくとも私は「申告する内容がなくても、申告する内容がないよっていうことを証明するために白紙で提出して」って言ってます。

あの用紙はいつまで手書きなんだ

営業 話変わるけど、あの紙って絶対手書きなの?
人事 いや、別に。
営業 ひょっとして様式が会社によって違う?
人事 いや、様式は一緒です。
営業 じゃあネットでもいいんだ。
人事 ネットでもいいですよ。
営業 知らなかった。絶対手書きだと思ってた。
人事 それもね、話すと長いんですよ。
営業 じゃあ最近ネットOKに変わったんだ?
人事 そうだね。あの様式って毎年10月くらいにその年のものが税務署のホームページに公表されるんですよ。
営業 そうなんだ。
人事 私が人事やり始めた頃は、あの紙は直接最寄りの税務署に行って、もらってたんですよ。
営業 へー、めんどくさ。
人事 税務署に電話してね。
営業 何そのアナログ。
人事 何年くらい前かな?7年くらい前の話ですかね。
営業 へー。
人事 税務署に電話して「この様式もうできてますか?」って。「いや、まだできてないですね。これくらいに公表される予定です」とかって。「取りに行きたいんですけど」っていうと「いいですよ。何部くらい必要ですか」って聞かれるから、「100枚です」とか言うと「あ、わかりました。御社の分まとめて用意しておきます」と。で、チャリで取りに行ってた。
営業 やりとりが昔の日本企業みたいだね。
人事 そうそう、面白いでしょ?
営業 面白い。
人事 そういえばそんなことやってましたわ。

今はpdf入力も可能らしい

営業 それが今やちゃんとデータで公開して、印刷してもいいし、データでやってもいいですと。
人事 そうですね。で、あのデータはね、何年か前から税務署のホームページでアップされるようになってから、毎年毎年少しずつ進化してる。
営業 あ、そうなの?
人事 ちょっと前までは日本語のPDFオンリー。
営業 ほう。
人事 PDFも入力が不可能なPDFオンリーだったんだけど、ちょっと前から入力可能なPDFもアップされるようになった。
営業 苦情があったんだろうね。
人事 かもね。で、ちょっと前から英語版もある。
営業 なるほど。ちゃんと外国人向けにね。
人事 そうそう。で、ちょっと前から英語以外版もある。
営業 へー。
人事 要するに中国語とかポルトガル語とか。ただ、その外国語版のPDFは入力ができないんだよ。
営業 なんでだよ。
人事 まだそこまではいってないんだよね。
営業 じゃあ今年は変わってるかもね。
人事 そうね。「今年こそは」って私は密かに期待してるんだけど。

様式が書きにくくてしょうがない

営業 話変わるついでに、あの様式ってみづらくてしょうがないんだけど。
人事 あー。
営業 もっと何とかできないの?
人事 でもね、担当者からすれば、あれはよくできてるんですよ。
営業 あ、ホントに?まあ、書く欄が少ないとこっちは不安になるからね。こんなに項目いっぱいあるの?みたいな。
人事 申告できることって結構いっぱいあるから。個人的にはあの様式はうまいことまとまってるなとは思う。
営業 あれ、フルで書いてくるひといるの?たとえば生命保険料だったら4行ぐらいかけるじゃん。
人事 あー、はいはい。いますよ。
営業 いるんだ。
人事 ていうか、あれに入り切らないひともいるもの。
営業 それ、どうするの?
人事 別紙に書いてもらう。
営業 同じ様式に2枚目ってこと?
人事 それでもいい。まあ分かればいいんだよ。
営業 そういうことだよね。
人事 ただ、たいていは同じ様式のを2枚目としてくっつけてくるひとが多いかな。
営業 なるほどね。それは目から鱗だったわ。確かに今税務署のホームページ見たらデータがあった。
人事 あるでしょ?
営業 しかもちゃんと入力できるわ。
人事 でしょ?ここ数年は毎年ちょっとずつ進化しているのを実感してますよ。
営業 もっというと、PDFじゃなくて入力フォーマットを配れって話だよね。
人事 そうだね。
営業 で、各従業員がそれに入力してくれでいいじゃん。何もなかったら何も送信しないでいいじゃん。
人事 うーん。実はそういうふうにできることはできるんだけど。いいや、それは話がめちゃくちゃ長くなるからやめる。結論から言うとそっちのほうがかえって面倒くさいからやってないところが多い。
営業 じゃあそれはわかった。いい加減、もうちょっと改善するのを期待してるのよ。毎年同じ数字を書いてるからね。
人事 そうだね。ただ変わらないのであれば、去年のコピーを取っておいてさ。
営業 あー、そっか。そうだね。

