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1114_あなたの代わり
「係長、また昨日も遅くまでやられてたんですか」
「あ、まあ。ちょっと来週のプレゼンの資料の読み込みをしようと思って。いや、俺の頭が追いついてなくて、なかなか頭に入らなくてね。全然俺のことは気にしなくていいから」
「先週も例の案件で遅かったじゃないですか。あんまり無理されない方がいいですよ。なによりご家族の方も心配されるでしょう。お子さんもまだ小さいんでしょうし」
「まあ、家族は大丈夫だよ。俺みたいなのは頑張ることくらいしかできないから」
「あのですね、係長。前から申し上げようと思っていたんですが」
「な、なんだい、急に改まって」
「お言葉ですが、係長の代わりはこの会社にたくさんいらっしゃいます」
「ええ?なんだって?」
「すいません、言い方を間違えました。つまり係長がいなくても、このチームはちゃんと機能しますから、なんとか仕事はまわしていけます。だから、そんなに1人で抱え込む必要はありません」
「あ、ああ、そういうことね」
「でも、係長の家族の代わりは、係長以外、誰にもできないんでよ。お子さんのお父さんは係長だけですから。変わりはきかないんです。だから、仕事よりもご家族との時間を大切にしてあげてください」
「そうか…。ありがとう、こんなことを言ってくれる部下がいて、頼もしい限りだよ」
「はい、だからなんでも言ってください」
「わかった、いろいろこれから頼らせてもらうよ」
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