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【地政学】『地政学が最強の教養である』#6

どうもこんにちは、げんちゃろです。

最近は(そこまで忙しいとかではないのですが)そこまでやる気が上がらずなかなか本を読み進められていない気がします。そういえばいつの間にかもうすぐ5月になろうとしているので、これは毎年罹患する5月病のせいですかね。←

そんな中でなんとか読んでみた一冊がこちら。
『地政学が最強の教養である』田村耕太郎著(2023年、SBクリエイティブ)

かなり強気なタイトル(このタイトルは著者本人が決めたわけではないみたい。)。だけども、以前から地政学に興味があった自分には、「確かにそうかもしれない」と感じていたので、手に取りました。

この本は、地政学の重要性や、各国・地域別の行動原理や現在の国際情勢の地政学的観点からの分析を、ビジネスパーソン向けに行うもの。地政学の本には、学問的な歴史とかを難しい言葉で書いているものも多くて、「入門」とか書いてあってもそれなりに根気がいる印象ですが、この一冊はそういったものではなく、比較的平易でわかりやすかったので、厚さの割にはサクサク読めました。

この一冊を通じて何度か登場するコンセプトは、地政学的な視点で物事を見ることは、各地のリーダーのロールプレイングをすることであり、これによってトップの思考法を体感するとともに、相手の立場に立って考える訓練になるというもの。この点で、地政学がビジネスパーソンにとっても重要な教養であるという。

2023年に出版されているかなり新しい本なので、最近のロシア・ウクライナ情勢や、中国の動向についての分析もなされています。ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻は、プーチン氏の頭がおかしくなったのか?といった意見もまま見られるところであるけども、ロシアの置かれている地理的条件やこれまでの歴史からして、プーチン氏の行動原理も地政学の観点から分析できそう。

具体的には、ロシアの国土は日本の45倍もあるものの、その60%が永久凍土、80%は無人の土地。190もの少数民族が暮らし、14もの他国と国境を共有している。国土が広すぎるがゆえに、いつどこから他国から侵略されるかわからないという恐怖を感じ、周辺の国々を取り込んで緩衝地帯とすることで安全を保障していたロシアの気持ちは、海に囲まれ他国から攻め入れられにくい(実際にも侵略された歴史がほぼない)日本からは、簡単には理解しづらい部分もある。

地政学を勉強することで、世界のリーダーの思考を想像し、それによってニュースの出来事に対する解像度が上がるばかりか、未来予測だってある程度は可能になるのだろうと思います。日本では、WWⅡ後の教育方針の影響で、地政学はあまり教養として浸透していませんが、世界ではスタンダードな教養とのこと。世界情勢が金融やサプライチェーンをはじめ私たちの生活に与える影響は大きく、世界で何が起きているのかを正しく把握して、それを踏まえてどのような行動を起こすべきなのか、一人一人が考えられるようになれればいいですね。

ではまた!

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