妖狩りの侍と魔剣『斬妖丸』 : 「沼の主… 水妖との戦い」
餌が居やがったぜ…
今度はアイツだ
あの舟釣りをしてるヤツ…
アイツを喰ってやる
この辺りの人間にしては
太ってて
喰いごたえがありそうだ…
まずは儂の尻尾で水面を叩く
ヤツが舟の縁から
覗き込んだところを
頭から丸飲みにしてやる
「バシャバシャッ!」
「ん…?」
「バクウッ!」
よしっ!
飲み込んでやった
これで当分は
喰う必要は無い…
次の獲物が来るまで
寝て暮らすとするか…
おっと…
こいつは活きがいいぜ
腹ん中で大暴れしてやがる
この活きのいいのが
たまんねえぜ…
人間の踊り食いはよう
ぐわっはっはっはっ!
*******
早く来い…
沼の主よ
水妖よ…
拙者が舟に乗り
すでに一刻余り…
待ちくたびれたぞ
拙者も我が愛刀『斬妖丸』も…
「バシャバシャッ!」
来たか!
「てえええいっ!」
「ズバッ!」
ちっ…
手応えはあったが
逃がしたか…
おびただしい血と
これは水妖の胸ビレか…?
畳一枚ほどもある…
逃がした魚は大きいとは
この事なり…
次は逃がさん!
行くぞっ、『斬妖丸』よ!
ヤツを追い
とどめを刺してくれん!
いざっ!
ヤツと水中で勝負だ!
「ザッバーン!」
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