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10年前に教わりたかった勉強術〜エビデンスの質〜

どこから読めばいいのかわからない

あんなに頑張ったのにまた忘れちゃった

論文なんて難しい用語ばかりで読み辛い。

調べることはまあまあ楽しめるけど、結局どっちが正解なの?ってわからなくなる時がある


論文などしっかりした読み物をするときの情報の整理の仕方、効率的な情報の集め方について今回は説明していきます。まさに私が10年前に教わりたかった方法です。



私は約10年間理学療法士をしています。学生時代、特に実習中はたくさんの論文を手当たり次第読みました。ちゃんと理解もできていないまま指導者に説明し、ときには「エビデンスは?」と聞かれても答えられないこともありました。


最近になってようやく、
「あ、こうやって情報を整理したらよかったんだ」

「え?これ、最新を調べても10年前とそんなに変わってないじゃん!」

「ってことは10年前にこのやり方で勉強してたら今でもバリバリ使える情報じゃん!」

って気付くことが出来ました。

頭のいい人はすでに知っていることなんだろうけれど、私はここに辿り着くまで10年もかかってしまいました。

今までたくさんの指導者、先輩方に教わってきました。中にはこのように勉強されている方もいたのかもしれませんが、これから書く内容のように順序立てて説明してくれた人はいませんでした。ですので、今回このようにまとめてみることにしました。

「なるほど、この方法アリだな」「これならやれそうだな」と思っていただけたら、嬉しいです。そしてコメントで「やってみたよ!」と教えてください。あなたの成長が私のエネルギーになります。





エビデンスの質 ”トップダウン”と”ボトムアップ”で読む


エビデンスの質とは?

 科学の世界では、さまざまな方法を利用して研究が繰り返されています。とある集団を観察してみてどういう傾向があるのか調べたり、プラセボと言って偽物の薬を与えた場合と比較して本当に効果があるのかを調べたり。

いろいろな考え方があるなかで、今回特に注目したいポイントがあります。それが「エビデンスの質」です。エビデンスとは直訳すると「証拠」という意味です。研究者の世界では、その研究方法によってエビデンスの質が変わってきます。


エビデンスの質が高い(低い)とどうなるかというと、

エビデンスの質が高ければ、信頼性が高く、覆される可能性が低くなる。
逆にエビデンスの質が低ければ、信頼性が低く、今後の研究によっては覆される可能性が高くなる、ということになります。


エビデンスの質の高低には特徴や順序があり、5つに大別すると低いものから順に、
①ヒトが関与しない動物実験や試験管内での実験
②1人を対象にした症例報告や専門家の意見
③とある集団ではあんな人とこんな人がいるな〜という観察研究
④前述したプラセボを利用したり、どちらの治療が有効か?を調べるランダム化比較試験
⑤複数の論文データを調査し、より大規模なデータで検証する二次研究。多くの論文を一つの論文に集約する、論文の論文見たいなもの

となります。ウィキペディア先生にわかりやすい図が載っていました。



このように、エビデンスの質が低いものから高いものへと順番に積み上がっていきます。これが研究方法とエビデンスの質の関係になります。


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