幽閉⑮ 王様の意地を見せてやるか…
ふふふ…
いよいよ来やがった
僕が待ち構えているのも
知らないで…
ハチの巣にしてやろうかな…?
それとも捕まえて…
嬲り殺しにしようか…?
僕は嬲り殺しの方が好みだけど…
ヤツ次第だね
どっちにしろ
精一杯苦しませてやらないとね
僕とくみの王国に無断で入ったんだ
しょうがないよねえ
一発で殺してなんかやらないよ
ここは僕の猟場さ
今までにも何人も狩った
くみの男達の何人かは
ここで僕の狩りの獲物になったんだ
みんな林で眠ってるよ
その前に屋敷の地下で
解体してやったけどね
バラバラさ…
まだ生きてたヤツもいたなあ
あれは楽しめた…
今回もまた出来ないかな…?
アイツが頑張って
死なないで捕まってくれれば
後で僕がゆっくりと楽しめる
どっちにしても死んじゃうってのは
アイツにとっては不幸なのかな?
でも、僕が王様なんだから
しょうがないよね
あっ、そうだ
いいこと考えたぞ
くみの目の前で
アイツを生きたまま解体するってのは
どうだろう?
くみにも手伝わせようかな…?
だって、くみは王妃なんだもん
王様の手伝いをしなきゃね
二人の共同作業ってやつ
いいなあ…
我ながらナイスアイディア
そうなると…
アイツは殺せないな
生きたまま捕えなきゃ…
よし、頑張るぞ!
王様の意地を見せてやるか…
おっ… リビングの窓を開けやがった
どうやったんだろう?
破っちゃいないようだ…けど
なかなか面白いヤツだな
楽しめるかも…
うん?
なんだ… ヤツが手に持ってるのは…?
拳銃…じゃないか…
アイツ、何者なんだ…?
これは想定外だった…
簡単じゃなくなったってわけか…
まあいい…
物は考えようさ…
草食動物ばかりじゃつまらない
たまには牙のある肉食系も
いいんじゃないかな
やりがいがあるぞ
よし、歓迎してやるか
まずは小手調べってヤツを
たっぷり食らわせてやる…
「ダダダダダ!」
うーん、いい響きだ…
確かに手応えあったぞ
くそっ!
ソファーの後ろに隠れやがった
ソファーごとズタズタにしてやるか…
でも、弾切れになるとこっちがヤバいな
装弾中に撃たれる
このまま持久戦だな…
まあいい、あっちは手負いだ
そのうち出血でへばるだろう
根比べだ…
その前にちょっと聞いてみるか
ヤッホー!聞いてるかあ?
お前は何者だ?
なぜ拳銃持って一人でやって来た?
お前はバカかあ?
何っ?
お前が…くみの父親だあ?
そう言えば、くみのヤツ…
親父が刑事だって言ってたな…
ホントだったのか…
クソっ! なんてこった!
いよいよ殺さなきゃな…
絶対に生かしては出せないぞ
手加減なしだ!
ぶっ殺す!
「ダダダダダ!」
死ね!死ね!死にやがれ!
クソ刑事っ!
「カチ…カチ…カチ…」
クソっ!
弾切れだあ!
予備の弾倉… 予備の…
「ダギューンッ!」
ぐわっ!
なんだ… どうなったんだ…
撃たれたのか…?
い、痛い… 痛いよう!
助けて… 殺さないで…
じょ…冗談じゃないですかあ…
お父さんたらぁ…
ちょ、ちょっと… ふざけてみただけ…
なんですよう…
い、いやだなあ…
お父さんったらあ…
か、歓迎の… ご、ご挨拶です…
すっ、すみません…
ご、ごご、ご挨拶が… お、おお、遅れててて…
ぼ、僕はくみさんの、お、おお…夫です
は、はは、初め… ま、まして…
あっ、くみさんなら二階に…
も、もちろん… 丁重に…
ぐぎゃあ…! いっ痛い痛いい!
な、何するんだっ!
ぼ、僕は怪我人なんだぞ!
け、刑事がこんなことしていいのかあっ!
う、うう、う、訴えてやる!
さ、さっ、裁判だ!
ぼ、ぼぼ、僕は何もしちゃいない!
ふ、不法侵入者を追い返そうと…
し、しただけ…
ひいっ!
や…や、めて… こ、殺さないで…
ごめんなさい…
も、もうしません…
わ、悪いのは… ぼ、僕です…
く、くくみさんを…お、おか、おか、お返し、しま…します…
お願いだから…
た、助けて下さい…
か、勘弁…して、く、下さい…
こ、殺さない…で…
お… お願い…
です…
もしよろしければ、サポートをよろしくお願いいたします。 あなたのサポートをいただければ、私は経済的及び意欲的にもご期待に応えるべく、たくさんの面白い記事を書くことが可能となります。