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1037_思考のハコ

空っぽな容れ物があれば、何かを入れてみたくなる。空欄があれば、埋めたくなる。隙間があるのなら、その間になにかを差し込もうとする。ある種の人間の習性なのかもしれない。

ひとつ、なにか物事をはじめようとする。新しい発想が必要な企画、いつか片付けなければならない厄介の仕事の端緒やら、貯蓄をするための家計簿などを想像してみよう。まっさらでなにもない、空っぽなところから何かを作り出すのはなかなか難しいし、ハードルが高いだろう。

だから、まずは空ハコを作ってみる。枠組みやフレームワークと言ってもいいだろう。中身からとっかかるのではなく、先に骨組みをしっかり組んでみる。そうすると、人間は自然と骨組みを肉付けしていくように、その中身を埋めていくようになる。自分はなんとなく、この隙間が埋まっていく過程というものに満足間や充実感のようなものを覚える。

これを利用したのが、フォーマットとも呼ばれる。役所の申請用紙や、穴埋め問題、ネットのリクエスト入力フォームなど。フォーマットがあると、あとは埋めるだけでよいから、思考の流れがスムーズになるし、余計なところでつまづかなくて済む。

できるだけ、余計な思考の逡巡をたどらず、効率的に答えにたどり着く仕組み化をいつも心がけていれば、脳内のリソースも節約できる。言ってみれば、空箱を埋める仕組みでうまく脳を騙くらかして働かせるようなものだ。試してみよう。

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