そもそも項目がややこしい

人事 あれさあ、ややこしいじゃん。
営業 ややこしい。
人事 ふつうの生命保険と介護保険でそもそも控除の枠が違うじゃない?
営業 そうそう。
人事 あとは、契約している側からすればひとつの保険だと思っていても。
営業 なんか違うんだよね。
人事 そうそう。ひとつの保険でも、金額としては、この部分は生命保険でこの部分は介護保険とか分かれてたりするじゃん。
営業 うん。
人事 それをそれぞれ別にトータルの計算をして、何だったら生命保険料だったら新旧の別もあったりするわけだよ。
営業 あ、そうそう。
人事 それぞれ別に計算式があって、それぞれ別にトータルの額を出して、結局合計でいくらになるね、みたいなことを毎年やるわけじゃん。だから、まあ面倒くさいよね。
営業 本当に面倒臭い。いつも「何だろこれ?」ってなる。
人事 うーん。
営業 ただ私が今払ってる生命保険だと控除はめいっぱいかな。年間6万払ってるから、介護保険の中だけで控除額めいっぱいになるはず。
人事 6万円じゃめいっぱいにならないんじゃない?
営業 あー、3万円くらいか。
人事 めいっぱいになるのは介護保険だと8万円以上だね。介護保険だと上限が8万円以上で、8万円以上は控除額が一律で4万円になるね。
営業 あ、そうだ。3万円くらいっていうのは控除額のほうだ。
人事 なるほど。じゃあやっぱり6万円くらい払ってるはずだね。
営業 そうそう、払ってる。これ、控除っていうのは、給料が上がってレンジが上がってくると当然税金の額も上がってくるわけじゃん。
人事 そうだね。

控除を考えすぎると…

営業 そうすると、控除を増やして税金を圧縮しようって考えるわけじゃん。
人事 うん。
営業 だから、私もそういうことをふまえて保険のことを考えるけど。でも、考えれば考えるほど自分が大ケガすることを前提とするみたいな。
人事 そうだね。
営業 すごい不吉になるよね。「ここで私が入院したら」みたいに考えるから、なんか本末転倒というか。
人事 でもまあ正直な話をすると、生命保険料は確かに生命保険料控除があるけど、金額としては大した額じゃないよ。
営業 うん。
人事 介護保険料だったら8万円以上払ったら一律4万円だし。その4万円がどういうふうに控除されるかって言ったら、所得控除だから。
営業 はいはい。
人事 課税の金額を4万円減らせますよって話なわけですよ。課税される所得の金額をもとに所得税を計算するわけだから、実際に減るのは所得税率をかけた後の4千円とかでしょ。
営業 そう。しかも年間で。
人事 もちろん住民税にも影響してくるので、実際には8千円くらい減税になるけど。でも、年間介護保険料として10万円払っていたとしても、得られる税効果は8千円なわけだよ。だから、そんなにって感じだよね。
営業 いや、ホントそうなの。
人事 だから生命保険に関しては、もちろん控除はあるし、税金は減らせるけど、それは生命保険を考える上ではあんまり優先度高くはないよね。
営業 思ったのは、掛け捨てで払ってると税金はちょっとだけ優遇されるけど、結局病気しなかったらトータルでドブの金だとは思うよね。
人事 そうだね。
営業 それはしょうがないけどね。結果論にすぎないから。安心を買ったぐらいに考えないと。
人事 てか、健康でよかったじゃない。
営業 よかったよかった。年間6万はらって無事故無病気でよかった。そう思うしかないね。

人によってはかなりの保険料を年額払う人も

人事 そうだよね。これは完全にひとの好みなんだけどさ、明らかに払いすぎなひとはいるよね。
営業 あ、やっぱりいるんだ。
人事 いるいる、めちゃくちゃいるよ。
営業 へー。
人事 年間50〜60万払ってるひととがザラにいる。
営業 すごいね、それも。
人事 ていうか50〜60万じゃきかないひともけっこういる。
営業 それは何が多いの?やっぱり死亡保険がめちゃくちゃもらえるの?
人事 うーん、いろんなケースがあるね。ひとり面白いひとがいたんだけど。
営業 ほう。
人事 それは私たちと同じくらいの年齢かな?10年くらい前に、もういいや企業名言っちゃうと、ニッセイの個人年金に入って、同時に介護保険に入ったと。で、5年くらい前に同じくニッセイの生命保険に入ってるひとがいたのよ。
営業 ふんふん。
人事 で、そのひとに「全部ニッセイなんですね」って言ったら、実はそのひとの奥さんのお母さんがニッセイレディなんだと。
営業 なるほど。
人事 奥さんと結婚した10年くらい前にお母さんから勧められて個人年金と介護保険に入ったと。で、5年くらい前に子どもが生まれて「あなたもパパになったんだから生命保険入りなさい」と。そう言われて生命保険に入ったらしい。
営業 そういうのは、なんかまあ、しょうがないよね。付き合いみたいなもんだから。
人事 そうそう、そのひとはまさしくそう言ってた。「もうこれは断れないからさー」って。まあ、別に悪い話じゃないからね。
営業 うん。別に損するわけじゃないしね、終身だったら。
人事 さすがにやっぱりそのひとの人生を考えてのことなので。本当に典型的じゃん。最初から個人年金入ったっていうのは、今となっては最善とは言えないかもしれないけど、その当時としては無難な選択肢じゃん。
営業 うん。
人事 最初は介護保険入って、子ども生まれたから生命保険入るかっていうのは、ニッセイレディとして、妥当で良心的なおススメ方法だよね。
営業 確かに。
人事 そのひとは生命保険と介護保険と個人年金とで、全部それぞれ上額いって、合計で上限の12万円の保険料を控除できてるっていう。
営業 すごいね。
人事 それはある意味効率がいいかなって気がする。
営業 そうね。ある種プロにやってもらってるんだから。お金払っとけばいいや。貯金と変わらないしって。
人事 そうそう。税控除的にも悪くないし。ただまあ、いろいろくっつけてるってひとはよく見るね。
営業 そうだね。
人事 一番多いのはやっぱり学資保険。
営業 あー、はいはい。
人事 それはやっぱりよく見るね。あとは、よく分からないんだけど、外貨建ての生命保険もよくみる。
営業 ああ、私はまさにそれやってる。
人事 あ、そうなんだ。あれ、めちゃくちゃ金額が高いひとがいたりするんだよね。
営業 ああ、高いだろうね。たぶん払込の年数が異様に短いんじゃない?
人事 ああ、なるほどね。一括で100万円とかいるもの。
営業 あー、あるある。全然あるよ。
人事 そうなんだ。じゃあそういうことなんだね。

