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政治はよりよい未来を作るためのツール。政治における女性のリーダーシップ

文・編集:鈴木 菜那(ジェンカレ事務局)

内閣府の調査によると、2021年の国会議員に占める女性の割合は9.9%。世界と比べてみても、189か国中165位という結果(※)をみても、その割合の低さが読み取れます。

女性の候補者を増やそうと、各党に男女の比率をできるだけ同じにするよう求める「候補者男女均等法」という法律が2018年に作られたものの、まだまだ日本で活躍する女性政治家は少ないのが現状です。

「どうせ自分が選挙に行っても、なにも変わらない」「政治についてよく知らない」という方も多いはず。

ジェンダーギャップを解消し、誰もが豊かに生きられる社会を実現するためには、男性だけでなく、この社会で生活する女性の意見や考えを積極的に取り入れていく必要があると考えられています。

第4回と第12回の講義では、「政治における女性のリーダーシップ」と題し、上智大学法学部教授 三浦まりさんと女性政治家のみなさんにお話しをしていただきます。

※ 出典:男女共同参画白書 令和3年6月「コロナ下で顕在化した男女共同参画の課題と未来」

ジェンダー視点で政治の理解を深める

「政治における女性のリーダーシップ」の講義は、第4回と第12回の前後半にわけて開催。

前半の第4回目では、上智大学法学部教授 三浦まりさんを講師にむかえ、政治における女性のリーダーシップの現状と課題、解決策について理解を深めていきます。

「どうして日本では女性政治家が少ないのか」現状を知り、「女性やマイノリティーが政治に参加すると何が変わるのか」、これからわたしたちが生きていく未来に思いを巡らしながら政治における女性のリーダーシップについて考えます。

また、「有権者としてどのように政治に関り、どのように変えていくのか」についてもこの講義では考えていきます。たとえば選挙で「なにかできることをしたい」と考えたとき、ボランティアとしての参加はハードルが高いかもしれません。ボランティアではなくても、女性議員の演説を聞きに行くことや街頭でチラシを受け取ることもサポートのひとつにつながります。

三浦まりさんの講義は、参議院議員選挙の直前なので、有権者としてできることをぜひ見つけてみてください。

女性議員から実例を学ぶ

前半では有権者としてどのように政治に関わり、社会を変えていくのかについて考え、後半の第14回目では、実際に地方議会でジェンダー課題解決に取り組む議員をお招きし、実例をうかがいます。

ジェンダー課題の解決に向けて施策を提示しているのは、国だけではありません。自治体の取り組みや自分の住んでいる地域でできることを知り、政治に対してどのようなアプローチができるのか、より具体的に考えていきましょう。

三浦まりさんからメッセージ

「日本のジェンダーギャップ解消が進まない大きな原因は意思決定に参加する女性が少ないことがあります。特に国政や都道府県議会、人口減少に直面する自治体では男性が意思決定をほぼ独占しているような状況です。

政治はより良い未来を作るためのツールでもあります。皆さんは政治に何を期待しますか? あるいは何に期待をしていませんか? どうして政治を諦めてしまうのでしょうか? 女性リーダーは政治をどう変えるのでしょうか? より良い政治を手に入れるために、何ができるのかを考えていきたいと思います」

三浦まりさん プロフィール

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上智大学法学部教授。若手女性対象の政治リーダー養成を手がける一般社団法人パリテ・アカデミー共同代表。カリフォルニア大学バークレー校にてPh.D. (政治学)取得。専門はジェンダーと政治、福祉国家論。主著に『私たちの声を議会へ:代表制民主主義の再生』(岩波書店,2015年)、『日本の女性議員:どうすれば増えるのか』(編著、朝日選書、2016年)、『ジェンダー・クオータ:世界の女性議員はなぜ増えたか』(共編著、明石書店,2014年)など。朝日新聞論壇委員。千代田区男女平等推進区民会議会長。2018年に世界政治学会で最優秀論文賞(ジェンダーと政治部門)を受賞、2021年にフランス共和国より国家功労賞シュバリエを受章。

書籍案内

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出典:Amazon

日本の女性議員 どうすれば増えるのか
出版社 :朝日新聞出版
発売日:2016/4/8
価格:1,760円(税込)

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出典:Amazon

ジェンダー・クオータ―世界の女性議員はなぜ増えたのか
出版社 :明石書店
発売日:2014/2/28
価格:4,950円(税込)

ジェンカレ

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生まれた時の性別に左右されずに自分らしく生きられる、ジェンダー平等社会の実現が必要です。

しかし、2021年発表の「ジェンダーギャップ指数」によると、日本のスコアは調査対象である156カ国中120位。日本にはいまだにジェンダー平等実現への課題が山積みです。

SDGsの影響もあり、様々な場で「ジェンダー」という言葉を目にする機会が増えていますが、日常で感じたジェンダーに基づく違和感について調べてみても、「難しそう」「私に解決は無理」と感じてしまっているのでは?
そこで、私たちは、ジェンダーについて包括的に学び、一歩踏み出せる場がいまこそ必要だと考え、ジェンダー平等な未来を拓く次世代のサードプレイス『ジェンカレ』を開校します。

一方通行な講演・イベントではない、各分野のフロントランナーによる講義やワークを通じて、受講生がジェンダー平等な未来を拓くことを目指しています。

お問い合わせ:gencouragequ@gmail.com

参加のお申し込みやプログラムの詳細は、ウェブサイトからご覧ください。
※ゼミ生募集:2022年3月31日まで



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