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雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック『シモーヌ Les Simones VOL.3』特集:オランプ・ドゥ・グージューー18世紀の女による「異議申し立て」を引き受ける

「女よ、目覚めよ。あなたが持つ権利を認識せよ」
18世紀末、革命によって時代が大きく動いていたフランスで、女性の権利獲得を叫んだ劇作家がいた。
絶対王政が崩壊、「フランス人権宣言」により市民が貴族から主権を奪ったと思われたが、権利を手中に収めたのは男性のみ。オランプ・ドゥ・グージュ(1748-1793)は1791年に「女性および女性市民の権利宣言」を書き
あげ、社会から女性が排除されている事実をパロディによって告発した。

特集扉グージュ

革命家の暴力性に抗い、女性に不利な法律を批判し、黒人奴隷問題を演劇で訴えた、ファム・アンガジェ(社会参加を表明した女性)。
「人=白人男性」という構造のなかで、現代で言うパリテ(男女対等)を主張し、BLMを謳い、特権階級の搾取を指摘したグージュのメッセージは200年以上たったフランスでも女性たちを鼓舞し続け、遠い日本における現代の問題とも地続きだ。「女性だから」という理由で非難と嘲笑の的になったことも、またしかり。国王の処刑に反対したため反革命派とみなされ、提言の実現を見ることなく断頭台(ギロチン)に消えたオランプ・ドゥ・グージュ。

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女性議員が極めて少なく、弱者が何かと後回しにされ続けるこの日本で闘うために、彼女の理想に思いをめぐらすことは有効だ。21世紀の姉妹たちよ、目覚めよう。
今こそグージュの異議申し立てを引き受け、私たちが持つ権利を実現せよ。

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【寄稿】
辻村みよ子「オランプ・ドゥ・グージュと『女性の権利宣言』」
太原孝英「二一世紀に読むオランプ・ドゥ・グージュ『黒人奴隷制』」
高瀬智子「革命の舞台を駆け抜けたオランプ・ドゥ・グージュ」

【オランプ・ドゥ・グージュ著『女性の諸権利』全訳】
Olympe de Gouges, Les droits de la femme, 1971
永田千奈訳 「王妃へ」「女性の諸権利」
辻村みよ子訳 「女性および女性市民の権利宣言 前文」、「女権宣言」(「人権宣言」との比較)
相川千尋訳 「女性および女性市民の権利宣言 後文」、「男女の社会契約の形式」

【マンガ】
ジュリ・ブランシャン・フジタ「オランプ・ドゥ・グージュ ヒストリー」

【コラム】
「革命と女性蔑視(ミゾジニー)」

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