今の流行りは外貨建て

営業 それこそ、私が入ってる保険は、さっき年間50〜60万で驚いたけど、よくよく考えたら結構払ってるわ。
人事 なんだし。その外貨建てのやつか。
営業 そう。ドル建て積立利率変動型終身保険、まあ終身保険なんだけど。10年間毎月これくらい払ってくださいっていうのがあって、もしそれを払い終わったら10万ドル出ますっていう保険。
人事 なるほど。
営業 別に解約したければ、積立だからそのまま残しておきますって。
人事 払込年数はひとによって変わる?
営業 そうだね、年齢による。
人事 あー、なるほど。無事ミッションコンプリートしたら10万ドルだってことね。
営業 そうそう。ついでに、払い続けてくれてその間にもし何かあったら10万ドルだよって。だから、貯金プラス保険があるって感じ。現時点での手取りは減るけど備えとしてもっておける。貯金よりはマシかなって思って、私はやってる。
人事 そうね。ただ、正直言って、外貨建てというのはどうなんですかね?
営業 やっぱり為替リスクはでかいよ。
人事 だよね。

外貨建ては為替リスクと手数料の問題

営業 毎月決まった日付でレートが換算されるのよ。ドルで請求されるから、むこうが私が払った日本円をドルに変えるんだけど、為替レートがプラス0.5銭取られるのよ。
人事 なるほどね。
営業 それがでかい。1ドル100円だったら、0.5銭って0.5%なわけじゃん。0.5%棄損するってふつうに結構でかいから。しかも毎月ね。
人事 それは確かにでかいね。なるほどね、そういうことなんだな。
営業 そう、だからすでにドルをめっちゃもってるひとだったらアリ。だから、まさに外資でドルで給料もらってるひとにはいいんじゃない?そんなんいるかわかんないけど。
人事 外資でドルで給料もらってるひといるかなあ?
営業 ていうかそもそもそういうことできるの?
人事 日本に支社があったら難しいね。
営業 そういうもんなんだ。
人事 日本に支社があったらドルで払う意味はよく分からない。ていうか怪しい。

給与をドルで貰えれば為替リスクを減らせるが

営業 たとえば、アメリカに家族がいて、アメリカの家族向けの口座にドルでほしいんだっていう従業員がいたら無理?
人事 言いそう。
営業 ありそうじゃん。例えばアメリカ人があなたの会社にいて、相談があるんだけど、サンフランシスコにいる家族あてにドルで払ってくれって言われたらどうするの?
人事 嫌ですっていうけど。
営業 面倒くさいから嫌ですって。
人事 まあそのひとのステータスによるかな。うーん、そうだな。一番現実的なのは、アメリカの本社なり支社なりから、一定額をサンフランシスコの家族あてに送金しますと。で、それを引いた分をあなたの日本の口座に日本円で払いますってするかな。
営業 なるほど。
人事 一番現実的なのはね。日本にいて日本の法人のために仕事をしているひとに対しては、やっぱり日本の税法とか社会保険制度が関わってくるので。
営業 そりゃそうだ。

労働基準法では給与は必ず現金が原則

人事 日本にいる以上、やっぱり日本円で払うべきだよね。細かいことはちゃんと調べてみないとわかんないけど、労働基準法では給料は通貨で払えって言ってるんだよね。
営業 はいはい。
人事 その通貨ってたぶん日本円のことだと思うんだよね。日本の法律だし。
営業 でも、最近のニュースでさ、現金じゃなくて、いわゆる電子マネーとかPayPay的なものでもOKってことにしようって話があるじゃん。
人事 あるね。
営業 それが進んでいったらドルもあり得るよね。
人事 私はあれはおかしいと思うんだよね。
営業 余談ついでに?
人事 そう、余談ついでに。そもそも労働基準法は通貨で払えっていうのが原則なの。
営業 うん。
人事 で、通貨で払えっていうのは、要するに現金で払えってことなんですよ。給料が10万円だったら1万円札10枚で払えっていうのが原則なの。むしろ銀行振込で払うほうが例外なのよ。一般的な感覚と違う。
営業 ほう。
人事 労働基準法は大昔からある法律だからしょうがない。でも、銀行振込でも労働者に不利益ないでしょってことで、本人の同意を取れば例外的に許可される。
営業 はいはい。
人事 それに同意しないひとはまずいないから。たいていは「あなたの指定する口座に給料振り込むけどいいよね?」って言って「もちろんです」で終わり。そういう立て付けになってるから、現金払いが原則で銀行振込が例外っていう扱いなのに、それにさらに電子マネーとかになってくると例外の例外じゃん。
営業 そうだよね。
人事 あとは、発展途上国だと話は別なんだけど、日本の場合は「銀行口座持ってないです」ってひとはいないじゃん。
営業 まあね。
人事 だから、電子マネーで払う意味もあまりないんだよ。

給与が電子マネーになると

営業 反社にはいいんじゃない?
人事 反社会的勢力?
営業 そう。反社会的勢力とかフロント企業とかにはありがたいね。
人事 「ありがてえ、足がつかねえ」みたいな?
営業 そうそう。って、だめじゃん。
人事 だから逆に怪しいんだよ。
営業 なるほどね。
人事 そういう要望が出てくるかなっていうのは、たぶん日雇い?
営業 うーん。
人事 よくあるじゃん。日雇いで学生のバイトを派遣とか仲介してるってところ。そういうところは、日雇いのひとが支社に行って「今までの分払ってください」って言って、Suicaとかでチャージして支払い完了みたいのは需要がありそう。
営業 そうだね。
人事 ただ直雇用で毎月月給払ってますってところは別に必要ないって気がする。ていうか、私は嫌だ。
営業 でもLINEとかはそれでやってるんじゃないかな?全額じゃなくて給与の一部を電子マネーとかで払ってるんじゃないかな?
人事 それはいいのかな。微妙だな。
営業 一応ニュースで見ると労働基準法第24条を改正する議論が進んでるらしい。
人事 はいはい。現金払いの原則ね。
営業 そうそう。
人事 そこを変えることになるだろうね。ただ変えたところで会社はやりたがらないと思いますよ。少なくとも私はやりたくないよ。
営業 これ確かに面倒くさいね。このひとはLINEペイ、このひとはPayPayとかやってたら。

電子マネーだと本人確認できるのか?

人事 そうなの。しかも給料って基本的に本人にしか払えないから、それは本当にお前のかって。
営業 確かに。
人事 そういう話になるのよ。昔あったのは、学生の院生かなんかだったんだけど、日本人じゃなくて日本の大学院に留学してるひとが、バイトで働いてたのね。で、そのひとは銀行口座を持っていないと。
営業 ああそっか。一時的だもんね。
人事 そうそう。だからガールフレンドの銀行口座に払ってくれないかって言われたんだよ。
営業 やばいなそれ。
人事 申し訳ないが給料というのは本人以外には払えないからって断ったけど。でも、それは他に方法がないから、現金で払ったよ。
営業 本来の労働基準法通りに。
人事 そう。給料に関してはそのへんは本当にうるさいんだよね。
営業 だって一番大事だしね。
人事 このへんは色々と判例もあってね。例えば、給料を受け取る権利を借金のカタとして譲渡したひとがいるんだよ。
営業 あー。
人事 で、それが有効かどうかっていう裁判があったんだけど、それは無効になった。なんでかっていったら、労働基準法で本人に全額払えって言ってるから。
営業 労働基準法違反だと。
人事 労働基準法でそう規定している以上仕方がない。ただ、その先は労働者の自由でしょうと。つまり、もらった給料をどうするかは労働者の勝手だから、全額を借金の返済にあてるっていうんなら、それはそれで構わない。でも、その前の、給料全額を労働者に払うというのは労働者保護のために労働基準法で決まっているから、たとえ本人が同意の上で給料を受け取る権利を第三者に譲渡したとしても、それは無効だと。
営業 なるほどね。
人事 そういう判例が出てたりするので。だから本当に本人に直接払わなきゃいけないんだよ。電子マネーはそのへんが曖昧になるから。
営業 そうだなあ。
人事 特にSuicaとかだったらさ。無記名Suicaだったらダメじゃないかな?
営業 無理だろうね。わかんないし。
人事 そうそう。って違う、生命保険の話じゃなかったのか。

外貨建ての為替リスクを予測するのは不可能

営業 そうだった。さっきの話に戻すと、外貨だと、もちろん説明はされるけど、為替リスクは当然あって。
人事 そうだね。
営業 見てると毎月のレートはかなり激しく動いてたわ。この一年くらいで、一番円高で104円、今は円安だから。
人事 今は110円くらいか?
営業 そうそう、110とか。もし為替を予測できるんだったら、一番円高の時に払えばいいけど、そんなん無理じゃん。
人事 そうだね。個人的には為替の予想って一番難しいと思うね。
営業 それできるんだったら保険やってないでFXやったほうがいいから。
人事 ホントだよ。
営業 それで稼いだほうが絶対いい。
人事 何かの本で読んだのは、それはもともと為替トレーダーだったひとが書いた本だったんだけど。
営業 うん。
人事 そのひとは為替、つまりFXが好きなんだって。なんでかっていったら、インサイダーがいないって。
営業 あー、なるほど。確かにそうかもしれない。
人事 ありえないじゃん。株式だったらありえるよ?
営業 あるある。
人事 会社に近いひとが情報をリークして。たとえばこういう決算結果がでるから絶対株価下がるとか上がるとか、そういうのはあり得るけど。為替の場合はそれはありえないじゃん。
営業 友人に日銀とかいたら分からないよ?
人事 まあ確かに。
営業 その人も絶対言わないだろうけど。
人事 でも日銀の政策が確実に円高とか円安とかを誘導できるかっていったら、そうでもないじゃん。
営業 まあそうだね。不透明だもんね。
人事 円を買ったり売ったりして。なんだっけ?買いオペ、売りオペって言う?
営業 はいはい。
人事 それによって本当に為替レートを操作できるわけじゃないじゃん。
営業 まあ理論値にすぎないよね。
人事 ていうか、実際操作できてないし、そもそも操作しちゃいけないって話もあるし。アメリカに怒られちゃうからね。
営業 確かに。
人事 大統領変わったからそんなに言われなくなったけど。ちょっと昔は為替操作してるじゃないかって。
営業 言われてたよね。
人事 だから操作すべきものでもないし、ぶっちゃけ操作もできない。だから、インサイダーがいないから、そういった意味ではすごいフェアなマーケットだから好きだって言ってたけど。それは確かにそうだなって。
営業 うん。
人事 ただ逆に、わかんないよね。
営業 わかんない。私も入ってるけど、トータルでこれが損なのか得なのかは判別しづらいよね。

それでも人気なのは運用利率が日本より期待できるから

人事 そうだね。でも外貨建てってなんか人気だよね。
営業 人気だし、運用でこの%は保証しますよっていうのがあるのよ。でも、それは為替リスクは加味されてない話だから、そこから為替リスク引くとっていうのはあるよね。
人事 ドルはそもそも金利が高いからね。今はそうでもないけど。そこだけでけっこう確保できるっていうのがあるんだろうね。
営業 うーん。
人事 でも、それ以上にドルが安くなっちゃったら意味がないよね。
営業 ないね。
人事 だからわかんないよね。
営業 理想は払っている時は円高、もらうときは円安がいいけど。まあ、そんなものはわかりません。
人事 そうだね。これもなんかで読んだんだけど、大きな流れとしては円高に行くんじゃないかって予想を聞いたことがあるよ。
営業 ほうほう。
人事 なんでかっていったら、これから日本は高齢者しかいなくなるわけじゃん?
営業 うーん。
人事 で、高齢者って資産形成層じゃなくて、資産を取り崩して生活する層でしょ?そういうひとたちが海外に資産を持っていた場合、海外の通貨を売って日本円に変えるわけじゃん?
営業 まあ、そうね。
人事 そうすると、円高の圧力というのは常にあると。
営業 円買いしなきゃいけないからね。
人事 そうそう。だから長いスパンで見たら円高になるかもねって言ってるひとはいるけれども。
営業 まあわかんないよ。
人事 ただそれはアメリカも似たようなことが起こりうるし。
営業 うん。
人事 だからなんとも言えない。ていうか分からん。
営業 ホントに貯金よりはマシくらいなレベルかな。もともと始めたのも家族が増えたってのもあるんだけど、財形やってた金額がある程度まとまったから。
人事 なるほど。
営業 その金額をこっちに移し替えればいいじゃん。どうせ使わないんだしと。
人事 ふんふん。

すぐに使わないお金があるなら高額保険はおすすめ

営業 という考え。だから余剰でやったほうがいいと思った。こういう終身の高い保険はね。
人事 そうだね。いや、いるんですよ。外貨建ての保険にめちゃくちゃお金払ってるひとが。
営業 怖くないのかね?
人事 ホントに100万とか200万とかいるんだよね。
営業 怖いなあ。
人事 いや別にいいんだよ。本人の自由だからさ。ただ、このひと本当に為替リスクとか分かってるのかなって。そういうひとがそういうのやってたりするとちょっと不安。
営業 保険はそういうところが厄介だよね。外貨建てやっちゃうと考えなきゃいけないことがひとつ増えるから。
人事 なるほどね。
営業 ただでさえ保険なんてよく分かんないのに。
人事 まあね。
営業 あとは考えたくないこともあるじゃん。考えると実現しちゃうっていうか、そういうジンクスが。言霊主義じゃないけどさ、そういう厄介な面もあるよね。保険のイメージとしてね。
人事 そうかもね。
営業 私たちぐらいの年代だと保険を考え直すひと、多いんじゃない?家族いるひとは今までみたいに手術や病気に備える保険だけじゃなくて、資産を残す保険もやっておくかとか。あとは、さっき言ってた学資保険ね。
人事 そうね。これは完全に私の個人的な意見だけど、学資保険は悪くないかなって思うね。
営業 何%かもらえるわけでしょ?例えば1%とか。
人事 たぶん。分かんないけどさ、何%とかの運用利回りとかは確保されてるんじゃない?
営業 でも、すごく少ないはず。ていうのは無理だから。そう保険屋さんに言われた。保険会社からすると全然儲からないって。
人事 ああ、なるほどね。昔うちの会社の取引先に某中堅の生命保険会社があったんだけど、その担当者さんも言ってた。運用利回りを全然確保できないって。
営業 だから減らしてると思う。昔は商品ももっといっぱいあったんだよ。でもたぶん今は全然ない。
人事 債券の金利がめちゃくちゃ低いんだよね。
営業 うーん。
人事 債券である程度金利が、利回りが確保できていれば、2%とか3%の利回りを保証しても良かったんだけど。債券の金利が相対的に下がってきている以上、株とかのリスク性の高い資産を多めに組み込まなきゃいけなくなるわけじゃん。
営業 うんうん。
人事 そうなると年によっては10%とかいけるかもしれないけど、マイナスになる可能性もあるわけじゃん。振れ幅が大きくなるからね。だから、2%とかを確保はできないよね。
営業 そうそう。保険屋さんと話していて思ったのは、学資保険やるんだったらもっと利率のいい、それこそ外貨建ての終身保険とかやるのと変わらないじゃないかって。
人事 なるほど。

学資保険やるなら外貨建て終身で良いかもしれない

営業 結局どっちも、終身にしろ学資にしろ、お金を積み立てなきゃいけないのは同じだし、なにかあったらお金出るっていうのも両方同じなんだから。そういう話を聞いて、「確かにそうだな」って。そう思って私はその10年の外貨建ての保険にしたわけよ。10年経てば子どもも中学生とかだから、ちょうどいいじゃん。
人事 ふんふん。
営業 その時にお金が欲しかったらおろせばいいし。もちろん為替リスクはあるけどね。
人事 ただ個人的にはつみたてNISAのほうがいいんじゃないのって思うね。
営業 まあ結局そうなっちゃうよね。積み立て方は保険じゃなくていいでしょって。テーマからそれちゃうけど。
人事 そうだね。介護保険はこれからも変わらずニーズがあると思うけど。でも、学資保険とか積立形式の生命保険とかに関しては、NISAのおかげかNISAのせいかは分からないけど、相対的な魅力は下がってきてるよね。
営業 下がってるね。
人事 だから併用するのが一番いいと思うけどね。
営業 うーん。
人事 ただNISAのほうが本命になるだろうね。
営業 今はつみたてNISAやっておいたほうがいいかもね。
人事 ただまあ、ある程度は税控除を受けられるというのは生命保険のメリットではあるから。
営業 うん。
人事 つみたてNISAをするとなると、生命保険はサブ的にしておいて、税控除を受けられる上限の金額くらいで止めておく。それくらいのノリなんじゃない?
営業 そうね。

学資保険ならつみたてNISAやidecoをやれば

人事 つみたてNISAをフルで活用して、まだ余力があるんなら生命保険に振り分けてもいいと思う。でも、個人的にはDCやっちゃったほうがいいと思うね。
営業 そうだね。そうなっちゃうね。
人事 だから、生命保険の個人年金に関しては今となっては魅力はほぼない。
営業 しかも確かあれは何年間かやらないと控除できないよね。
人事 そうなの?
営業 確か初年度じゃ無理なんだよ。私も調べたんだけど。
人事 でも確かに新しく始めるひとはほとんどいないね。ていうか見ない。
営業 いま調べたら、払込期間が10年以上必要だって。
人事 なるほど。今は個人年金って生命保険会社もあんまりやってないんじゃない?
営業 たぶん学資保険より少ない。これも儲からないから。
人事 だってDCでいいじゃないですかって言われるもんね。
営業 そうそう。
人事 「いやうちの会社はDCないです」ってなっても「じゃあiDeCoでいいじゃん」って話だし。
営業 うん。
人事 だからiDeCoとかつみたてNISAとかをメインで考えると、生命保険ってやっぱりサブ的になっちゃうよ。
営業 そうだね。確かにメインではないかもね。
人事 たとえばさ、会社でDCやってなくて、iDeCoにマックス拠出すると月額55,000円とかでしょ?
営業 そうだね。そのひとの立場によるけど。
人事 たとえば月額5万円をiDeCoに入れて。で、つみたてNISAはあれは年間40万円だっけ?
営業 そうだね。
人事 じゃあつみたてNISAは学資用にしようとかいうと、これだけで結構いっぱいいっぱいだよね。
営業 それだけで年間100万円になるからね。
人事 余ったお金でようやく生命保険かなって感じじゃない?
営業 そうなると、そもそも生命保険いるのかって話になるね。
人事 そうね。
営業 だったら、それこそ終身保険だけ払っておけば?って思う。もしなんかあった時のために、残されたひとがゼロはちょっときついかなと。きついんだったらやればいいし、亡くなったとしても、向こうに太い家があるとかさ。
人事 うん。

保険はその人の家族状況や年齢による

営業 そもそも家族いなかったりしたら、そもそも別に保険の意味がなかったりするじゃん。
人事 そうだね。これは私が社会保険に詳しいから言うのかもしれないけど、生命保険入る意味はあんまりない。
営業 結婚して子どもの生活を豊かにしたい、くらいじゃない?何かあった時に。入る意味があるとすれば。
人事 ただ、まあ厚生年金もあるからね。
営業 そうね、遺族年金があるからね。
人事 そう、遺族年金もあるし。共働きだったら収入が片方なくなるだけじゃんって話だし。共働きじゃなかったら、厚生年金から遺族年金でるしって話なわけですよ。
営業 うん。
人事 だから、生命保険はあんまり必要ないとおもう。だったらその分NISAとかiDeCoとかで積んでいたほうがいいと思う。
営業 うーん。もうこの辺は価値観だよね。
人事 それはもちろんそう。
営業 「怖いし心配だからやっておきたい」っていうんだったらそれはそれでもちろんいいし。
人事 そうだね。私はさっき言ったみたいに考えてるから、介護医療保険しか入ってない。
営業 月に3〜4千円くらいのやつ?
人事 そう。
営業 はいはい、掛け捨てね。
人事 あ、でも終身かな?65歳くらいまで払い込めば、あとは保険料いらないですよってやつ。
営業 あ、それいいね。
人事 実はもうひとつ入ってたんだけど。うちの母が勝手に入れてね。
営業 あー。
人事 最初は親が払ってたんだけど、社会人になって「じゃあこれは私が払うよ」ってなって、自分で払うようになったんだけど。
営業 うん。
人事 でも、しばらく経ってから片方だけこっそり解約したよ。
営業 いらねーと。
人事 うちの母が言うには「入院日額1万円はあったほうがいいわよ」って。
営業 あー。
人事 片方が入院日額5千円で、片方が入院日額5千円だから、合わせて1万円になる。だからふたつ入っておきなさいって。ていうか勝手に入れられた。
営業 はいはい。

最近は入院を長引かせない

人事 でも「ぶっちゃけ入院日額1万円いらなくない?」と。
営業 そういう話もあるよね。そんなにかかんないとか。
人事 特に最近はあんまり入院させないんだよね。
営業 確かに。そう言われた。
人事 実際にうちの母が手術したときも、なるべく早く体動かして、なるべく早く退院させましょうとお医者さんに言われたし。そのほうが回復も早いと。
営業 うん。
人事 手術しても入院しないってことも多いし。だから入院日額1万円がそもそも必要なのかって話になってくるじゃん。
営業 そのへんはホント難しいよね。医療のことはこっちは分かんないからさ。情報がないから。
人事 そうなんだよね。
営業 なんか言いくるめられている気がするって思っちゃう。
人事 ホントだよね。いや、ホントだよねって言ったらあれなんだけど。
営業 根底では保険会社を信頼できてないんだろうね。
人事 うーん。
営業 向こうも商売だからしょうがないんだけどさ、「なんかこいつら余分に取ってないか?」みたいなね。
人事 なんかね。あなたの典型的な保険の加入の話をしてもらった後でこういうことを言うのはあれなんだけど。
営業 はい。
人事 保険のおばちゃんが会社来て、社員つかまえて保険の契約取るって、なんかこすいよね。
営業 まあそうね。
人事 最近は少なくなってるかもしれないけどさ。でも、そこで保険の契約をゲットしちゃえばさ、ふつうは何年も解約しないわけじゃん?
営業 うん。
人事 だから、なんていうか、あんまりよく分かってない若手の社員を。
営業 言いくるめて。
人事 そう、言いくるめて。もちろん介護保険くらいはやっておいたほうがいいんじゃないかなとは私も思うし、本人のためを思ってのことなんだろうけど。でも、やりかたとしては卑怯かなって思っちゃう。

リモートワークの進展で保険屋さんもやりづらい

営業 逆に今はリモートになっちゃったから、保険屋さんはやりづらいんじゃない?
人事 あ、そういうニュースを見たことがある。
営業 なんかニュースあったよね。会社行けないしね。
人事 そうそう。会社行ってもリモートで誰もいないし、そもそも入れてくれないんです、みたいな。保険のおばちゃんが困ってます、みたいなニュースを見たことがあるね。
営業 急にリモートで来ても、こっちは絶対やらないもんね。
人事 そうだね。会社に来てた保険屋さんから「リモートで保険の紹介したいんですけど」って言われたら「いや、嫌ですけど」ってなるもん。
営業 絶対応じないよね。「いやちょっと忙しいんで」って言う。
人事 保険の営業のひとも今は大変かもね。
営業 やりづらいよ。アナログな手法がメインになっちゃっているのは少しかわいそうではあるよね。
人事 そうかも。
営業 加入者も減ってるんじゃない?そもそも通勤がなくなるとリスクは減るじゃん。労災のリスクも減るし。あ、でも、逆に運動不足リスクがでてくるか。
人事 かもね。そこは何とも言えないよね。

リモートによる運動不足に備える新保険も?

営業 うーん。保険は今後も考え方とか変わるかもね。あとは新しい商品が増えるかもね。リモート用の保険とか。
人事 そうだね。それこそ昔は個人年金の生命保険は悪くないものだったと思うけど。
営業 うん。
人事 将来のお金を積み立てて、かつある程度税金の控除を受けられるっていうのは悪くない。でも、iDeCoが出てきちゃったから。
営業 もう個人年金はいらないね。
人事 全然太刀打ちできないからね。
営業 どう考えてもできないと思う。
人事 だよね。個人年金だと年間最大5万円所得を減らせるけど、iDeCoを毎月5万円やったとしたら年間60万円減らせるからね。
営業 10倍くらい差がでちゃうもんね。
人事 全然太刀打ちできない。
営業 保険はさ、年を重ねると入らなきゃいけないのかなって思うんだけど。
人事 全く入らないっていう選択肢もありだよね。
営業 かっこいいし。
人事 結構いるよ?たまに見るのは、保険料控除申告書の左側が何もなくて、右上だけ書いてあるひと。
営業 あー、はいはい。

国内外資だと地震保険が人気

人事 要するに生命保険や個人年金は全く入ってなくて、地震保険だけ入ってるってひと。
営業 それは今どき賢いかもね。日本で一番リスク高いのは地震だしね。
人事 そうだと思う。そういうひとは結構います。外国人に多いかな。
営業 あー、なるほどね。価値観でるね。
人事 外国人は生命保険掛けたがらないっていう傾向は全体としてあるよ。死んだ後のことなんて考えたくないよっていう。
営業 まあでも、結局そこなんだよね。だって当人は何にも関係ないじゃん。
人事 だね。
営業 どうなろうが知ったこっちゃないっていうとあれだけど。知りようもないしさ。
人事 そうね。でも地震の恐怖というのは外国人には明らかなわけだよ。特に地震があまりない国や地域から来たひとにとっては怖くてしょうがない。
営業 地震は被害でかいし。家具が全部ダメになるって可能性もあるわけじゃん。これは保険でカバーしたいよね。
人事 確かに。だから地震保険だけ入ってるってひとは結構います。
営業 なるほど。
人事 あとはよくあるのは、私みたいにちょっとだけ介護保険入ってるってひと。
営業 病気、ケガに備えると。
人事 そうそう。そういうひとも結構いるし、何にも書かずに出してくるひとも結構いる。
営業 一回出して欲しいよね。保険状況別のかかった費用と受け取った給付の統計?
人事 それは生命保険会社で公表してるんじゃないの?
営業 してるのかな?公表して「やっぱり入った方がいいですよ」って持ってきたいんだろうけど。
人事 だって生命保険って結局統計学だからね。
営業 そうね。アクチュアリっていう、そういう優秀なひとたちが計算をやってるわけだからね。
人事 その保険事故が起こる確率と、保険料のバランスを考えて、かつ会社の利益が出るようにしてるわけじゃん?
営業 うん。
人事 その計算は絶対にしてるわけだし、公表もしてるんじゃないかな?知らんけど。
営業 まあ、してるか。そりゃそうだよね。
人事 まあ少なくとも財務諸表みたいなものを見ればわかるよね。

過去には保険金未払いが…

営業 いくら払ってるとかね。そういえば昔大規模な保険金未払いあったけどね。
人事 未払い?
営業 うん。確か保険会社の未払いがあったんだよ。大規模なのが何年か前に。
人事 そうだっけ?請求しても払ってくれなかったってこと?
営業 えーっと、今調べたら「不適当な不支払い」だって。払わなきゃいけないのに払わなかったってこと。
人事 なるほど。
営業 16年前ですね。
人事 だいぶ前だな。
営業 死亡保険金の不当な不払いが発端となった。あと損保も不払いがあって、大量に発覚した、と。ダメじゃん。
人事 死んでたのに払わなかったの?
営業 そう言うことだね。162件だって。明治安田。
人事 実名言っちゃったよ。
営業 そこが発端でいろんな会社でも発覚したみたい。ニッセイだろうが第一生命だろうが。だからやっぱり適当なんだろうね。
人事 やっぱり払いたくないっていうインセンティブが働くんじゃないの?
営業 でも、それ保険の意味ないよね。
人事 そりゃそうだ。
営業 業務になってなくね?
人事 そうだね。その通りですわ。
営業 もちろん今は改善されたとは思うけど。思うっていうかそうなってないと困るんだけど。
人事 でもたまにそういう話は聞くよね。
営業 聞くね。
人事 保険でカバーされると思ったのに、いざ申請してみたら色々難癖つけられて払ってくれなかったみたいなね。
営業 最低な話だ。

保険は安心感との引き換え料

人事 これはあまり関係ない話なんだけど。
営業 うん。
人事 これは取引先だった生命保険会社の営業さんから聞いたんだけど。「うちはきっちり払います」っていうセールストークの一環として話してたんだけどね。
営業 じゃあ払ってないやつがいるんじゃないか。
人事 まあ、それはおいといて。あるケースとして教えてくれたのは、明確な期間は忘れたけど、自殺の場合はある程度期間をおかないと保険金払ってくれないんだって。
営業 へー。
人事 例えば生命保険入ってすぐ自殺した場合は払わないと。要するに「生命保険金目当てで自殺したんでしょ」ってなるから、それは保険の趣旨に反するから払わないと。
営業 なるほど。
人事 でも1年だったかな?その会社は加入から1年経ってたら、自殺の場合も保険金払いますと。そういう契約になってたんだって。で、きっちり1年後に自殺したひとがいるらしいんだよ。
営業 なんじゃそりゃ。完全に狙ってるじゃん。
人事 しかも、それがその会社だけじゃなかったんだって。
営業 へー。
人事 他の会社は1年じゃなくて6ヶ月とか、あるいは3年とか。自殺でも保険金払う期間にばらつきがあったらしいんだよ。今はわかんないけど。
営業 うん。
人事 そのひとは複数の会社の生命保険に加入して、それぞれの契約期間をきっちり満たしたうえで自殺してたんだって。
営業 へー。じゃあそのひとはすごい強い意志があったんだね。
人事 そう。きっちり1年後に自殺すると決意して。色々保険を調べた上で、計算して加入して、で、計画通りきっちり死んだと。
営業 すごい意志だよね。そのひともね。
人事 ホントだよ。だからその生命保険会社のひとも「逆に感心しました」と。「もちろんうちは制度上そうなってますし、きっちりお支払いしましたけれども。それは流石に聞いた時にはびっくりしました」って言ってた。
営業 そうだね。そのひとはよほど事情があったんだろうね。
人事 でも実際はどうなんだろうね?色々条件があって結局保険金払われなかったっていうのがあるんじゃない?ていうか、そういう不信が我々にあるんじゃない?
営業 あと実際そんな話は誰からも聞けないからね。
人事 そうだね。
営業 不幸話は立ち入れないじゃん。立ち入りたくもないし。
人事 確かに。
営業 だからそこはもう都市伝説的にそうなっちゃってるのかもね。「あそこは払ってくれないらしい」とかさ。
人事 あー、そうなっちゃうと保険会社はきついよね。
営業 確認する術がないし。
人事 確かにそう言うのはあるかも。
営業 まあでも保険は結局備えだから。安心を買えるんだったらやっておけばいいやっていうのは、この年になって思ったよ。
人事 そうだね。でも個人的にはやりすぎるのはなあって思うよ。
営業 ほどほどにね。
人事 そうね。もちろん個人の自由だからなんとも言えないんだけど、NISAとかiDeCoとかが出てきている以上、昔ほど魅力はないかなって気はする。税金もあんまり減らないし。
営業 そうね。うまく話がまとまったね。
人事 うまくまとまったかはわかんないけど。まあ保険についてはそんなところじゃない?
営業 そうだね。

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